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第7話 リープだらけの初デート③

「はー、満足、満足!」

 カフェを出ると、麻衣はとても満足そうな顔をして伸びをした。

「で、次はどこを周るの?」

「次はね、駅前の中心街よ」――


「ほえー、やっぱ都会は凄いや」

 駅前に出ると、大きいビルが乱立していて、どこが何なのかさっぱり分からない。

 俺が出て来た徳島とは大違いだ。

「ふーん、スクラッチくじか」

 駅前の宝くじ屋で麻衣がふと足を止めた。

 まさか、スクラッチを繰り返して大儲けするつもりか?!

「ま、いいや」

 麻衣はそれ以上気に留めず、足を進める。

 良かった!

 俺は、麻衣がタイムリープを悪用する類の人間でないことにホッとした。

「さ、ボサボサしてないで行くわよ」

「行くわよって……、決まっているの?」

「うん、決まっているわ」

 俺は嫌な予感しかしなかった。

 しかし、その予感はその後、覆されることになる……――


 俺達はデパートの一角に歩みを進めていた。

「え?! ここ?」

 目の前は水着売り場になっている。

「そうよ」

「いいから、行くわよ」

 俺は腕を引っ張られ、中に連れられて行った。

 何をする気なんだろう……。


「えーっと、これも良いな。あ、これも良いかも」

 麻衣は夢中で水着を手にとっては俺に手渡していく。

 俺は戸惑っていた。

 目のやり場に困る……。

 これを金堂さんはどうする気なんだろう。

 すると、麻衣はスマホを取り出した。

「えーっと、ここから最長でも十分ほどね」

 ボソリと独り言を言った。

 何をする気なんだ?

「試着室に行くわよ」

 え? 試着室?? 着るの???

「今度、留美とグランドホテルのリゾートプールに行くの。これから試着するから坂東君の意見を聞かせて」

「え? 水着を着るの? で、それを俺が見るの??」

「そうよ。めちゃくちゃ恥ずかしいけれど、どうせあなたは忘れることになるわ」

 そういうことか!

 これは嬉しいハプニング!

 絶対にタイムリープが俺にバレていることは内緒にしよう……――


「これはどうかしら?」

 試着室のシートを開けて現れたのは、ワンピースの水着を着た麻衣。

 カラーは白。光を柔らかく反射する、清潔感のあるホワイト。

 立体的なフリルが重なるデザイン。直線的ではなく、波打つような柔らかいラインが女性らしさを強調している。細めの肩紐が軽やかさを演出する。

 結論、ロリ系!

「可愛いよ!」

「は、恥ずかしい……」

 ――ダッ!

 ――ピカッ!


「これは、どうかしら?」

 試着室のシートを開けて現れたのは、上下のセパレートの水着を着た麻衣。

 カラーは深いブラック。光の当たり方でわずかに艶が出る、上品な質感。

 トップスは、中央で布をきゅっと結んだノットデザインがアクセントになっていて、ミニマルながら立体感を感じる。ボトムスは、サイドが紐で結ばれたスタイル。左右の結び目が軽やかで、全体のバランスを整えている。

 結論、エロい!

「セクシーだよ!」

「バカ!」

 ――ダッ!

 ――ピカッ!


「これはどうかしら?」

「艶っぽい!」

「うーん……」

 ――ダッ!

 ――ピカッ!


「これはどうかしら?」

「凄く良い!」

「これかなあ……」

 ――ダッ!

 ――ピカッ!

 ……

 そして最後に戻った先は試着室ではなく水着売場のフロアだった。

 ああ、もう終わってしまったのか……。

「じゃあ、これにしようかな」

 麻衣は俺が持っている何着もの中から、最後に着た水着を手に取った。

 すると、不思議そうに俺の顔を眺め、顔を赤らめる。

「坂東君……、ちょっと、あなた鼻血出てるわよ! 何想像してるのよ、エッチ!」


 いや、想像してたんじゃないんです。

 この目で見たんです。


 そのタイムリープ、俺にはバレてるよ…金堂さん!――

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