終章 声はもう届かない
篠宮との面談から二日後、サエキは水瀬の職場を訪れた。
事前に本人の了承を得て、声が聞こえた場所と時間を確認するためだった。調査の目的は、声を誘発することではない。記録された状況を照らし合わせ、怪異がどのように水瀬へ干渉しているのかを見極めることだ。
水瀬は、以前よりも緊張した様子だった。
「昨日も聞こえました。社長は外出中だったはずなのに」
「何と言っていましたか?」
「『あなたのためだから、もう少し考えて』と」
サエキは時刻を確認した。篠宮が外出していたことは、会社側の予定表とも一致している。
そのときだった。
「……あなたのためだ」
背後から、女の声が聞こえた。
サエキは振り返った。
廊下には誰もいない。
声の質、抑揚、言葉の切り方。篠宮真紀の声だった。
水瀬が、顔を強張らせた。
「今の……」
「聞こえました。サエキにも」
サエキは廊下の先を確認した。人の気配はない。篠宮が近くにいるという情報もなかった。
声は一度だけではなかった。
「あなたのために、ここにいて」
今度は、先ほどよりも近く聞こえた。
サエキは法力の感覚を研ぎ澄ませた。声そのものが、どこから発せられているのかを探る。しかし、明確な発生源を捉えることはできない。音として聞こえているにもかかわらず、通常の声が持つ距離感とは異なっていた。
声が消えたあとも、空気にはわずかな違和感が残っていた。
水瀬は椅子の背を握りしめ、呼吸を整えようとしていた。
「大丈夫ですか」
「はい……少し、苦しいだけです」
サエキはすぐに調査を中断した。これ以上、同じ状況に留まる必要はない。
「今日はここまでにしましょう。無理をする必要はありません」
水瀬を安全な場所へ移し、落ち着くまで付き添った。症状が続く場合には、医療面の相談も続けるよう改めて伝えた。
その後、サエキは記録を見直した。
水瀬が声を聞くのは、篠宮が不在のときだけではない。ただ、篠宮が水瀬を引き留める言葉を口にした日には、声がより明瞭になり、症状も強く出る傾向があった。
サエキが直接聞いた声も、「あなたのために」という言葉を含んでいた。
ここまでの観察から、ひとつの仮説が浮かんでいた。
怪異は篠宮そのものではない。篠宮の意思や人格が変質したものとも限らない。むしろ、篠宮が水瀬を手放したくないと望む状況に乗じて、水瀬へ干渉している別個の存在と考えたほうが、今ある情報には合っている。
ただし、発生の原理も、怪異が何を目的としているのかも、まだ確定できない。
サエキは記録に追記した。
篠宮の発言と症状の相関は継続して確認される。因果関係は未確定。退職をめぐる緊張が高まるにつれ、声の明瞭さと症状が強まる傾向あり。
この仮説を確かめるために、水瀬を危険にさらすつもりはなかった。
次に必要なのは、篠宮本人に事実を伝え、怪異を利用しようとする行動を止めさせることだった。
篠宮との二度目の面談は、サエキとミサキの立ち会いのもとで行った。
サエキは、まず自分が声を聞いた事実を伝えた。
「あなたが不在の場所で、あなたの声が聞こえました。水瀬さんが訴えていたものと、同じ声です」
篠宮は驚いたようにサエキを見た。
「あなたにも……?」
「はい。通常の音声とは異なるものと考えています。現時点では、怪異による干渉である可能性が高い」
「では、やはり……」
「ただし、あなた自身が怪異なのではありません。あなたの意思や人格が、そのまま怪異になったとも判断していません」
サエキは、言葉を区切って続けた。
「今ある情報からは、あなたとは別の存在が、あなたの水瀬さんに対する執着を利用しているように見えます」
篠宮は顔をこわばらせた。
「私の気持ちを……利用している?」
「そう考えるのが、現時点では最も矛盾が少ない。あなたが水瀬さんを引き留めようとする時期と、声が強くなる時期が重なっています。ですが、それだけで怪異の原理をすべて説明できるわけではありません」
ミサキが、静かに口を開いた。
「篠宮さん。怪異がいることと、あなたが何をしたかは、別の話です。声に何かを頼んだことも、水瀬さんの症状を利用して引き留めようとしたことも、あなた自身が選んだことですよね」
篠宮は視線を落とした。
「……はい」
「水瀬さんは、あなたを信頼して働いてきたんだと思います。その信頼を、辞めない理由に変えてしまったら、彼女は自分で決めることができなくなる」
ミサキの声は厳しかったが、感情に任せて責め立てるものではなかった。
「あなたが彼女を大切に思っていたことまで、否定するつもりはありません。でも、大切に思うことと、相手を自分のそばに置いておくことは違います」
篠宮は長い間、何も言わなかった。
やがて、かすれた声で尋ねた。
「では、私はどうすればいいのですか」
「まず、水瀬さんを引き留めるのをやめてください。退職については本人の意思を尊重する。怪異に何かを頼むこともしない。これ以上、彼女の症状を利用しないと約束してください」
サエキはそう答えた。
「怪異への対処はサエキが行います。ただ、あなたが引き留めようとする行動を続ける限り、水瀬さんの安全を確保することは難しくなります」
篠宮は、ゆっくりと目を閉じた。
「……わかりました。もう、引き留めません」
その瞬間だった。
部屋の奥から、微かな声が聞こえた。
『あなたのためなのに』
篠宮が息を呑んだ。ミサキも、声のしたほうへ目を向けた。
サエキは動かなかった。
声は先ほどまでよりも弱い。だが、消えてはいない。
「篠宮さん。今、声が聞こえましたか」
「はい……」
「今後、同じ声が聞こえても、応じないでください。何かを頼んだり、会話を続けたりする必要はありません」
篠宮は頷いた。
サエキは、声が聞こえた場所とその直前の状況を記録した。篠宮が水瀬を引き留めるのをやめると明言した直後、声が弱まった。
この変化は、これまでの観察と矛盾しない。
しかし、それだけで発生条件が確定したわけではない。篠宮の発言が怪異に直接作用したのか、別の要因が重なったのか、断定はできなかった。
サエキは、その場で同じ言葉を繰り返させることはしなかった。変化を確かめるために、わざわざ危険を再現する必要はない。
「関係がある可能性は高い。ただ、まだ断定はできません」
サエキは二人にそう伝えた。
「これ以上、篠宮さんの発言と水瀬さんの症状を結びつけるような状況を作るつもりはありません。ここからは、怪異そのものを処理します」
篠宮は、今度ははっきりと頷いた。
「お願いします」
その声に、先ほどまでの強さはなかった。
それが心からの決意なのか、それとも自分の行いをようやく直視したためなのか。サエキには判断できない。
ただ、怪異の干渉を断ち切るための条件を探るうえで、重要な変化があったことは確かだった。
サエキは、これまでの記録をもとに対処の準備を進めた。
水瀬の症状が強くなった状況。篠宮の発言。声が聞こえた場所と時間。サエキ自身が声を聞いた際の感覚。それらを整理し、怪異が水瀬へ干渉する経路を見極めようとした。
怪異の正体も、発生の原理も、完全にはわかっていない。
だが、すでに確認できていることはある。
声は篠宮が不在でも聞こえる。水瀬だけでなく、サエキにも聞こえた。篠宮が水瀬を引き留める言葉を口にする時期と、声や症状が強くなる時期は重なっていた。そして、篠宮が引き留めるのをやめると告げた直後、声は弱まった。
サエキは、怪異が篠宮の執着そのものではなく、その執着を足場に水瀬へ干渉している可能性が高いと判断した。
ならば、対処すべきは篠宮の感情を消すことではない。
怪異と水瀬をつないでいる干渉を断ち、声が彼女に届かない状態にすることだ。
水瀬には、対処を行うことと、当日は無理をせず安全な場所で過ごしてもらうことを説明した。篠宮にも、声が聞こえても応じないこと、怪異を利用しようとしないことを改めて確認した。
準備を整えたうえで、サエキは異変が確認された場所に立った。
周囲に、あの声はない。
だが、空気の奥には、何かが残っているような感覚があった。
サエキは法力を用い、これまでに観察した異変の位置と広がりを確かめた。怪異の働きが強く現れていた箇所を追い、干渉が集中している点を探る。
やがて、微かな声がした。
『あなたのために』
篠宮の声だった。
サエキは反応せず、観察を続けた。
声は、こちらの行動を止めようとするように、何度か繰り返された。しかし、言葉に従う必要はない。声の内容に意味があるのか、それともサエキが知る篠宮の言葉を借りているだけなのか、それもわからない。
サエキは、目の前の異変に集中した。
法力を流し、怪異の干渉が形を保っている箇所を見定める。無理に力を押しつけるのではなく、どこに働きかければ水瀬への影響を断ち切れるのか、慎重に探った。
声が強くなった。
一瞬、耳元で囁かれたように感じたが、サエキは手を止めなかった。
これまでの記録と観察をもとに、干渉の集中点へ法力を通す。異変が抵抗するように揺らいだ。
『まだ、ここに』
声が途切れた。
サエキは最後まで集中を切らさず、怪異の干渉を断ち切った。
周囲の空気から、張りつめていた違和感が抜けていく。
サエキはすぐに周囲を確認し、異変が残っていないかを調べた。先ほどまで感じていた気配は薄れ、声も聞こえなくなっていた。
その場で確認できる範囲では、水瀬へ干渉していた怪異の働きは断ち切られたと判断できた。
サエキは対処を終え、記録を閉じた。
怪異の正体や、なぜ篠宮の執着を足場にしたのか。そのすべてがわかったわけではない。
だが、水瀬を苦しめていた異変は、ここで終わらせることができた。
その後、水瀬の症状は少しずつ落ち着いていった。
対処の直後から、声が聞こえることはなくなったという。息苦しさや頭の重さも、以前より軽くなっていった。
ただし、長く続いた緊張がすぐに消えるわけではなかった。水瀬は、篠宮から連絡が来るたびに身構えてしまうことがあると話していた。
サエキは、その反応を怪異が残っている証拠とは考えなかった。声が聞こえなくなったことと、心身の負担が完全に解消することは同じではない。必要であれば、医療機関への相談も続けるよう伝えた。
退職の手続きは、人事を交えて進められた。篠宮はそれを妨げず、最終出勤日までの引き継ぎも、会社の手順に沿って行われた。
水瀬は、故郷へ戻る準備を進めていた。
最後に会ったとき、彼女の表情には、初めて話を聞いた日にはなかった落ち着きが戻っていた。
「まだ、少し不安になることはあります。でも、声は聞こえなくなりました」
「それはよかった。ただ、無理に以前の状態へ戻ろうとしなくてもいい。時間をかけて、自分の生活を取り戻してください」
「はい。ありがとうございます」
水瀬は微笑んだ。
「実家に戻ったら、果樹園のことを覚えなきゃいけないし、結婚の準備もあります。忙しくなりそうです」
「よいことですね」
「ええ。これからのことを考えるのが、今は楽しみなんです」
その言葉を聞いて、サエキはようやく、この件の依頼人に対して胸を張れる気がした。
彼女が故郷へ戻るのは、怪異から逃げるためではない。最初から、自分の意思で選んでいた未来へ進むためだ。
怪異が消えたからといって、その選択が正しくなるわけではない。彼女自身が決めたことだからこそ、守られるべきなのだ。
サエキは、水瀬を見送った。
彼女が新しい生活の中で、少しずつ自分の時間を取り戻していくことを願った。
篠宮の周囲に残っていた異変は、数日後、サエキの手で祓った。
最後まで、微かな違和感は残っていた。誰もいない場所で声がするような気配があり、視界の隅に何かが動いたように感じることもあった。
サエキはそれらを確認し、必要な処置を重ねた。
そして、怪異を祓い終えた。
以後、サエキが確認できる範囲では、篠宮の周囲に異常な声や気配は現れていない。水瀬に干渉していた怪異も、すでに断ち切っている。
事件としての怪異への対処は、これで完了した。
だが、サエキは篠宮の最後の表情を忘れていなかった。
水瀬を引き留めるのをやめると告げたとき、篠宮の声は弱まり、怪異の干渉も薄れた。そこには、確かに何らかの関係があったように思える。
しかし、篠宮が水瀬を手放すことを、本心から受け入れたのかどうか。それは、サエキにはわからない。
怪異を祓うことはできる。異常な干渉を断ち切ることもできる。
けれど、人間の心に残った執着まで、術で消せるわけではない。
サエキは水瀬に連絡を入れた。
「ひとつ、伝えておきたいことがあります」
『はい。何でしょうか』
「今回の怪異は、サエキが祓いました。今のところ、あなたに干渉していた異変も確認されていません」
『そうですか……よかった』
水瀬の声には、安堵があった。
「ただし、篠宮のあなたに対する執着まで消えたとは、サエキは考えていません」
電話の向こうで、水瀬が息を呑む気配がした。
「今後、篠宮がどう動くかまでは断言できません。何事もなく済む可能性もあります。ただ、個人的な連絡が続いたり、退職後の生活に踏み込もうとしたりするなら、ひとりで抱え込まないでください」
『……わかりました』
「返事をする義務も、相手を納得させる義務もありません。必要なら、会社の人事や信頼できる人に相談してください。篠宮と直接会う場合も、できればひとりきりにはならないことです」
『ありがとうございます。私はもう、自分で決めた場所へ帰ります』
「ええ。それがいいと思います」
通話を終えたあと、サエキはミサキにも連絡を入れた。
「怪異は祓った。水瀬に出ていた症状も、今のところ再発していない」
『そっか。そこはひと安心ね』
「ただ、篠宮の水瀬に対する執着は、まだ残っているように見えた」
ミサキの声から、少しだけ明るさが引いた。
『やっぱり、そこは別の話か』
「怪異がいなくなったからって、本人の気持ちまで変わるわけじゃない。最後に話したときも、水瀬を手放すと決めたというより、引き留められないと理解したように見えた」
『うん。自分で納得して身を引いたのか、諦めるしかなかったのか。その違いは大きいわね』
「そういうことだ。水瀬には、退職後も篠宮から個人的な連絡が続くようなら、ひとりで対応しないよう伝えておいた。必要なら人事や信頼できる人間に相談することもな」
『水瀬って、最後まで篠宮さんのことを気にしてたもの。自分が我慢すれば丸く収まる、なんて考えなきゃいいけど』
「そこも気になっている。だから、相手を納得させる責任まで背負う必要はない、と伝えた」
『ありがと。私からも、何かあったらすぐ連絡してって言っておくわ』
「頼む」
短く答えると、ミサキがふっと息を吐いた。
『しかし、サエキ。怪異を祓って一件落着、とはいかなかったね』
「最初から、そんなに簡単な話じゃなかっただろう」
『そうだけどさ。せめて最後くらい、すっきり終わってほしかったなって』
「気持ちはわかる。だが、怪異の問題と人間の問題は分けて考えないといけない」
『はいはい。そこは昔から変わらないね、あんた』
呆れたような声だったが、責めているわけではない。サエキが何を言いたいのか、彼女には十分伝わっている。
『篠宮さんを必要以上に悪者にするつもりはないよ。でも、水瀬のこれからを邪魔させるわけにもいかない。会社のほうでも、できることはしておく』
「それでいい。篠宮を監視しろと言っているわけじゃない。ただ、水瀬が自分で選んだ生活を守れるようにしておきたいんだ」
『わかってる。あんたが心配してるのは、そこでしょ』
「……そうだな」
『なら、私も同じ。何かあったら、今度は早めに相談してもらえるようにする』
その言葉を聞いて、サエキはようやく肩の力を抜いた。
「助かる」
『どういたしまして。で、あんたはちゃんと寝るんでしょうね? また記録を見直して徹夜、とかやめなさいよ』
「必要な確認は済んでいる。今夜は寝るつもりだ」
『その言い方、信用できないんだけど』
「なら、明日の朝に確認してくれ」
『そうする。寝てなかったら説教だからね』
「わかったよ」
通話を切る直前、ミサキがいつもの調子で言った。
『お疲れ、サエキ。今回はちゃんと休みな』
「ああ。そっちもな」
通話が終わり、サエキは携帯を机に置いた。
怪異は祓った。
それでも、篠宮が自分の執着と向き合えるかどうかは、サエキにもミサキにも決められない。できるのは、水瀬が再び誰かの都合に縛られないよう、必要な備えをしておくことだけだ。
人を大切に思うことと、その人を自分のそばに留めようとすることは違う。
その境目を、篠宮自身がいつか理解できるのか。それは、まだわからない。
サエキは記録を閉じた。
誰かとの縁を結ぶことと、その縁を理由に相手を縛ること。
その二つは、似ているようで、まったく違うものなのだ。
異聞始末録 記録者サエキ
榊原ミサキからの依頼で、水瀬千尋という女性に起きた異変を調査した。
水瀬は、退職を決意した頃から、社長である篠宮真紀の声を、本人が不在の場所でも聞くようになっていた。声は次第に彼女の私生活へ踏み込み、退職を思いとどまらせようとするものへ変化していた。
調査の結果、篠宮自身も正体不明の声に接触しており、水瀬を引き留めたいという執着を利用されていた可能性が高いことが判明した。
水瀬への干渉を確認し、法力によって怪異とのつながりを断ち切った。その後、篠宮の周囲に残っていた異変も祓い、怪異への対処を完了した。
水瀬の症状は改善し、彼女は自ら望んでいた故郷への帰郷と結婚に向けて歩み始めた。
ただし、篠宮が抱いていた執着そのものは消えていない。怪異を祓うことはできても、人の心に残る感情まで消し去ることはできない。
人を大切に思うことと、その人を自分のそばに縛りつけることは違う。今回の事件は、その境界を見失った人間の危うさを示していた。
水瀬退職から1ヶ月 篠宮真紀
水瀬は、私にとって特別な存在だった。
仕事ができるだけではない。私の些細な変化にも気づき、言葉にしなくても必要なことを察してくれる。長い時間を共に過ごすうちに、彼女がそばにいることが当たり前になっていた。
最初は、優秀な秘書を失いたくないだけだと思っていた。けれど、彼女が故郷へ帰り、別の誰かと人生を歩むと聞いたとき、私は自分がそれ以上のものを望んでいたことに気づいた。
彼女の幸せを願っている。そう思っていた。
けれど、本当に彼女の幸せを願うなら、彼女の選択を尊重するべきだった。私はそれを理解しながら、どうしても受け入れられなかった。
あの声が、彼女をここに留める方法があると告げたとき、私は耳を傾けてしまった。
彼女のためだと、自分に言い聞かせた。彼女の将来を心配しているのだと。だが、本当はただ、私のそばからいなくなってほしくなかっただけなのだ。
怪異が消えた今も、その気持ちは残っている。
彼女を引き留めてはいけないことはわかっている。それでも、いつか彼女が私のことを思い出してくれるのではないかと、どこかで期待してしまう。
私は彼女を大切に思っていた。
だからこそ、戻ってくるのを楽しみにしている。




