第13話 涙のWデート④
その後も俺達は、アトラクションを重ねていた。
ネズミーマウンテン、ネズミーシューティング、合間に昼食も挟み、ネズミースターシップ、ネズミーリバークルーズ……。
池谷は相変わらずペア決めをグーパーで決めようとしてきていた。
そして、麻衣はそのことごとくをタイムリープによってサポートしていた。
「はあ……、結構遊んだな!」
池谷は伸びをして呟いた。そして、
「留美ちゃんとペア組んでばっかだったな。俺達、縁があるのかもな!」
爽やかに留美に声を掛ける。
留美は、少し恥ずかしそうにうつむいた。
しかし、俺は見ていた。
池谷のその目線は麻衣に向いていることに。
……やっぱり、こいつ麻衣を狙ってるんじゃないだろうか?
「さて、次はどうする?」
もうだいぶ陽が落ちてきている。
これで最後の頃合いだろう。
その時、
「私、観覧車に乗りたい……」
初めて、留美が控えめに自分の意見を出した。
「そうだな、夕陽が綺麗だし、観覧車がいいかもな」
池谷が同意する。
俺達も頷いた。
そして今、俺達は観覧車の列に並んでいる。
列は順調に進み、次は俺達の順番だ。
「最後ぐらい、麻衣ちゃん、二人で乗ろうぜ」
ここで池谷がぶっこんで来た!
「え? でも?!」
「これまで一回も一緒にペア組まなかったんだから罰は当たらないだろう?」
池谷は爽やかに誘う。
麻衣はそっと留美を見る。
留美は俯いていたが、ハッとしたように顔を上げた。
「うん、それも良いんじゃない!」
その顔はとても明るかった。
まるで作った顔のように――
――カタン…… カタン……
夕陽を浴びた観覧車のカゴがゆっくりと回っている。
俺は留美と向かい合っていた。
留美は、何か考え事をするように窓から外を眺めている。
優しく回る観覧車の中を、冷たい静寂が覆う。
「私ね……」
沈黙を破るように留美が切り出した。
「観覧車で告白する予定だったの。池谷君に」
留美は俯いたまま話を続ける。
「でも、一緒に観覧車乗ってない時点で、もう結論は出ちゃってるよね。今日だって私のこと、見てくれてなかったもん」
俺は動かず、黙って留美を見つめる。
「最初から分かってたの。無理だってことは。今日だって、本当は麻衣が来るならって、池谷君はオーケーしてくれたんだから……」
……あいつ、そんなことを……。
「でも、告白してケジメを付けたかったの。自分の気持ちに」
留美の目元は濡れている。
「あーあ、こんな形じゃなくて、ちゃんと振られたかったな」
俺は最後まで何も言えなかった――
観覧車を降りると、先に降りていた池谷と麻衣が俺達を待ち受けていた。
すると麻衣は、俺が観覧車から出てくるのを見るや否や、駆け出した!
――ダッ!
――ピカッ!
「最後ぐらい、麻衣ちゃん、二人で乗ろうぜ」
池谷が既に聞き覚えのあるセリフを吐く。
タイムリープしたんだ!
でも麻衣さんは、一体なぜ?!




