私、魔王と結婚します
暫くして立ち入り禁止と書いてある札がかけてあるドアに着くとエギルが気にせずなのか分かってなのか開けて中に入っていく
とても広い部屋だった
中に入るとドアの反対側が天井近くから膝ぐらいまで突き抜けていた
「凄い…光が降り注ぐみたい」
眩しい光に慣れてくると左右にカーテンみたいにガラスが折り畳まれていた 窓になるんだろうか
涼しい風にあたりながら奥に行くとドーム状になってるカーテンに近づく
いくつかのカーテンから人のシルエットが見える所をエギルがカーテンを引く
「立ち入り禁止の札があったでしょう?」
そう言ったのは細身で綺麗な顔立ちをした深緑の髪を一つに縛り髪と同じ深緑の目をした男性だった
「ジェーク、魔王様いますよね」
「エギル 陛下が倒れてたの知ってて離れたのね」
「魔力切れだとなかなか起きないの知ってますからね」
ジェークと呼ばれた人は私と目が合った
「初めまして昨日からお世話になってます ユリ エターナルです」
「初めてまして ジェーク アゲナルよ」
あれ?と思いエミリアのほうを向く
「エミーあなたも執務室に来たそうじゃない」
「すみません兄様…」
エミリアに兄妹いたんだ…知らなかった事に結構ショックを受ける
「夫婦になる二人が揃って陛下を置いて行くなんてねー」
「夫婦⁈」
今までどうして私気づかなかったのよ…そう言えばさっきのやりとりは仲がよくないと出来ないかな胸ぐらを掴んで揺するなんて…?
「幼馴染だからって理由で婚約してるんです」
「そうなんです 親が仲が良くてお互いの子どもを婚約者にどうかってなったんです」
俯いて赤くなり早口でエミリアが言ったがエギルと温度差があるような雰囲気だ
エギルは淡々としてる
ジェークさんが交互に見て溜息をついた
「姫様は体調大丈夫かしら?テレポートに酔ったとは聞いてるけれど」
「快調です ありがとうございます」
チラリとジェークさんの後ろを見るとギルバートが眠っていた
「あぁごめんなさいね 」
そう言ってジェークさんは傍に避けてくれた
ギルバートに近づくと両膝をついて両手でギルバートの片手を握る
とても冷たい手だった
「魔力がなくなると著しく体調が悪化するのよ
回復しようと体が睡眠を欲しがって眠っているだけで問題ないわ 」
「ギルバート様はそこまでして…」
「いつもの事なので心配しなくてもいいんです」
どういう事だとエギルを見上げる
「何かあれば向こうから連絡するようにと言ってありますからこちらからはしなくていいんです
なのにテレポートの確認を姫様と文通を始めてからよく覗いてました
人間界に行ったと知れたらややこしいので視察だと理由で私を向わせてたんですが…カルロスに頼み魔力玉を節約してたんです」
「では手紙を送るのにも魔力玉が…」
エギルが頷きで返す
「ごめんなさい…何かきっかけが欲しいと思い軽く考えてしまいました」
「人ではなく紙ぐらいで魔力玉を使うのは少なく済みますし魔王様の表情が明るくなりました なので反対しませんでしたので問題ありませんですが…」
「ですが?」
何を言われるのかしらと不安にドキドキする
「内容は知らないのです教えてくれませんか?
いくら言っても見せてくれず教えてくれませんでした」
「私が学校で体験した事や感じた事を書いてました ギルバート様だったらどうしますか?とも書いて教えも問うた事もあります」
エギルが疑うような眼差しで見返してくる
向こうで兄妹は出入口で話し合ってるみたいだ
「そうですか…恋文かと思ってました」
てっきり国関係の事を聞いていたのではと思われたかと思い拍子抜けした
…恋文…とは具体的に?
「不思議そうな顔をしてますね こそこそと魔王様が見てたので好き好き言い合ってるのかと思いましたよ」
エギルが真顔で言うけれど理解した途端 沸騰したかのように熱くなった きっと顔は赤いはずだ
「そっそんな事 書いた事ありませんわ!」
「そんな事って恋人なのでしょう?昨日ベタベタしてましたし」
「あっぅーそれは…」
何か言おうとして言葉にならない
「えっ本当に恋人じゃないんですか?」
コクコクと音がなるんじゃないかとぐらい頷く
聞いていたのか向こうの二人もガン見して見ていて興味津々そうだ
「呆れた あんなにニヤニヤして読んでたので変態だなーっと思ってましたがヘタレでしたか」
「変態 ヘタレ…」
「だってそうでしょ?子どもの手紙にニヤニヤしてたら」
ね?と言うように兄妹を見たエギルに応えるよう二人も頷いた
「姫様が成長しておられて安心しましたよ」
「……」
親しみがあるのから言えるのか魔王陛下の立場なくギルバートが部下に接しているのか…確かに親戚のお兄さんみたいに相談してたのと言われても納得しないかしら
私はそう言うつもりはなかったけれども
「ん、ユリ?」
無意識に手を強く握ってしまったようでギルバートがかすれた声を出した
「ギルバート様っご気分はどうですか?」
「あぁ大丈夫 少し横になれば起きる」
スッと音も無くジェークさんが来て脈や瞳孔を見たりと確認する
「陛下、姫様が来たのだから無理をしちゃダメよ しなくても大丈夫でしょう?」
「すまんな」
「はぁ懲りないわね 私達離れるけれど何かあれば呼んで頂戴」
二人は長い付き合いなんだと分かるやりとりだった ギルバートの一言でしょうがないねって顔をした
「姫様近々お茶会でもしましょうね」
そう言い残し三人は退出した
ぼんやりとドアを見ていた私の手を握り返して来た
「心配かけたな」
そう言って笑うギルバートに胸が熱くなる
「ギルバート様…私ね エギル様からテレポートが乱れたと聞いても心配したのは貴方だった
薄情者と思いますか?」
「ユリ…」
「私、貴方のことが好きですわ失いたくないの」
ギルバートは驚いて起き上がる
「本当か⁈本当に俺のことを?仕方なく魔界に来たのではなく?」
「えぇ、会いたかったと言ったではありませんか」
「それは…そうだが 俺もお前の事が好きだ…ただ」
ギルバートが悩むように視線が動く
「始めは興味からだった 人間の子でギルドの子孫だからな
だがユリと口にすると胸が騒つく 君の手紙を読むと早く会いたいと想い名前の部分をなぞっていた
どうして会った事もない女にこんな想いをしなければならないと魔法でもかけてあるのかと疑った」
「そんな事っ」
ないって続かなかったショックが大きい
「分かってる!」
分かってるんだとギルバートが呟く
「可笑しくなりそうだった 何度テレポートを使おうとしたか エギルに正気になれと説得されたし殴られだが気持ちは変わらなかった…」
もう片方の手で頭を撫でられた
「本当にどうしてこんなに愛おしい?」
「それは私も知りたいですわ」
ギルバートが微笑んで頬を撫でてくれたので 手に沿うように頬を近づけた




