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10 時は流れ

なんだかんだとあれから、2年が過ぎた。私は、厨房で、空き樽に座りながら、芋を向きながら、思いをはせた。干物事件、私の中では事件となっているが、、、だって、だ男性と馬の上であんなに密着したのがほとんと初めてだったの。あまたの人生の記憶があっても、特別な思いを抱いたことも、特別な人ができたことも一度もなかった。ただ、いつもみんなを幸せにしたいとだけ願っていた。それは、いつも叶わぬ思いだったけど、、、、、。

あの事件以来、いろんな意見を聞かれるようになった。私は、前世?でのたくさんの記憶を元に、思ったことを素直に提案した。そこは、世界が違うから、大当たりとなまではならなかったこともあったが、たいがいは、いい線いったのだと思う。


この町の暮らしも少し豊かになった。領主様は、本当に有能だ。小娘の浅知恵で、ここまで領地を立て直したのだから。そして、私も少し恩恵を受けた。町の人たちが私を少し受けて入れてくれたように感じる。領地を立て直すにあたり、領主様の指令のもと、いろいろな試みをみんなで行ったおかげで、町の人とも話す機会が増え、仲間意識が強まったのだと思う。そう思うと、本当にいい領主様に巡りあえた。


でも、そんな平穏も終わりを告げようとしていた。領主様から爆弾が落ちたのだ。その時、きっと私は、間抜けな顔をしていたのだろうと思う。


「え、、、、。今、なんとおっしゃいましたのですか?」

「しばらく王都に滞在することになった。君もくるがよい。」

「え、っと。私が王都に行く意味は、なんでございましょう?」


「貴族学校に編入するのだ。」

「え、え、あ、あの私は貴族ではありません。」

「うむ。今はな。まぁ、これも給料のうちだ。」


私は、パニっくたまま、部屋を辞した。どうやって、自分の使用人部屋に戻ったのか記憶がない。

気付いたら、ベッドに横たわって、天井を眺めながら、ぐるぐると考えていた。



「アルスレット様。わが妖精は、納得されましたか?」サリが入ってきて尋ねた。

「いや。鳩が豆鉄砲くらったような顔をして、、、ああ見ると年相応だな。」

「では、細かい説明もされなかったのですか?」

「主君の立場で命令した。」

「素直にお話になればよいのに。教育をきちんと受けて、一緒に領地をささえてほしいとかですね。」

「ばかもの。そんなこと言えるか。」

「でも、それが本心でございませんか?」

「そんな言い方では誤解をまねく。ただ、あの子に、これからもっと私たちの仕事に貢献してほしいと思っている。それには教養や箔は必要だ。貴族を相手にすることもあろう。」

「誤解を真実にする気があってもよいではありませんか?唯一、お気に召した女性でございましょう。未だ、少女ですが、あと数年もすれば成人を迎えます。」

「そうではない。彼女が女性だとか子供だとかが気にならないから、付き合いやすいだけだ。」

「まぁ、そういうことにしておきましょう。」


サリは、執務机を整理しながら、お茶を出した。

私は、カップの紅茶を飲みながら、カップの水面に映る自分の影を見つめた。そうだ、女性なんてやっかいものでしかない。今までの記憶に思いをはせながら、目を閉じた。

この領地に富をもたらしてくれたあの娘に報いたいだけだ。と自分自身を納得させた。



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