エナの独白
「眠たい」
「うー」
「ユリ様も眠たいですか?」
「あーぅ」
「駄目だ何しても眠たくなってきた」
抱っこしたりゆりかごから降ろしてはいはい出来るように離れて座ったりおもちゃで遊んだりと体を動かしてるが眠たい
「ユリ様昨日色んな事があったんです
さぁゆりかごに戻りますよー」
ユカリナ様がメイドの事で陛下に聞いてくれて町に下りれた
お母さんに会えるかと思ったけれど違った口にするのも震えてしまう ユカリナ様に報告出来るだろうか?
どう言おう? 会えませんでしたって言うのか私
グルグル悩んでは消えての繰り返し
おばさん達の顔が友達との思い出が浮かんでは消えて自分も消えてしまえたらと思う
ロイドが来なかったら私 どうなってただろうとも考えて笑ってしまってオカシイ自分に泣けてくる
「うー?」
ユリ様が私に向かって手を伸ばした
「ユリ様この世界は理不尽です
私の髪色が青いってだけでこんなっ」
母は分かってたんでしょうか 殺される事に
ユリ様がゆりかごの角に手をかけられて立とうとしている?
「ユリ様ユリ様頑張って」
あぁどうしようユカリナ様決定的瞬間だわ!
呼びたいけれど離れられない ドアを開けて兵隊さんを呼ぶ?
でも目が離せないからもどかしい思いのまま目に焼き付ける
「ぁあっあと少しだったのにユリ様惜しかったですね」
またユリ様が私に手を伸ばしてくる
「ユリ様抱っこしますね」
赤ちゃん体温に安心してか泣いてしまった
「本当泣き虫です私 ユリ様が大きなっても泣き虫だと呆れますかね」
抱っこしたまま座るユリ様は眠ってしまった
母と二人で頑張ってきたいや 頑張ろうとする決意すら考えず、がむしゃらにやってきて 気がついたら頑張ったなーあの時はって笑った
辛い時立ち直れない時母が言った
辛い事もやるせない事もあるけど引きずるんじゃないよ
引きこもってどうする それでも日常はやってくる
あんたが泣いても明日がくる
泣き顔なんてするんじゃない何もなかった顔をしろ 同情なんて買うんじゃないよ
その時は深く考えず反発したけれど今なら分かる
事情を知らない人から見たら 私は普段通り仕事をしてるだろうと思う
それでいいんだ 弱みを見せたらつけ込まれるかもしれない 同情されて当たり散らすかもしれない口にしたくないんだ話したくない
そっとしといて欲しい
「ふふっエナ起きて」
一声で飛び起きた
「今日もありがとうエナ」
ユリ様はユカリナ様に抱っこされながら寝ていた
良かった怒られずに済んだ
「申し訳ございません 一緒になって眠ってしまって」
「いいのよ気持ち良さそうに眠っていたしね」
「ありがとうございます 失礼します」
ふわふわしたまま帰路につく
ロイドも大丈夫かと言ってこなくてホッとした
ロイドと毎日会うようになりユリ様がお立ちになったりお誕生日を迎えたりと慌ただしく笑いが溢れる日々が続く
それから王様に呼ばれたのがユリ様が五歳の誕生日が近い時だった
ユリ様の隣の部屋に集まった人達
王様 ユカリナ様 宰相 神官様 ソフィアさんに団長 副団長だった
すごい人達だ 場違いな雰囲気を感じ居づらいし
一方的に噂で知ってる人達ばかりだ
「皆よく集まってくれた これから言うことは他言無用だ 決して漏らさぬよう」
「ガイロバ? 私にも秘密にしてた事なの?」
「ユカリナ先ずは最後まで聞いて欲しい いいな何を聞いてもだ」
王様は一人ずつ顔を見てから言った
「ユリの事だか今だに臥せってる事になってるのは知っているな?」
頷きで返事をする他もそうだった
「これから色んな事を知りたくなってくるが抑えようと思う いやするんだ」
「ガイ?!どうゆう事なの⁈」
目で王様は訴える聞けと
「ユリの部屋は本部屋にし新しい部屋を造る 入り口から謁見の間の間にする 廊下の真上になるだろう」
L字型の角の内側に謁見の間があるから城門や城下町から丸見えじゃあ?
「魔法で結界を張る 魔物から見えないようにする魔法と同じだ 一度だけでいい魔王はあまり来ないから次の会談さえ終われば心配ないのだ」
何を根拠にと言えなかった
「それまでユリには隠れてもらう いいな」
「それでユリが無事に過ごすなら賛成するわ」
ユカリナ様が賛成されるとは驚きだった
「エナといったな?頼むぞ」
「申し訳ございません 何をですか?」
「まさか気づいてなかったのか おまえは代わりだ ユリが魔王と会う事になる事態になったらおまえが会うのだ ユリ エターナルとしてな」
生かされていたのはそういう事だったのか
「驚いた本当に気づいてなかったようだな」
「ガイっ!エナ 大丈夫よ 代わりにならないようガイロバが頑張ってくれるわ」
「だが必要だろう 結婚もせず会談まで尽くせ以上だ」
ロイドごめんなさい
そろそろ結婚しようと言ってくれたのに
王様が退出され追いかけるようにユカリナ様も出て行かれた
「エナと言ったな? ロイドと仲が良いと聞くが」
「はい 一応婚約者です」
「ロイドには団長の俺から伝えておく陛下にロイドにだけ伝える事も言っておこう」
「ありがとうございます…ソフィアさん私、帰ります部屋に帰ります」
「えぇ分かったわ後は任せて」
帰り道知り合いに会うと声をかけられる
もう終わり?
お疲れー
エナ今日晩御飯一緒食べよう
曖昧に返事しながら走った無我夢中で走った
部屋に戻るまで沢山の人に会うからと城下町を目指す
ふとロイドと寄った脇道に着くと座り込んだ
「何でわたしばっかなのよー!!
ふざけんなっふっざけんなー!!」
両手で地面を何度も殴る殴る殴る
さらりと髪が視界を遮って青に染まる
「青じゃなければお母さんと同じ色ならあいつが父じゃなければあいつが、あいつがお母さんの元に来なければ」
あいつがあいつがー
一人目の子は王様に会わせろーって言って殺されたのよ
あの時は少し期待してた自分が憎い 何を思ってたんだ会って殺したいと思うだろう普通
根源は元彼だー?王様だろうがしっかりしろ自分
どんどん思考が闇に落ちていく中 ロイドの呼ぶ声が聞こえる
ハッと我にかえるがこんな姿見せれない嫌だこわい
立ってもっと森の方へと向かう
「エナっ見つけた!待て!どうして逃げるんだ⁈」
「いやっ!今会いたくないの」
「エナっ顔を見せてくれ」
走って走ったが鍛えてる男性に勝てるわけなく呆気なく捕まる
「離して!離してよーお願いお願いだから」
「エナっ大丈夫だ 泣くな俺がいるだから泣くな」
「無理よロイドは私と別れて他の女性と結婚した方がいいわこんな不幸な女」
「君がいいんだ他の女性は愛せない」
ロイドは私の顔を覗くように屈むと涙を払ってくれる
「お願いだ別れの話はしないでくれ好きだエナ」
「ロイド私 ユリ様の代わりに魔王と会う事になるのよ」
「聞いた でも確実にそうなる訳じゃないだろう」
「でも結婚するなって」
「エナ俺は待つよ結婚ぐらい 長い恋人期間でいいじゃないか」
「でも」
「手まで汚して怪我したら危ないじゃないか」
「ロイド聞いて」
「聞けない!君を独りにできない」
痛いぐらいに抱きしめてくれる
「愛している離れない離さない!命令だから従え悩む事を許さず命令だからと思え」
「ありがとうロイド、それは考えなくていいから楽かもしれない でも考えさせてお願い」
「分かった いつまでも待つが俺の答えは変わらないからな」
近くに泉があると教えてくれて身だしなみを整えた
何か言いたそうにロイドが見てくるなか無言のまま辿り着く
「ありがとうロイド送ってくれて」
「もちろんだ ではまた」
ロイドの去っていく後ろ姿を見て部屋に戻る
ソフィアさんが何か言ってくれたのか誰も声をかけてこなかった
翌日もいつもの変わらない朝がきた
軽く挨拶して朝食を食べてユリ様の部屋に向かう
そう 何も変わらない
だからこのままユリ様のお側でこれからもずっと
「あっえなー」
「ユリ様おはようございます」
「えなー今日はお庭にね いこー」
ユリ様が足取り軽く私の下にくるかと思われたその時盛大にこけた
「ユリ様⁈」
駆け寄って打ったところを確認したいが余程痛かったのか のたうち回っている
「うわーんいたいー」
「ユリ様すぐに医者を読んで参りますのでこの部屋でお待ちください!」
「あれ?」
「ユリ様?」
「うわー!!!凄いぉおお神様ーありがとうございます」
神さまだって?誰が教えたのか言っていたのか…私か?
「じゃなくてユリ様大丈夫ですか?!」
「あっエナだー会えて嬉しい!」
「ありがとうございます?」
何だか色んな悩みがぶっ飛んだ瞬間だった
「エナ?何で泣いているの大丈夫?」
顔に手を這わすと泣いていた
「ごめんなさい姫様 私泣き虫で嫌いになりますか?」
「何で?嫌いになんてならないよ好きな事に変わりはないわ」
「姫様ありがとうございます」
「姫様は嫌なの名前で呼んでお願い」
「何だか急に大人びた感じですね」
「エナあのね私頑張るよ」
「ユリ様は頑張らなくて大丈夫ですよ」
色を継いでしまったせいで運命が握られてる私達は寄り添って生きなければいけない
だからロイドごめんなさい
「大丈夫なんて事ないよ 頑張らなくていいなんて言わないで」
「でも私が頑張らないと」
「大丈夫心配しないで私男になるから!」
「えっ?」
「笑わないでよー真剣なのよこれでも」
「だって心配ないって仰るから何するのかと思えば」
「エナっ」
「申し訳ございません ですが撤回致しません」
「私は頑張らなくて大丈夫だという事をよね」
「それならもうすぐ誕生日なのでドレス選びは頑張りましょうか」
「もう分かったわお父様達に直接言うからいいわ」
「姫様それだけはどうか」
「ユリよユリ! じゃ行くわよ」
とりあえず打ったところを見てもらわないと
それから他に怪我がないか異常が無いかユリ様が診察している所に王様ユカリナ様が来られた
「お父様お母様話したい所だったのです」
「ユリ大丈夫か?」
「ユリ様はたんこぶだけで他は問題ないとの事です」
「良かったわ心配したわよユリ」
「私の事はいいんです話したい事が」
「何だい?もしかしてエナから何か聞いたか?」
「エナから?何をです?」
「いや何でもないが、ユリ急に賢くなったな?」
「そうなんですっそれで考えました!」
二人が微笑ましくユリ様を見ている
「男になるか魔王に嫁ぎます!」
ん?今なんて
「ユリもう一度言ってくれないか?」
「だーかーらー男になるか魔王に嫁ぎますって言ったんです」
ロイド私ますます先が不安になりました
三人を部屋の片隅で見てましたが帰りたいです




