15.続報
りっちゃんの部活の話から2日が過ぎた。晩御飯の前、なんとなくテレビをつけたら、流れ星の次の朝並みに緊迫した状況が映し出されていた。よく聞くと、
「専門家チームが、ただいまから記者会見を行う模様です。今回の発表は、国民に大きな影響があるものと考えられます。」
といった直後、画面に映っていたマイクを持った男の人が急に話し始め、何の前触れもなく、
「小型化現象後から開発しておりました、小型化に関する物質を体内で無効化する物質の作成に成功いたしました。」
といった。記者がみんなカメラを構えて写真を撮ったため、続きは何を言ったのか聞き取ることはできなかった。画面外でぶつぶつ話す声が聞こえて、急に画面が切り替わり、別のリポーターが建物の前で話している画像になった。
「こちら、政府の会見の開場前です。研究の発表を受け、今後の動きを確定する重要な会見を行う模様です。」
とだけ言って、スタジオの画面に戻った。
「ナナちゃーん。」
僕の声に、家族がみんな飛んで来た。家に一台しかないテレビに、みんなの視線が集まる。
「どうしたの?あっ!」
ナナちゃんがすぐに気づいたみたいだ。
「これで元に戻れるんだな。」
と、マーくんが言った。二人の反応が、全国の大人たちの感動と動揺を、全て表しているみたいだった。しばらく見ていると、またいきなり画面が切り替わって、マイクを持った女性が、
「まもなく、政府関係者による記者会見が始まる模様です。」
と、言った。画面に映し出された男の人は、
「先ほど、研究チームの方から発表がありました通り、成人を小型化した物質による影響を、体内で無効化する物質の作成に成功いたしました。そこで、一番混乱を避ける形式で、全国民に配布する算段を整えております。正式発表まで、平常どおりの生活を営んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。」
とだけ言って、中継は切れた。
「なんだ。方法が見つかったなら、早く戻せばいいのに。」
と、僕が言うと、
「他の影響も考えないといけないのかもね。」
と、ナナちゃんが言ったから、マーくんは、
「また混乱しないようにするんだろ。」
と、言った。大人の事情は難しい。必要なことはすぐに対応したらいけないのだろうか?それとも、僕たちにはわからない、大きな問題が、隠されているのだろうか?少し怖いと思いつつ、今日は寝ることにした。




