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三度目の宿命  作者: れんは
21/23

安心感なんて錯覚だ

この世界から解き放たれるならと死んでしまおうかと考えた


死ぬ恐怖で私は今まで生きていた 痛みもなく安楽死が楽に出来たら生に執着せず死ねたのだろうか?


後一年先は変わるだろうかと思いながら 後一年と移ろう月日に変わらない安心感 死ぬ事ない安全な世界


人は欲に生かされ動くとよく言ったものだ


何となく私は魔法がかけられてると分かっていた

感情に波があって言葉に表現出来ない自分に絶望した


絶望してると知って欲しいと言うのは押し付けだろうか 共有したいのかもわからない


死にたい 生きたいを繰り返し思考する


外の世界を知りたい 守られてる所から出たくない

何かしたい 何もしたくない


鳥になりたいとよく言ったものだ


ありえない事に憧れて なれない自分に虚しくなる


落ちる私は何も掴めてないのに 何を掴みたいのかわからないまま落ちて行く


私死ぬの?


「あぁああああ!」


ガタッン


「はぁっはぁっ…ゴホッ…生きて…る?」


見慣れた生まれ育った城の私の部屋だった

また生まれ変わった?


「生きてる…生きて…ひくっうー」


コンコンッ


「エナですユリ様入りますよ」


エナだ…走って行こうとしたら倒れていた椅子に引っかかり躓いた


「ユリ様⁈」


受け身が取れず顔面から床と激突した


「っ!うぅー鼻がー!!!」


「ユリ様すぐに医者を呼んで参りますので部屋でお待ち下さい!」


前にも同じようことがあったようなと思いつつ仰向けになって両手を翳した

目に焼き付いて今もこれからも思い出すだろうと思う隙間からの月


「悪魔のような出来事だった…」


お母様 お父様に勘当を言われエギルは味方だったと思う崩れる直前まで側にいたし心配してくれたはず…問題はその後の出来事


走ってくる音が近づいてくる三人のようだ

そのままの体制でドアを見れば開けっ放しだった


開けっ放しで過ぎったエミリアの顔…エギルに行くなと言っていたから何かを知っていたのかもしれない


「ユリ様!あぁ!早く診察して下さい!」


「エナ落ち着け泣くな大丈夫だ」


「ロイド!私は泣いてもないし適当な事を言わないで!」


私に近づいた三人はエナ ロイドと幼い頃からお世話になってる

神官のオーディだった


「ディじぃ久しぶりね」


真っ白なローブにマント 長方形の帽子や杖まで白い

もう六十近い歳だったはず

ヒゲは綺麗に剃られてるが眉毛も白くて長い 目じりを隠すほどだ

髪も白いためかもっと老けてみえる


「ふむ目は充血してるが大丈夫そうじゃな 血相を変えたエナ嬢がきて何事かと思ったぞ」


「鼻が折れたかと思ったけれど大丈夫よ ありがとう来てくれて」


「なぁに顔を見れて良かった 大事なお姫様じゃからのー」


「お姫様ね…ねぇ私剣を持とうと思うのどう思う?」


「ユリ様突然何を…」


「駄目じゃ…」


エナとロイドは訝しげに真意を探ろうと傾げる中オーディはふるふると震え怒鳴った


「駄目じゃ!何を言っとおる⁈ネウレス陛下から代々受け継がれている強力な魔法があると言うのに!」


「私、城を出たいの! 決めたことよ!」


私とオーディは睨み合うと間にロイドが入ってきた


「二人とも明日にしませんか?今から話し合うには遅い時間です」


「そうです!ユリ様明日卒業式なのですから」


「卒業式⁈」


私十四歳なのだわ…女は花嫁修業で成人二年前に卒業する 男も同じく成人二年前十六歳まで学校で男子校だ


「特訓できないわね…」


私の言葉にオーディはつめ寄ろうとしたが留まった


「わしは賛成しませんからな 失礼するぞ」


いつも優しいおじいちゃんのオーディは怒り肩で出て行った


「ユリ様…さっきまでそんな素振りなかったではありませんか どうしたのです」


私はもう隠さず言ってしまおうと決断した





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