第24話 不思議だらけの文化祭⑥
「それでは、いよいよ優勝の発表になります!」
気を取り直した司会者が会場を煽る。
『おおー!!』
中庭ステージ前のボルテージが最高潮に達した。
「さあ、栄えある優勝者は……」
――ドゥルルルルルルルルル……
――バーン!
「金堂麻衣さんです!」
『うわぁー!』
群衆から歓声が上がる!
え?! 俺は戸惑っていた。
と、言うことは……。
「金堂さんがメイド服姿で焼きそばを焼く、可憐で健気な雰囲気が審査員の心を射止めました。撮影者は同じく坂東洋祐さん!」
『ワー!!』
そう、俺は焼きそばを焼いていた麻衣を隠し撮りしていた。
校内写真ミスコン応募の時に、奈美の写真と同時に、麻衣の写真も送っていたのだ。
まさか、俺の二枚でワンツーフィニッシュを飾るなんて……。
「では、金堂さん。ステージに上がってください」
麻衣は実行委員に促されながら、壇上まで連れて来られた。その顔は戸惑っている。
そりゃそうだよな。俺、応募したなんて言ってないもん。
「それでは金堂さん、優勝を受賞した今の感想を聞かせてください!」
司会にマイクを振られながらも、その目は俺をジッと見つめている。
睨んでいるような、焦っているような、複雑な表情だ。
あちゃー、怒らせちゃったかな……。
「あの……、まさか応募されていたことも知らずにとても驚いてます。ただ、それだけです……」
麻衣は、これまた司会者泣かせの言葉しか出せなかった感じだ。
「そうなんですか……。でもこの写真は素晴らしい! 金堂さんの可憐な魅力を映し出した一枚は、常にそばに居ないと見付けられない一枚と、審査員ともども評価しました」
「常に、そばに……」
その言葉に麻衣は何か感じるところがあったのか、顔を俯ける。
「それでは撮影者の坂東さんからも、一言お願いします。」
俺はマイクを受け取った。
「続けての受賞、嬉しいです。この写真は、俺しか見つけられない金堂さんの魅力を切り出したものです。それが評価されたのが何より嬉しいです!」
『ウォー!』
『ピューイ!』
我ながら大胆なコメントをしたものだと、自分自身に舌を巻いた。これじゃ告白したようなものかもしれない。麻衣さん、タイムリープするかな?
俺は、自分自身のコメントについて、半分麻衣に判断を委ねていた。
が、麻衣はポカーンとした顔をするだけで、何も動作を見せない。
「坂東さん、コメントありがとうございました! では続いて、受賞した二人にはゲームをしてもらいます。金堂さんはこのボックスの中からくじを引き、引き当てた内容を実行をしてください。出来ない場合は罰ゲームです」
やっぱり、優勝者もゲームあるのね。
そして麻衣は司会者に促され、ボックスの中に手を入れた!
「ほっぺに、チュー……」
「なんと、金堂さんもほっぺにチューです!」
『おおー!!!』
会場が再び沸く。
ほっぺにチュー以外の選択肢があるのか、このボックスには?
でもまあ、これはタイムリープだな……。
そう思っていると、
――チュッ!
え?
えー??
えええぇーーー???
何と、ほっぺにチューが来た!!
「金堂さん、お見事! ほっぺにチュー、ありがとうございました!」
『ウワァー!』
大歓声に包まれながら、俺は顔を真っ赤にして黙り込む麻衣をポカンと見つめていた。
どうしてタイムリープしなかったの……麻衣さん!――




