第9話 ~魔王少女とメイドさん~
佐夜がまた『僕っ子』口調になります。はい。
タッタッタッタッタッ────────
「サヤ! 妾はお腹が空いたのじゃ! 何か作ってたもー!」
ガバッ!
「ってうわっ、お嬢様!?」
メイド服に身を包んだ佐夜(笑)が魔王の王室を掃除していると突然、魔王の少女が背中に抱き着いてきた。
「……はぁ、お昼にはまだまだ早いですよ、お嬢様?」
「でももう妾、お腹ペコペコなのじゃ……」
佐夜が溜息を見つつ時計を見ると、時刻はまだ午前10時半くらい(アルフィーニ時系)だったが、幼い魔王少女は育ち盛りらしく、朝食べたばかりなのにもう空腹になったらしく、お腹の音が可愛らしくなっている。
「サヤ、お願いなのじゃ~。妾、もうサヤのご飯でないと満足できぬのじゃ~!」
「あはは。じゃあ何が食べたいですか?」
「オムライス!」
「はい、畏まりました。……緑豆は?」
「抜きで!」
「はいはい♪」
背中に魔王を抱き着かせたまま佐夜は王室に設置し(てもらっ)たキッチンでちょっと早い昼食を作る事になった。
と、いうか何故佐夜が魔王少女のメイドをやっているのかというと、前話ラストでの桜井の鶴(?)の一声で勝手に決まったからだ。
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「この魔王と呼ばれている少女が愛沙、君の妹『真桜』である可能性が高い。でだ。今ちょうどこの魔王少女の身の回りの世話をしてくれる者を募集しているらしくてな。そこに佐夜を潜入させる事にした」
魔王城内に張り出されている人材募集の張り紙の文字を日本語に変換して表示させてから説明する桜井。
「レイレイ質問!」
「リオ、レイレイと言うなとあれほど………で? 何だ?」
リオのあだ名の矯正を諦めた桜井が溜息をしつつ聞き返す。
「人間のさややを魔族だらけの所に置いといて大丈夫なの? 色んな意味で危険じゃない?」
「「「「「た、確かに………」」」」」
リオの指摘に同意する5人(ユフィ、義信、陽菜々、愛沙、正義)。それぞれ何を想像したのかは本人にしか分からないが。
「料理も出来て世話好き、見た目がかなりの美少女で一見人畜無害そうな外見。これほどの逸材が他にいるか?」
「係長、ユフィさんがいるじゃないですか」
「ユフィの場合。世話好きで美人な部類に入るが、料理が『煮物系』しか出来ない為NGだ」
「あらあら」
「いやいやユフィさん? 係長にディスられてるのに笑ってる場合じゃないっすよ!?」
マイペースな2人にツッコむ義信。むしろツッコまざるを得ない。
「こほん。話が逸れたが、佐夜を魔王城に潜伏させる事にあたってについては問題ない。募集要項にも『人種:人間(勇者以外)』と書いてあるしな」
「「「「「「「何で!?」」」」」」」
桜井が指す方に確かにそう書いてあった。
「普通ならありえない事なのだが。これも多分あの魔王少女が元人間で同じ人間を求めている為だと判断する。実際、先ほど聞いた会話の中でもこの魔王少女、相当暴れまわった事が伺えるしな」
画像の中の魔族達に出来てる生傷が実に痛々しい。
「で、でもそれだと私じゃ駄目ですか?」
「あ、愛沙?」
この魔王が自分の妹『真桜』ならば姉である自分が行けば大人しくなる上に一緒に連れて帰る事も容易になると愛沙は思った。珍しく積極的になってる愛沙に思わずギョッとした正義。
「ダメだ。君の場合、女性である上『聖導師』だから下手に魔王城に入れると弱い魔族達はそのオーラで瞬殺される。ゆえに許可はできない。我慢してくれ」
「は、はい………」
桜井の的確な指摘に引き下がる愛沙。
ちなみに『聖導師』とは、白魔法使い(ヒールとかホーリーなどの光・聖系魔法)の上位職に当たる。勿論魔力値もそれなりに高い(勇者である正義には劣る)ので、弱い魔物・魔族達はその魔力を浴びただけで死ぬ恐れがある。
「ん? ちょっと待て、じゃあそこの佐夜ちゃん(?)も女の子だから駄目なんじゃないのか?」
「「「「「「「は?」」」」」」」
愛沙が『女性』だからNGというワードに反応した正義が突然変な事を言い出した。
「あ、あー、そういえばセイギにはさややの事、言ってなかったね?」
「あー、確かに。この艦に着いてからは殆ど係長に突っかかっていた(喧嘩腰)からな。俺と係長の事はともかく、他のメンバーについて正義は殆ど知らないと思うぞ?」
「………なるほどな」
リオと義信、そして佐夜がヒソヒソ話して納得する。
「はぁ。正義よ。貴様が知らないのは当然の話だが、佐夜は『男』だ。『女性』ではない」
「は? 何言ってんだ? こんな可愛い過ぎる子が男なわけ無いだろ?」
「は、ははは………」
男である事を否定された佐夜はもう笑うしかない。
「………仕方ない。こうなったら直接確認してもらう方が早いか」
「え?」
そう言った桜井がとあるペンライトを取り出し、ペンライトの光を佐夜の(デニム)ズボンの腰から膝までの部分を切り刻み、中のボクサーパンツをも両断し、男の象徴(小さめ)が露になる。
「………OH……(マジですかい)」
そしてそれを見た正義の顔がハニワになった(笑)。
「ぎ、ぎゃあああああああ!?」
下半身を丸裸にされた佐夜が我に返り、絶叫を上げて部屋へと戻って行った。
その後、桜井が色々と手を回したらしく2日も経たずに佐夜は魔王少女のメイドの勤務に就くことになった。
「っていうか色々と手を回せられるのなら、その魔王少女を転送(?)させてこればいいんじゃないのか?」
「貴様は阿呆か。そんなことをしたら後処理が面倒くさい上に、この艦内で魔力を暴走させてみろ。一瞬で艦諸共、皆で仲良く消滅するだけだぞ?」
「う……。じゃ、じゃあさ、逆に全員で魔王領を制圧すれば……」
「それは(異世界無双禁止)規定に引っかかるからNGだ」
「ううう……。本当にメイドしなくちゃダメ?」
「そんなに目を涙目でうるうるさせても駄目だ。さっさと準備しろ」
「桜井はイジワルだ!」
「知ってるさ。ユフィ、陽菜々、佐夜を手伝ってくれ」
「はい」「は~い」
「うわ~~ん!!」
ユフィと陽菜々に引きずられる様に佐夜は部屋へと運ばれていった。
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「~~~~~っ! やっぱり佐夜のゴハンは最高じゃ!」
「ふふっ、お褒めに預かり光栄です♪」
口いっぱいにオムライスを頬張っている魔王少女『真桜』が満面の笑みで佐夜を褒め称える。………口の周りがケチャップだらけなのはご愛敬。
佐夜が真桜のメイドを始めて約一週間。今でこそ佐夜にこんなに懐いている真桜だが、佐夜が来た初日なんてもう手の付けようが無い程の我が儘と初見での人見知りが発動して佐夜に攻撃を仕掛けてきた。具体的には魔力玉を何発か打ち込む感じ。
それらの攻撃を何とか躱しつつ真桜に接近し、真桜の姉『愛沙』の事を話した事でようやく攻撃が止んだ。………佐夜が躱しつつけたお陰で部屋中がボロボロになったが。
ボロボロになった部屋を片付けながら佐夜は、真桜と愛沙について知っている事を話す。すると真桜は大人しくなったのか枕を抱いて蹲った。
あれだけ暴れまわった本人が急に大人しくなったので恐る恐る佐夜が近付くと、
「お姉ちゃん……お姉ちゃん………(泣)」
真桜は枕に顔を埋めて泣いていた。
そりゃそうだ。いくらいつも気性が荒い少女でも実の姉から無理矢理引き裂かれて、魔王としての力まで授かってしまったから気軽に会いに行くわけにもいかない。
おまけに魔王領に住む住民達は皆、魔族か亜人、人間とのハーフの混魔人しかいなく、人間は基本的に忌むべき種族だと言われている(勿論例外在り)。
そんな中、何で人間である佐夜が堂々と魔王領、及び魔王城内を自由に闊歩出来るのかというと、単に真桜のメイドとして仕えているからだ。
忌むべき人間が魔王領内を自由に歩き回る姿に周りの魔族達は確かにあまり良い顔はしないがこれにはある事情がある。
真桜が魔王として即位し、初めはメイドや執事などを周りの魔族達でやっていたのだが、真桜は元人間なので外見が真っ黒だったり、角や尻尾が生えていたりする生き物に抵抗があった。
おまけに真桜は拉致されてきた身分なので、自分を攫った魔族達に殺意すらぶつけてくる始末。位の高い代官、大臣達があれやこれや手を打ったが益々魔王の機嫌は悪くなる一向。遂には死者を出すまでに及んだ所で遂に匙を投げた。
そして結果的に真桜が見慣れている人間を募集、もしくは拉致して魔王の世話係に就かせようとした所に桜井が(ごにょごにょごにょ)割り込んで佐夜をメイドとして真桜に就かせたのだ。
「おねえちゃ~~~~~ん!!(大泣)」
「あ、あわわ、あわわわわ……(焦)」
最初は静かに泣いていた真桜だったが、遂には感情が爆発して号泣しだし佐夜は混乱してあたふたしだす。
「うわ~~~~~~~~っ!? っっっ!?」
「大丈夫。もう大丈夫だよ」
結果的に佐夜が取った行動は『泣く子を抱きしめる事』だ。佐夜にも妹がいた為、思いついた手段がこれしかないのだ。
「っ………。ううう~~~~~(泣)」
抱きしめられた事で最初驚いた真桜だったが、佐夜の優しい雰囲気に包まれ、佐夜の胸に顔を押し付けて静かに泣き続けた。
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その後、佐夜に懐いた真桜は随分と大人しくなり、魔王の自室の被害も無くなった事で佐夜の領内での評価が何故か上がった。
ちなみに佐夜が『男』だって事は初日に真桜が風呂場へ侵入して来た事で既にバレているが、真桜は「佐夜が男でも女でもどっちでもいい!」と言って平気で一緒にお風呂に入って来る。さすが10歳、まだまだ子供だな~。
「ん~~~。これかの?」
ベットの上で佐夜の手から引いたカードはジョーカー。
「はずれです。ではこれで僕の勝ちですね」
「あ~~」
佐夜が真桜の持つ反対側のカードを引いてさっさと上がる。
二人がやっているのは所謂『ババ抜き』。もう夜も遅いので2人はパジャマ(佐夜も女物のパジャマを着用)を着て一緒のベットで遊んでいた。
ちなみに、佐夜が何でまた『僕っ子』的な言葉使いなのかは勿論言うまでもない。
そして2人はベットに横になり、真桜は佐夜に姉の愛沙について聞く。
「のう佐夜。姉上は正義とどんな関係になっているのかのぅ?」
「え? 愛沙と正義?」
「うむ」
真桜に聞かれ佐夜は眉を顰め、愛沙と正義の事を思い出す。
名前の通り正義感が強すぎる正義と、そんな正義を陰から支える愛沙。幼馴染という事もあり、正義感が過ぎて暴走気味になる正義をツッコむ形で制止させる愛沙。
愛沙が妹の真桜の事で落ち込むやいなや、今度は正義が必死で慰めるがいつも空回りで愛沙を笑わせて癒す。そんな2人の関係性はやっぱり、
「やっぱり恋人……なのかな?」
佐夜はあの2人とはそんなに関わっていない……というか魔王少女のメイド云々の話から佐夜はドタバタしていたからあまり会話してないな。一応真桜についての情報を貰う時に愛沙とは話したけど、正義とは佐夜のズボンが破かれてアレを見られた時以降、一言も喋ってない。一体正義は佐夜の事どう思っているのだろうか?
「うんうん。やっぱりいつかくっつくんじゃないかと思ってたよ」
「あれ? お嬢様、もう魔王口調は良いのですか?」
「え? あ、あわわ。これはうっかり」
すっかり素に戻っていた真桜に佐夜がツッコむ。
実はこれ、佐夜に懐いた魔王少女真桜が家臣達に舐められない様、佐夜と練習した口調なのだが、本人曰く、結構しんどいそうな。
真桜が魔族達に拉致られてその身体に魔王の魂を注入された時、既に魔王の魂には自我が無く、真桜はそのまま魔王としての力とそれに応じた姿(灼眼、炎髪、大きい角)になったがその精神は僅か10歳。そのまま少女としての口調だとどうしても家臣たちに舐められてしまうと2人が考えた結果。『魔王っぽく話す』事だ。
当然、毎日2人で練習し、今ではその姿にすっかり似合う口調にはなったが、たまにこうして素に戻っちゃうらしい。
え? 佐夜の『僕っ子』口調はって?
そんな、今更じゃないか~~~(笑)
「………ん、よっいしょ!」
「「ん?」」
佐夜と真桜が仲良くお話ししていると、窓の方で誰かがよじ登って入って来た。
「……ってリオ!?」
「いえす、あい、あむ!」
「……何でひらがな読みなのじゃ?」
リオの拙い英語に真桜がツッコむ。
ちなみにリオがここに来たのは2回目なので真桜もそんなに驚いてはいない。初回の時に会った時は「曲者じゃ!」と真桜が騒いでいたけど佐夜(と愛沙)の知り合いという事でものの数十分ですっかり仲良しになった。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
「って事で、もう少ししたらレイレイ達もこっちに来るよ~~」
「そっか。でも物を食べながらお喋りするのは行儀が悪いよ? いつも言ってるけど」
「そうじゃぞリオ。妾なんかいつも怒られてるのじゃ」
口をモグモグしながら話すリオに佐夜がいつもの様に叱るが馬の耳に念仏。スルーされる。というかよく口に物を入れながら普通に喋れるな。ある意味感心するよ。
「というかのリオ、攻め入る事が出来るのなら何故すぐに実行しないのじゃ?」
リオと佐夜から真桜を助け出す事が出来る組織があるというのは前々から聞いていたが、だったら何ですぐにそれをやろうとしないのか、真桜はずっと考えていたのだ。
「あ、それは僕も思ってたよ? リオ、何で?」
どうやら佐夜も理由は知らないらしい。
「うわ、さややまで………。ていうかさやや、前にりじちょー(マロンの事)が言ってたじゃん。リオ達の組織は基本的に『各世界での強い干渉は禁止』されてるんだよ? だから表立って攻め入る事は出来ないのっ!」
「そう……だったっけ?」
「そうなのっ! だからレイレイはわざわざ面倒くさい事までして色々手を回してるの! それも急ピッチで!」
プンプンと手を横にバタつかせて怒るリオは実に子供っぽい。
「……って『急ピッチ』? わざわざ遠回りする理由は分かるけど別に急ぐ理由はないよねリオ?」
「えっとね……最初は魔王領に攻め入る準備をしつつ、残りの召喚対象者達を元の世界に送還していたんだけどね………」
「ええい! ハッキリ言わんか!」
両手の人差し指を合わせ、ごにょごにょと言うリオに真桜が怒った。いや、別に怒る必要は無いよ?
「正義や愛沙たちも手伝ってくれて召喚対象者は残り1人になったんだけど……」
「え、凄いじゃん! じゃあその人とお嬢様を連れて帰れば────」
「無理」
「バッサリと斬ったのぅ……」
佐夜の喜びはバッサリと斬られた。どうやら真桜も同じ感想を抱いたらしい。
「何で!?」
「それがさっき言った『急ピッチ』に繋がってるのさやや」
佐夜から視線を逸らしてリオは言った。
「? ??? どういうこと?」
「最後の一人は─────『世界破壊者』になっちゃってたの」
「っ!?」
「こーどぶれいかーとは何ぞ?」
リオの発言に息を飲む佐夜と聞きなれない単語に首を傾げる真桜。
「最後の一人を、無力化しよう、とした影ノブが……返り討ちに逢って……そのまま……そのまま………っ!」
「リオ………」
肩を震わせながら無理に言おうとしたリオを佐夜はそっと抱きしめる。
そっか………
世界に関わるという事はそれだけ死ぬ危険があるって事なんだな………。
静かに泣くリオを抱きしめつつ佐夜は世界の厳しさを知った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「おいおいおい……何だこの数は!?」
「……これだけ世界破壊者がいたとは思いもしなかったわ」
ヴァンとマロンがやって来たのはとある物質界の一つ。
色々な聞き込み情報とコンピューターでの演算、そしてマロンの推測を以ってはじき出された結果、今ここにいる世界破壊者達だ。
ざっと数えた所5、60人くらいはいるっぽいが、その内半分はその従者か何かだろう。だから大体2、30人くらいか?
ここで軽くおさらいなのだが、世界破壊者はその名の通り、『世界そのもの』または『世の理』や『神』を殺すことが出来る。
つまり、ここにいる世界破壊者1人で世界が1つ破壊する事が可能だというわけだ。
ってことはだ、ここにいる世界破壊者、大体2、30人だと思うが、それらが一斉に他の世界に転移してしまうって事はこれ、かなりヤバい事なのだと思う。マジで。
「っ!? 誰だそこにいるのは!?」
「うわっ、見つかった!?」
見つかる危険がある為、10キロも離れた場所から気配と望遠鏡を使って覗いていたにも関わらず、2人はあっさりと見つかってしまった。
そりゃそうだ。世界を破壊出来るほどの力を持った奴等からすれば視線を感じればすぐに感知することなど容易い事なのだ。
「ヴァン。一時撤退しますよ!」
「ああ、≪エルシオン転送してくれ≫!」
≪はい、了解です!≫
世界破壊者達がこちらに来る前に2人は転送で撤退する。
一応話し合いや戦闘になったとしてもマロンとヴァンなら苦戦は強いられるかもしれないが何とかはなるのだが、ここは物質界、いわゆる21世紀の現代社会の都市部だ。こんな所で戦いにでもなったら周りにどれだけの被害が出るか分かったもんじゃない。
「っと、帰って来たのはいいが、透! 急いでここを離れるんだ!」
「え? ええ!?」
「急いで! 世界破壊者達が亜空間に出てくる前に!」
「は、はいっ!」
転送にてエルシオンに帰って来た2人はそのままブリッジにいる透にここを離れる様指示を出す。万が一、艦を攻撃されるのは嫌だからだ。
「……でも結局あいつら何のために集まっていたんだ?」
「……どうせいつもの如く、碌な事ではないと思うけどね」
桜井達と別行動を取っていたヴァン達だが未だに世界破壊者達が何をしようとしていたのかまでは把握できていない様だ。
「何をダラダラとチンタラしているのだ貴様らは。奴らの動機が分からないのなら突っ込んで行くしかないだろうに!」
「簡単に言うな!」
ブリッジの片隅で筋トレをしていたRが凄く無茶な事を言う。
「そうですよR。それが出来るならこんなに悩む必要もないのですから」
モニターをひたすら捜査してる透が後ろを見ずに言う。ある意味すげーよお前。
「……でも、そうね。このまま手を拱いているだけじゃ何の解決もしないのよね。Rの言っている事も一つの手よね」
「おいおい。まさかマロン、お前………」
マロンの言葉に嫌な予感がしたヴァン。
「透、ごめんなさい。Uターンしてさっきの世界まで戻って頂戴」
「え? ええええ!?」
「マジか!?」
「うむ! 時には強引に道を切り開くことも重要! よくぞ英断した如月よ!」
「ふふんっ! 任せなさい!」
逃げてきたばかりの世界をUターンして戻る様指示したマロンに透とヴァンに衝撃が走った。
(マロンってば、面倒事が重なるといつも突拍子でもない事をするから困るんだよな……)
自由気ままな神様に気落ちしたヴァンだった。
つ、続きはまた来週に……がくっ(バタリ)




