「商業区防衛戦・後編」その20
「・・・はぁ、また二ヶ月か・・・前よりはマシだけど・・・」
あの時話していた会話が気になって仕方ない、だけどいくら自由にしていいと言われても盗み聞きをするなんて何だか悪人みたいだ。私の力は一体誰に流されてるのか分からない。
あの院長さんはまだ見極めてる最中だし、正直私はあの時は何であんな事が起きたのかよく分からないしそれにあの声、どう見ても私だ。
私が私に声を掛けて私は私に力を貰って私と私で何か組み合わさって出来た力なのか、うぅ頭が痛くなってきた。
獣の力と狂い火が合わさった力、そんな強大な力を私が所持してるなんて・・・なんか普通じゃない冒険者っぽくて凄いかも?
だがそれも問題が残ってる、その力はいつ発動するのか、何かしらの起点で使えるようになるのかがいまいち分からない。
「う〜〜〜〜〜ん、ふん!!!」
試しに目力を強くすると特に何も起きない、集中しても何も起きない。こんなの旗から見ればの変人だ。
「はぁ〜明日からまた美味しくもない病院食と普通の水か・・・」
舌が肥えてしまったのか美味しいご飯とお酒が無いだけでちょっと気落ちしてしまう、ユイさんのご飯、ノア先輩の優しくて皆が笑顔になる食事とたまに煩い喧騒が居心地の良い雰囲気にも馴れてしまい静かな雰囲気はちょっと寂しい。
「病院内から出ないようにアヤちゃんもいるし自由行動は夜だけか、取り敢えず本とか腕が訛らないように運動しようかな、後は皆に手紙とか・・・スイカズラ冒険者の皆には色々とやらかしそうだから注意事項を書いてランク上げと・・・」
あれやこれやとやっている内にアヤちゃんが就寝の時間を知らせに来てくれた、皆と会えないのは断腸の思いだけど早く治して今度からは皆と遠くまで冒険に行きたいな。
ヒヨって遠征に行くのは避けてたけど新しい仲間が増えたことだし病院にいる時はあの”力“についてどうすれば使えるようになるのか考えておかないと。
「ユカリちゃん、もう寝ましょう?いつまでも寝ないと強制睡眠薬を飲ませないといけなくなるわ」
何そのヤバそうな薬剤、私はアヤちゃんに皆宛に手紙を届けるようにお願いすると私はさっさと寝ないとゲキヤバ薬剤を飲まさせる。
唯一の灯りである蝋燭の火を消すと辺りは一気に暗くなる。
「・・・落ち着くな」
暗い闇ってどうしてこんなに落ち着くんだろう?
いや違う、落ち着くのは・・・・
”私“が存在しないと唯一自覚できるからだ。




