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連携知らずの凸凹

 数分後、ゲーム機を片手に和樹が部屋に戻ってきた。

 

 「ただいま戻ったぞー」

 「おかえりー!」


 未来と朝陽も和樹へと視線を向かった。

 

 「うっし、じゃあ始めますかいな」


 同種のゲーム機を既に起動させていた美鈴はその言葉に顔を輝かせる。


 「よっしよーし! それじゃあまずはチーム分けをしよう!」


 美鈴はそう言うと朝陽と未来の間を通り抜け、和樹の腕を抱きしめる。


 「てことで、チーム『幼馴染』とチーム『正反対』って感じでやろう!」


 そう言って彼女は茶目っ気たっぷりに舌を出す。和樹もふすんと鼻を鳴らし、喜び溢れるように胸を張る。

 一方未来と朝陽は互いに視線を交わし、諦めたようにため息をつく。


 「えーと、こういうのはくじ引きとかではないので?」


 朝陽の疑問に朝陽は和樹の腕に頭をグリグリと押し付ける。


 「いやいや、最初はやっぱり絆を確かめ合う、的なー?」

 「そもそも何だよ、正反対って」


 未来が呆れたようにポケットに手を突っ込んでジト目を目の前のカップルに向ける。


 「ほらほら、なんか2人って雰囲気とか、あとは勉強面でさー……」

 「絶対そっちのこと言いたいだけだろ」

 「いやいや、もちろん雰囲気だって結構違うからさ!」


 ケラケラと笑いながら手を振る美鈴。


 「ほらほら、とりあえずゲームやるぞ」


 和樹の声掛けでまずは了承することにした未来と朝陽。


 「まあ、ひとまずよろしくお願いします」

 「ん、こちらこそよろしく」


 協力関係を結んだ2人に和樹が声をかける。


 「てことで、最初はどっちからにする?」


 朝陽と視線を合わせる未来。


 「朝倉、どっちが良い?」

 「あ、私は一応経験あるので……芹沢さんは?」

 「え、朝倉さんこのゲームやったことあるの!?」


 話が進まなくなりそうになったので未来は、飛んできた美鈴の頭を抑える。


 「俺は親に買ってもらえなかったから初めてだな」

 「んじゃ、最初は私達が先攻でいいかな?」


 美鈴の言葉に2人は静かに頷く。

 美鈴は和樹の腕を引いて一緒にベッドに腰掛ける。相変わらずの仲睦まじさに朝陽は僅かに口角を上げる。


 「はーい、じゃあ操作確認はやりながら説明するね!」


 美鈴は和樹と肩を合わせながらカラフルに光る画面を2人に見せる。しばらく操作の説明を聞いていた未来は小さく頷く。


 「んー、なるほど。割と操作は簡単そうだな」

 「いや、これやってみれば分かりますけど意外と難しいですよ」


 朝陽の言葉に美鈴は頭を大きく振り被る。


 「そだよそだよ! てか未来ってゲームド下手じゃん!」

 「直球すぎて空振りしたくなるんだけど」


 オブラートも何もない棘を刺された未来に和樹はゲーム機を差し出す。


 「ま、とりあえず練習してみ? 流石に1発本番はフェアじゃないから」

 「そだね! 朝倉さんも多分久しぶりなわけでしょ、練習してみな!」


 2人からゲーム機を受け取った2人はマルチプレイモードで練習を始めた。


 「それでは芹沢さん。僭越ながら経験者の私がエスコートさせていただきます」

 「ああ、よろしく頼む」


 2人は床に座りながらゲーム機を握って一つ一つ操作確認を始めた。


 しかし蓋を開けてみれば、2人の実力差からか凸凹プレイが展開される。


 「芹沢さん、そこは右に動くところでしょう」

 「いやいや、どう見ても左に動くべきだろ」

 「そこにいると敵の攻撃が当たることぐらい理解してください」

 「でもスコア稼ぐならあそこで被弾覚悟で攻撃するべきだろ」


 2人の噛み合わない連携は終わりが見えない。


 「だから、そこは一旦シールドを……」

 「朝倉、そこは武器をシフトした方が……」


 フレンドリーファイアも厭わないめちゃくちゃな操作。雲行きが怪しいところではあるが、お互い経験が浅いにしてはかなりの適応を見せている。


 ベットの上からそれを見守っていた美鈴と和樹は微笑ましくその光景を眺める。


 「なんだかんだやるじゃん」

 「な、あれなら手加減しなくても良さそうだ」


 そう呟く2人。


 「芹沢さん、それ回復アイテムじゃなくて爆発物では……」

 「え」


 それぞれのゲーム機から軽やかなBGMとは裏腹に、爆発したことを主張する轟音が鳴り響く。

 

 「前言撤回かな」

 「ん、そうかもな」


 まだまだ前途多難のようだ。


 

 


 



 



 


 

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