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11 閑話(仲良し)

レティーシアは本当に有能なこどもだ。若干12歳にして、大人も舌を巻くほどの知恵をもっている。

サリは、精霊などと言っているが、本当にそれしか、考えられない。

どんな貴族もどんな富豪も舌を巻くほどの知識を持っている。王族でさえかなわないだろう。ましてや、年齢ですらそぐわない。だが、どんな叡智をもってしても神の化身とは思えなかった。神の化身」なら、もっとしっかり者であるだろう?あの子は、しっかりしているが、時々とても抜けているところがあるのだ。



あれは、孤児院の近くを通った時のことだ。ちょうど城での仕事も少なくなり、レテーィシアは孤児院に戻っていた。ちょっと様子を見ようと顔を出したら、孤児院のまえで、子供たちがレテーィシアの周りを囲んで座っている。みんな真剣な表情でレテーィシアの顔を見つめている。近くまで行くと声がはっきり聞き取れた。どうやら演劇なるものをレテーィシアのひとりでやっているようだ。

王都では人気の演劇もこんな辺境では、存在しない。それをレテーィシアはどこで知ったのか?一人でやってのけている。しかも登場人物別に声色を変えて。一人で何役もこなす演劇など見たことない。レテーィシアは本当に器用だと木の陰から見守っていた。

どうやら物語も終盤のようだ。

子供たちは大盛り上がり。最後には、拍手喝さいとなった。


「レティーシア」

「領主様。見ていらしたのですか?」

「ああ。面白かった。そなたは器用だな。」

「いえ、あれは、子供たちの反応が良いだけですわ。」

「孤児院は順調か?」

「領主様のおかげで、例年より楽をさせてもらえてます。余剰にもらったお金で、農具を買い、畑を作ったのですよ。芋ができれば、子供たちをおなかをいっぱいにできます。あ、領主様。せっかくですから、孤児院を案内します。前回は、建物の中だけでしたでしょ?私のお気に入りの場所があるんです。

そういって、孤児院の裏手の森に案内された。そこには、清浄なる空気に満ち溢れ、おおきな大木があった。その根元に腰を下ろし、手招きされた。私も仕方なく、横に座る。


「ここは、私のお気に入りの場所なんです。小さいころ、悲しいことがあるといつもこの木に話しかけていました。名前も付けたんですよ。」

「名前を付けたり、話しかけたり?この木は、特別な木か何かなのか?精霊をやどしている?一見、普通の木に見えるが、、もしかして、魔物が擬態しているのか?」

「ま、魔物?取り消してください。ミリィが気分を害します」

「ミリィ?」

「この木の名前です。この木は普通の木です。でも、きっと優しい木だと思うのです。ここにいると元気になれる気がします。、、、、、、領主様もお疲れでしょう。目の下に隈が出来ています。」

「いつものことだ」

「ダメです。体を悪くしますよ」

「まだ、そんな年じゃない」

「仕方がないですね。言い方を変えます。睡眠不足のままお仕事をされても効率が悪いだけです。すっきりとした頭でお仕事をされた方が、何倍も速く仕事が終わります。、、、このいい方なら納得されます?」

彼女のいいように笑みがこぼれだし、

「ああ、納得されよう」

「では、ここで横になってください。」

「ここで?」

「ええ。野営とでも思って、マナーは無視です。領主様も騎士として武勲を積んだと聞きました。野営ぐらいは朝飯前ですよね?」

確かに野営では、身分関係なくテントで横になるから、平気といえば平気だが、、、。

私は、横になり目を閉じた。

「君は、なんのためにこの木に名前を付けた?」

「どんなものにも命があって尊いからです。」

「だが、木には人間と会話する知性は、あるまい。」

「木には木の言葉があるかもしれないでしょう?私たちが知らないだけで。ほら、風にのって木々のささやき声が聞こえる。」

確かに、木々の風に揺れる音がするな

しばらくすると、レティーシアが歌いだした。古代語だ。

どんな意味があるのかわからない旋律を聞いていると、眠りが訪れた。



レティーシアといると穏やかな空気を感じる。やはり、大地の精霊のいとし子なのだろうか?

ただ、レティーシアが神の御使いならば、神とは、お茶目な性格なのだろうと思い始めた。本当にびっくりすることばかりだ、、、。



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