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幻影道R 第九巻   作者: SAKI
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「夢幻の可能性」 その5

「この中だよ」


 区画ごとに分けられた扉を開く度にどんどん暗くなっていく気がする、流石に目も慣れてきたから薄暗い程度に感じる。ここにユイさんが囚われているのだろうか。


「ユイさん!!ユイさ〜ん!!」


 私は大声で名前を呼ぶも音が反響するだけで言葉は帰って来ない。


「・・・あれ・・・?」


 だが一方でハルカさんは何か違和感を感じていた。そして近くにあるテーブルに置いてある箱の中から見覚えのある服を取り出した。


「それ・・・ユイさんの・・・」


 ユイさんの服だけじゃない、下着も一緒に入っている。ユイさんは裸で拘束されていたということになる、増々怪しくなるハルカさんに視線を向けるとその表情は暗くて確認は出来ないが口元が震えていた。


「おかしい・・・確かに脱がせたけど鎖の音がしない、頑丈な拘束用の手枷足枷に頑強な鉄の扉と厳重なのに鉄の音すら聴こえない・・・」


 ユイさんを長時間拘束していたのか血液を過多になるほどね抜き取ったり女の子の尊厳を踏み躙る外道の発言も聴こえた。


「ハルカさん・・・それでユイさんを死なせたなら・・・絶対に許しませんからね?」


 既に怒りの沸点は高いが更に臨界点にまで到達しそうだ、このお人形さんはどうして簡単に人を実験台にするのか、どうして人を創ろうとするのか理解できない。


 私は押し殺した殺意が爆発しそうになりながらも歯軋りしながら捜索する。


 拘束していた場所から大量の血液が散らばり、何度も足掻いた痕跡が見つかった。


 だがよく見ると拘束していた手枷が無理矢理破壊されているのを確認した。


 ユイさんは逃げたんだ!!ハルカさんも想定外の出来事にたじろいている。


「ハルカさん、あの壁・・・」


 そして暗闇の奥の壁には鉄の扉に風穴が空いてることを戦慄しながら発見した。


「う、うそ!?三層まで重ねた鉄の壁よ!?何で風穴が開くのよ!?」


 ハルカさんはそれを見ると一気に余裕が無くなり焦っていた。


「そっちの方面はまずい!!研究してた生物を廃棄した化け物が沢山潜んでいるのに!!」


 早く探そうと超人的な脚力でハルカさんはその先へ急いだ、私はボロボロになった服をキリちゃんが創ってくれた秘密のバッグを腰に着けて服をその中に入れると簡単に入った。


「錬金術士の道具はやっぱり凄いや」


 ユイさんが怪我をしたりボロボロになった時に使える薬品や魔力を回復できる飲み物や治療道具なんかも全部持って来た、服が無いユイさんはきっと羞恥心を感じながら逃げ道を探してるに違いないと私はハルカさんの後を追った。

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