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やっぱり奴は最悪でした

「助けてください。お願いします!」


 頭に響くほど必死な声で鎧姿の男に懇願する女性。

 しかし、鎧姿の男は女性の声を無視して剣を振り下ろした。

 袈裟斬りにされて崩れ落ちる女性、割って入るタイミングを失ったため女性を助けることができなかったようだ。

 目の前で失われた命に激しく動揺していると、鎧姿の男はこちらに気付き近づいてくる。

 ナイフを持つ手が震える。足は動かず、鎧姿の男がすぐ近くまで来て剣を振り上げる。

 それを眺めることしかできず、女性と同じように袈裟斬りにされて傷から命が流れ出していった…。



「おお、大輔よ。死んでしまうとは…ププッ」


 そんなセリフから意識を取り戻した。ここは最初にゲーム神と出会った場所のようだ。


「…。お前、それがやりたいが為にわざと情報を少なくしてあんなとこに放り出しやがったな?」


 最早ゲーム神に対して怒るという行為が無駄であることを悟っている大輔は、導き出せる結論を指摘した。


「いやー、一回やってみたかったんだよね。満足満足。それじゃあ、改めていろいろ説明するよ。

 今、ツェドを襲っているのは帝国軍だよ。テンプレだけど力で世界征服をもくろむ国ってやつだね。首都はツェドから南に行った所にあるベゼク、魔科学を信奉していてなかなかの技術力だよ。

 この国に関してはまぁ、関わるも関わらないも自由だけど、関わるならちょっとハードモードに入るからよく考えてね。

 んで、今の状態だけど、所謂デスルーラってやつだよ。セーブポイントからやり直しじゃなくてパーティメンバーの全滅によって私の所に転移して蘇生されるんだ。だから、時間は経過しているし、もしほかにメンバーがいた場合は生き返らせることができないから注意してね」


「俺だけ蘇生されるっていうのはどういうことなんだ?」


 あえてハードモードに挑むつもりのない大輔は、帝国のことは置いておいて自分の生死にかかわることを聞く。


「そりゃぁ当然、テストプレイをし続けてもらわなくちゃならないからね。死なれると、また条件に合った人を探して連れてこなきゃいけないし、その人が強くならないと色々なコンテンツをテストできないからね。面倒じゃない。

 ちなみに、パーティーメンバーを蘇生できないのは、いくら創造神といえどもこの世界の輪廻に干渉したくないからだよ。うまく循環してるのにわざわざ乱して歪を生まれさせるのもバカらしいからねー。

 君は私が転移させた存在で、この世界の輪廻に組み込まれていないから好きにできるんだよ」

 

 本当に自分本位だな…。と最早怒りすらわかない大輔。

 生殺与奪すら握られて、なお反抗的になったとしても何度も殺されてから消滅させられるに違いない。奴なら嬉々としてやるだろう。


「さてさて、今度は君の能力の具体的な説明に移ろうか。ヘヴンローダーは自分の覚えているキャラクターを降ろせるっていう認識だろうけど、実際はそうじゃない。

 キャラクターだけじゃなくてそのキャラクターの出てくる世界の理やアイテムなんかも降ろすことができるんだよ。

 ちなみに、アイテムに関しては所持金と交換になるからね。頑張ってお金を稼いでね?伝説級のアイテムも金銭交換できるけど、ものすごく高いから地道にやってればいつかは手に入るよ」


「つまり、最初に渡されたナイフは逃げるっていう選択肢を排除するための罠か」


「おお、そこまでわかるんだ。大輔君、意外と頭がいいね。人は武器を持ってると、戦えると勘違いしちゃうからね。武器も所詮は道具で使う人間が戦えないと意味がないのに不思議なものだよ」


 悪意に満ちた愉快犯とはこうもひどいものなのか…。今後、奴から受け取る施しに関しては細心の注意を払おうと心に決めた。

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