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三度目の宿命  作者: れんは
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エナの独白


メイドにならない事を選択する人がいるだろうか?


「喜んで専属メイドをさせてください」


「ふん メイド以外をしたいと言ったら殺す所だった命拾いしたな」


そういうことか メイドをすると言っても結構ヤバい状況だと今更気づく

否定的な事は言わないほうがいいかもしれない


「一度だけ家族に会うことが出来る

その時は髪色をハッキリ見えるようにし 荷物は無しでくるのだ

親しいもの達に女だから殺されると言え」


「わかりました」


一人で城を出された

尾行されるだろうと思うが同行されるよりマシだと思い込む


少しずつ家が見えるにつれ 泣きそうになった

何で私がとその言葉が頭を埋め尽くし 繰り返し口ずさむ


カラーンと客が入った事を知らせる鈴がなると

私だとわかった母がすっ飛んできた


「あぁエナ エナ

よく顔を見せておくれ よかったぁあよかった」


「お母さん 私ね私ー」


死ぬんだよって言えなかった

一人で私を育てたくれた母

髪を染めるのは国が禁止していたため

手作りの塗料で濡れるとおちる品物だった

私が一人で髪を染める事が出来るまで毎日泣きながら染めてくれた

毎日塗り込むため痛む髪に私も泣きながら嫌だとケンカもした


女で店を経営するのにずんぶん舐められてるのも見ていたし

体を売ってるとかそんな目で見られたりするのも私だってあった

思い出したら苦い思い出ばかりで笑ってしまう


「シャワー浴びてくるね」


「あいよ今日はもう店を閉めるから行っていいよ」


浴室に向かいながら近所の数人の友達を思い浮かぶ 母に伝えてもらおう

きっと国をでようと言ってくるはずだから言わない方がいいと思う

友達であり同じ飲み屋さんを営む親をもつライバルだった

そんな子らがいなくなったらちょっとした騒動だと思う


排水口に塗料で染まった水が流れていくのを見ながら母になんて言おうか悩む

いつもなら塗料を塗って浴室を後にするがそのまま出ると母が晩御飯の準備をしていた


「遅かったじゃないか」


母は私の髪を見ると無表情になった


「あの男 エナを追放した後行方不明らしい」


「そう…」


そう言えば忘れていたこうなった根源だったのに

商人の一人息子でそれなりにお金もちだと思われたが付き合っていくとそうでもなかったと知っていた

売られたのかな私


「さぁできた食べようじゃないか」


晩御飯は母の得意料理ばかりだった

ずっと母の料理を食べて育ってきたから今更感動するほどでもないのに泣いた


泣きながら食べた お腹いっぱいでも食べた

噛み締めたいこの味を


食べ終わり黙々と食器を片す母の後ろ姿に私は言った


「お母さん二人だけの秘密だけど ユリ様のメイドをする事になったの」


「それは良かったんじゃないのかい?」


「親しい人達に会えるのは一度だけ死ぬと伝えろと言われたのよ」


「そんな!母さんもお城に行こうとしたら騎士に止められたんだよ 問題ないから普段通りに過ごせってそれなのに!」


「お母さんお城に来てたの?!」


「そりゃそうさ!

いてもたってもいられやしない」


お母さん私怖いよって言葉を飲み込んだ


「お母さん私頑張るからお母さんも頑張って」


「エナあんたどうしてそんな事いうんだい」


「メイドになる事を断ったら死んでいたと言われたのよ

だからきっと死んだ事にしないとお母さんも危ないはずよ」


「ぁあそんな あたいの事はいいんだよ

あんたさえ無事なら」


二人で声を出しながら号泣した


「お母さん私頑張って偉くなって街を歩けるようになったら様子を見に来るからだから」


「わかったよ 殺されないんだ いずれ会えると思うと母さんも頑張るよ」


「お母さんだけ話して城に行くよ 友達が来たら上手く言っといてね」


「それが難題だねーポロっと本当のこと言いそうになったらと思うと気が気じゃないから暫く店を休みにしようかね」


「ふふっじゃ私行くね」


色々持っていきたかったが母と二人で写ってる写真だけをポケットにいれた



「エナ会えなくてもあんたの幸せを願ってるよ」


母の言葉を背に私は生まれ育った家を後にした



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