普通は弱いモンスターから徐々に慣れていくんじゃないのか?
ぼおっとしていても始まらない。
取り合えずツェドへ向けて歩き始めた大輔は、再び頭に鳴り響く呼び出し音とCALLの文字に大きなため息をついた。
「なんのようだ?」
明らかに歓迎していない態度の大輔にも気にせずあの調子で腹のたつ声が聞こえてくる。
「いやー、良かったよ出てくれて。居留守使われたらそっちに行かなくちゃいけなかったからさー」
確かに今回はゲーム神が目の前にいない。
「次からはそうする。そして、出てきたら一発殴らせろ」
いくら相手をしたくないと言っても怒りをなくしたわけではない大輔は、ゲーム神にそう宣言した。
「怖いなぁ、そんなんじゃ女の子にモテないよ?」
こちらの言うことを軽く流してさっさと自分の言いたいことだけ繋げるゲーム神。
「伝え忘れてた事があってね。君の成長率を一般人の1.5倍ほどに引き上げておいたよ。取得経験値とかはあまりレベルを上げられても私の身が危ないから触ってないけどね」
「それはありがとう。そして死ね」
どこまでも身勝手なゲーム神に呪詛を吐く大輔、ステータスの伸びが良くなったこと事態は喜ばしいのだが、この神相手だと何かあるのではないかと警戒してしまう。
「大輔君ひどいなぁ。まぁ、言われた程度でどうこうなるるともないけど。でもこの措置に関しては感謝すると思うよ?特に信頼出来る仲間が出来てからとかね。とりあえず今は俺ツエー程度に考えておいてよ」
と、それだけ言って通神は切れた。
相変わらずこちらのストレスゲージをためることが得意なようである。
イライラしつつもぶつける相手がいないので、仕方なく移動を再開する。
そういうば、しっかりと自分のステータスを確認していなかったな。と思い出す。
キャラクターの技を使うとMPを消費すると言っていたが、恐らく威力なんかは自分のステータスに依存するのではないかと思う。
現在のステータスはこうなっている。
開田大輔
LV. 1
HP 333
MP 71
Str 24
Vit 18
Agi 29
Int 22
Men 19
Dex 33
Luk 12
特殊能力:ヘヴンローダー
降ろし神:なし
いかんせん、ゲーム神の説明が大雑把すぎて確証は得られないが同じ敵に同じ技で攻撃してレベルごとのダメージを比較すればいいだろう。
しかし、この能力を試してみたいと思っていてもモンスターが全く出てこない。
頭のなかで考察を繰り返していると丘の上に町らしきものが見えてきた。
らしきものという表現をしたのは、そこから煙が上がり一部城壁が崩れていたからだ。
大輔は深く考えず走り出す。
目指すは煙を上げている町だ。
全力で走ったわりに息が乱れてないのは改造された体のお陰か。腰のナイフを抜き周囲を警戒する。
周りに危険がないことを確認して崩れた城壁から中へ、そこかしこに斬られた者や焼け焦げた死体がある。
やられ方から見て、モンスターではなく人の仕業であろう事が見てとれる。
「戦闘の処女切りが対人戦かよ…」
呟く大輔の視線の先で今正に剣を持った鎧姿の男が女性を斬りつけようとしていた。




