第25話 ~王城へGO!~
今回は短めでいきます。
シュン─────
「っと、到着ぅ~~」
「「う~~!」」
エルシオンの転送にて地下遺跡から地上に転送した一同。直後に伸びをするリオ。その真似をする双子。何気にこの3人は仲良し。
「な、なんだ!? またいきなり人が現れたぞ?」
「こいつ等も地下に潜ってた連中じゃないか?」
「先ほど現れた人達といいこの連中といい、どうやって地下から一瞬で地上に上がれるんだよ?」
「例の遺跡が関係してるのかもしれないわ」
少し離れた場所でこちらを窺っていたD班が何やら騒がしい。
「はぁ、はぁ……やっと地上に出た(バタリ)」
「小さい恐竜ウザい……(バタリ)」
「怪我人も多い……(バタリ)」
丁度そのタイミングで脱出確保組もようやく地上に出た。よく見ると最初に出発した時よりも大分人数が多い事から、おそらくその大多数はA・C班の人達だろう。みんな結構ボロボロだ。
「これで後は地下に残っている者達のみですわね」
「確か倒した『きょうりゅう』とかいうドラゴンの素材を回収に回っているそうだが」
「何それ羨ましい!」
「俺も行きたい!」
「私も!」
「おいおい………」
エミリアの報告にD班のメンツはいきり立って地下行きを希望する。どんだけ地下が絶望的な状況だったのか知らない奴らが行こうとしてる状況にイングがツッコむ。
結局の所、地下に潜った者達の約半数以上(主にA・C班)が恐竜の餌食になってしまい、ようやく辿り着いた装置はリオがぶっ壊してしまった(それ以前に故障していた可能性あり)。地下遺跡の装置の研究は断念せざるを得ないが、代わりに頑丈な武器や防具を作れそうな素材を恐竜から(大量に)採取できそうなので、これが唯一の報酬といっていいだろう。これは生き残った者達の権利だ。
しかし、その一方で残念な知らせも入る。
「えっと、そのニケという猫の亜人はすぐには見つけられなかったらしいよ? 一応どこに行ったのかトレースしているから、時間を掛ければいつか見つかるとは思うけど」
エルシオンの透から連絡があったリオがアルケシスのメンバーに言う。
「いつかっていつだよ?」
「分かんない。亜空間はとてつもなく広くて、世界の数も半端なく多いから、遅くても一年は掛かるかもね?」
「一年て………」
「ニケ、可哀想………」
「………遅くてもって言ったけどなるべく早くするように言っとくね」
次元迷子になったニケを不憫に思う一同にリオはなるべく早く見つける様、エルシオンにメールを送った。
すると直後にスマホが震える(バイブモード)。メールの返信かと思ってスマホを操作するとどうやら電話の方だったらしい。相手はヴァンだ。
≪リオ、今どこに居る?≫
「あ、隊長? 今ね────」
リオは地下に潜って次元迷子を保護し(?)、たった今地上に戻ってきた事をヴァンに伝える。
≪って事は今、手は空いてるって事だろ? すまんが今すぐ王都の王城まで来てくれ。ちょっとした緊急事態だ≫
「緊急事態って隊長、そんなにヤバイ状態なの?」
≪ヤバイのは俺じゃなくて現地の人だな。相手連中が王族4人を人質に取って王城に立て籠もってるんでな。しかも人質の首には毎度お馴染みの『カラーボム(爆弾首輪)』付きだ≫
「ええ~~? でもそれだけなら隊長一人でも対処できるんじゃない?」
≪ああ、人質が4人とも相手の面届くところにいて、尚且つその4人ともバラバラに部屋の角隅に居なければな≫
「?? どゆこと?」
ヴァンの言っている意味がいまいちよく分かってないリオ。
≪はぁ、つまりな。人質の王族を一人助けようとしたら起爆スイッチを持ってる奴がそれを押し、他の3人の首が飛ぶ訳だ。同時に助けようにも4人とも距離がありすぎる≫
「じゃあ、起爆スイッチを持ってる敵を倒せばいいじゃん?」
≪それも無理だ。奴等、それも警戒して2つ以上それ(起爆スイッチ)を持ってるからだ。おまけに起爆スイッチはダミーも含めておそらく3つ4つある上に誰が持ってるか分からん≫
「あ~、そっか。一度に全員を倒す事は出来ても隊長は『電気使い』だもんね。下手したら起爆スイッチごと人質もボーン、だね」
手をグーからパーにして爆発を表現するリオ。
≪そういうことだ。……後、『電気使い』ってカッコ悪い言い方すな。≫
「え~だって他に言い方が無いんだもん。『電撃』だと特攻野郎っぽいし、『雷帝』とかだと何か厨二っぽいし………」
≪もう何でもええわ……。ともかくリオ、早めに来てくれ。でないと強行する羽目になるからな≫
ボソボソとヴァンの二つ名を考えるリオに何故か関西弁で呆れるヴァンは早めに来る様に指示を出す。
「分かった。じゃあ転送してもらってすぐ行くね」
≪ああ、頼む≫
「ねえリオ。今の電話は噂の隊長さん?」
電話を切ったリオの元に佐夜が近付く。
「うん。今の電話の相手がヴァン隊長だよ。ちなみに隊長は『電気使い』なんだけど、さやや、なんか良い二つ名って無いかな?」
「う~ん、電気使い………『雷閃』とか?」
「いいね、それ採用!」
リオに何があったのか訪ねた筈なのに、逆に相談される佐夜。パッと閃いたものを適当に答えたのが気に入ったのかご機嫌になるリオ。
「ってそうじゃないよリオ。何か良くない事を聞いたから王都に向かうんだよね?」
「あ、き、聞こえてた? あ、そっか、さややは日本人だっけ。翻訳切っても意味なかったっけ」
実は電話に出る際、他の人に聞かれたらマズイ内容もある為、スマホの翻訳を切ったリオだったが、リオも佐夜も同じ日本人。なので佐夜にはバッチリとは言わないけど、ある程度聞かれていた。
ちなみに佐夜はアイナ(イングの母親)特製の『翻訳リング(ネックレスバージョン)』を身に付けてるからイング達と話せるが、リオの場合スマホの翻訳アプリを随時オンにしてる為、どの世界に行っても誰とも話せる(読み書きは不可)。
「「「お、王族が人質に!?」」」
佐夜に話の内容を少し聞かれたので全部話そうとしたらイング達もこっちにやって来たので一瞬話すのをやめようとしたリオだったが、結局アルケシスとエミリアに全部話したら佐夜とイングとエミリアがハモって言う。
「リオはさっき『隊長なら余裕』って言ってた……」
「けどよ、その隊長さんがお前を助けを呼ぶくらいだ。早くいかないとヤバいんじゃないのか?」
「あ、そうだった。早くいかないと人質の王族の首がボーンしちゃう!」
「その表現方法はどうかと思うけど……」
再び首ボーンの表現を手で行うリオに佐夜が呆れる。
「それよりも人手がいるなら俺達も協力するか?」
「それはありがたい話だけど、正直危険すぎて一緒に連れて行くこと出来ないよ」
相手が重火器を使用しているのが先刻のセウレン帝国戦で確認済みなので、それに対応出来ない魔法使い達には危険極まりない。
「それでも人質になってるのが私の家族なら、私が助けに行くのは当り前の事ですわ!」
「え? 君、王族? 姫?」
「確かに黙っていれば紛れもなく高貴で鎧には王族の紋章まで入ってるけど……」
「残念な性格を知っちゃったらとてもそうは思えないよね~」
今、初めてエミリアが王女だって知ったリオに双子が後付けする。うん、知った今でもとてもエミリアが王女には見えない。
「と、ともかく! 私も一緒に王城まで連れて行きなさい! どうせ先ほどの魔法(転送の事)を使うのでしょう?」
「魔法じゃないけど……ま、いっか。けど他の人達を集めてる暇はないからこのメンツだけで王城へ行くよ! 転送!」
「え、ちょっ、待……!?」
心の準備が出来てなかったタックが待ったを掛けようとしたが時すでに遅し。一同はセルニア王国の王城前に転送された。
あとがき地獄も今回は無しで。
リオ「そ、そんなぁ~~」
うるさい。




