私、魔王と結婚します
お姫様初めまして突然の手紙は驚いたし笑わせてもらった
君の剛胆さに嬉しく思う 人間と魔族の溝を埋めてくれる希望が見えたような思いだ
まだそちらに行く目処がつかないが会えるのを楽しみにしている
ギルバートも短文だった
私は短文で返されたなら質問を分けて書くと文通出来ると思ってまた短文で手紙を送った
ギルバートも短文で返してくれて繰り返して当たり前になった五年 そしてまた五年と私は十五歳になった
前回とは違い学校に行けたのが大きな違いで七歳下の弟シリウスとも良好だ
世界が広まった実感がした充実した十年だった
「ユリ様」
「エナ⁈どうしたのその髪は」
エナは私の五歳の誕生日パーティの後にロイドと結婚しても側にいてくれたが数年前に身籠ってから離れていたので久しぶりに会った
「そうなんです バッサリ切ったら茶髪になりました」
「そんな事ありえない…」
「もうすぐユリ様の成人なのでプレゼントは何が良いだろうと思ってたんです そしたら」
エナは持っていた鞄から箱を取り出して渡してくれた
「そしたら?」
開けてみたら短剣だったこれって
「思い出したんです青髪には魔力が溜まりおまじないに使われていたと」
見覚えがある青光りの刃で護身用にと渡してくれた
「願いが一つ叶いますようにと込めました
言い伝えでは叶えば壊れるらしいですよ」
「…願いが叶う?」
じゃあ私がやり直せたのはこの剣のおかげ?
「髪を切った短剣が青く光ったかと思うと髪も茶髪になったんです その短剣は柄だけを新しくして改めておまじないを込めました」
「そんなおまじないが」
あったんだと声にならなかった
喉がカラカラで短剣を見つめるしかできない
「剣は嫌でしたか?他のにしますね」
「ううん!嬉しい!」
「良かったです ずっと護身用を持ってたのをロイドが気にしてまして ユリ様の為に使ったら持つ事は無くなると思ったのがユリ様へと渡るし茶髪になった私を見たロイドが面白かったです」
ロイド…尻に敷かれてるの?
「ありがとエナ 大事にするね」
「おまじないで茶髪なるなら早くすれば良かったと思いましたが それだとユリ様と出会わなかったからと思うと清々しい気持ちなんです」
「うん…そう言ってくれて嬉しい」
「お姉ちゃんらしい事 最初で最後だと思い願いを込めて送りました
魔王がきて魔界に行っても忘れないで貴方を想う人がいる事を」
「う…ん ありがと…お姉ちゃん」
「失礼します!」
「ロイド?」
「魔物がどこからかきて城下町を襲ってます!
二人は謁見の間に避難を!」
「えっ」
どうして? 学校では他国の王子がいて良好だったのに嘘だったの?
「大丈夫 大丈夫ですよ!」
その言葉が胸を苦しくする
ドォォン!!!
同じように窓を開けて外を見た
場所はずっと変わらずこの部屋だか遠くで煙が上がってるのが見える
「変わらなかったの?」
足がすくむエターナルは終わってしまうのかと絶望が頭を支配する
「ユリ様!行きますよ」
エナの言葉に我に帰る そうだまだギルバートに会わないと分からない
三人で謁見の間に走った




