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第10話 ~警戒心を安易に解いた代償~

マロン「う……またささみカレー食べてるの?」

ハーマン「ぬ? 美味いから良いではないが」

マロン「いや流石に飽きるでしょ。一週間も同じのを食べれば」

ハーマン「ではこれはどうだカレースムージー」

マロン「す、スムージー?」


ゴクゴクゴク───


マロン「美味しい!」

ハーマン「ではもう一杯行くか?」

マロン「いや、もういいです……」

作者(どんな物なのだろう?)


「ぅわ、凄いカレー臭ー」←ベレッカ

「誰が年寄り臭いか!?」←椿姫

「加齢じゃなくてカレー、だ!」←清良

「一緒じゃ!」←椿姫

「違うでしょ」←ベレッカ

「そもそも誰もそんな事言ってねぇっ」←重貴

 ベレッカが濃いカレーの匂いに鼻を押さえると、何故か椿姫がキレて来た。イントネーションの違いに気付いて無い様だ。つか初見じゃないだろカレー。


「……にしても何で急に薄めたカレーを散布しているんですかね?」

「あー、何でも別の場所で戦っている奴等がコードイーターの攻略法が分かったって言っててな。で、用意されたのがこの具無し味無し薄味で作られた大量のカレーだ」

「く……っ、カレーの良い匂いしている癖に食べられないとかどんだけ鬼畜なんだっ」

「だな、さっき飯食ったばかりなのにこの匂いが空腹感を誘って来るぜ」

「カレー食べたい……」

「インドカレー以下略」

「(大阪の)スパイスカレー以下ry」

 あらたるなの会話を余所にハルマ小隊の面々が空腹感に苛まれている。一応作戦前に食事は済ませた筈なのだがゼロが調合したスパイスで作った特製カレー液(30倍薄め)の匂いが良すぎてみんなの涎が止まらない。


「それでこの後はどうするのだ? このかれーの霧のお陰で世界食ほしぐいの動きが遅くなりはしたが依然アレに対する有効そうな攻撃手段が無いぞ?」

「それなら大丈夫、だっ」


 ゴトゴトゴトッ


「何だそれ、ロケットランチャー?」

「何、真か!?」

「何で喜んでるのだ椿姫?」

「「「「「う………」」」」」

 何やらサポート先輩組の佐藤がアルゴノートと連絡を取り、単発式ロケットランチャーっぽい銃器が転送で運ばれてきた。

 それを見てロケットランチャーがやけに気に入ったのか椿姫の目が輝き、ハルマ小隊にはちょっとしたトラウマが甦る。


「大丈夫、これはロケランじゃなくただの水鉄砲だ」

「にしちゃデカくないか?」

 一応拳銃タイプの水鉄砲もあるが、ロケランサイズだと明らかにデカすぎる。


「水鉄砲といっても中に入れるのは水じゃないけどな」

「え……まさか?」

 皆の視線が既に用意されているカレー液(30倍薄め)に向けられる。


「ふっふっふ。みんなにはこれからスプ〇トゥーン的な事をやってもらう!」

「やっぱりか!?」

「す、すぷら……?」

「何なんじゃそれは?」

(((((ガタガタガタ………)))))

 流石に戦国時代に電気機器(もといゲーム機)が無い故、ゲーム知識があまり無い戦国娘には何の事なのか分からない。そして何故かス〇ラトゥーンと聞いてガタガタし出したハルマ小隊はどうしたんだろうか?


 と、いう訳で皆でカレー液を水鉄砲に入れて準備完了。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ドォーンドォーン!!


「LLLLLLLLLLLLLLLPA!?」

 物凄いカレー液を撒き散らしながらコードイーターの瘴気、もとい触手がのた打ち回る。正直見ていて気持ち悪い。18禁の触手くらい気持ち悪い。


「……何か、凄くカレー食いたい気分だな」

「そうね。これが終わったら佐夜に作ってもらうわ」

「……そこはお姉ちゃんが作るんじゃないの?」

「私が作ってもいいけど、どうせなら私より美味しいカレーが作れる佐夜のカレーが食べたいわ。ホント、どうやったらあんなに美味しくなるのかな?」

「た、確かにどうやって作ってるんだろうなあいつのカレー?」

「真桜もアルフィーニにいた時、調子乗って5杯おかわりしてお腹壊した事ある」

「うむ、その時は俺もご相伴に預かり、魔王様より多い15杯食って腹壊した」

「それは調子乗り過ぎたな。つか15杯て」

「おかわりする気持ちは凄く分かるけどね」

「また佐夜の食いたいな」←ベリアル

「その言い方だと佐夜を食べるみたいに聞こえなくもないぞ?」

「そうか? それはそれで良し!」

「「「いや良くないから!?」」」

 スプ〇トゥーン宜しく、ロケラン型の水鉄砲をドッカンドッカン撃ちまくる正義達3人(+ベリアル)は周りに立ち籠るカレーの匂いで空腹感に襲われる。


「シャルル少将、凄い匂いですね。空腹感が物凄い」

「「「「腹へった……」」」」

「ええ、先ほど食事を頂いたのにもうお腹が空きました……」

 可愛らしくお腹を押さえるシャルルを見てゼリア軍達が萌えて顔が破綻する。

 どんな顔だ?


「ゼロ、どうやら効果は覿面てきめんみたいですね」

「マスター、陽菜お腹空きました! お揚げかお稲荷さん食べていい?」

「……陽菜ちゃん、そこはカレーじゃないの?」

「じゃあ、稲荷カレー!」

「……何か実際どこかにありそうな名前だな?」

 検索の結果、8個のお稲荷の上にカレーをぶっかけたお店があるようです。多分くら〇司にあるシャリカレーの様なものかと。


「さぁお前達、時間的猶予はそんなに無いんだ。さっさと削りまくって本体を引き摺り出すぞ」

「「「「「「サー、イエッサー!!」」」」」」

「敬礼はしなくていい!」

 習慣なのか、上司っぽい人に命令されるとつい敬礼してしまうゼリア軍。余程その軍は厳しいんだろうな。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「う~ん。香ばしすぎるカレーの香り」←佐夜

「もはやカレーの世界といっても過言ではないですねぇ」←ティーナ

「インドの国の人達もビックリだよ」←リオ

「是非私の国でもカレーを広げてみたいデス」←ロッテ

「現実逃避もほどほどにな」←ルルセナ

 一方こちらも辺り一面全てがカレー臭に包まれた世界で皆(=_=)←こういう顔でまったりしていた。だって凄くカレー臭いんだもん!


「……結構奴等の触手、というか瘴気の縮小をしたけど後どのくらい縮めればいいんだ?」

「そろそろじゃね? ほれ、うっすらと向こうに清良達がいるだろ」

「ホントだ。椿姫と詩織の恰好が和服だからかすげぇ目立つな」

「いや、拙者らも人の事は言えぬでござろう覚助」

 戦国(室町)時代とまではいかないが、明治幕府時代も結構和服の度合いが高いので覚助と御剣の衣装も和のテイストが入っていて結構目立つ。


「HHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJKKKK!!!?」

「ぅわ、スペルが酷過ぎて何言ってるか分かんない」

「DI●も真っ青だ!?」

「そこ黒くしたら誰の事言ってるか分からんだろ」

「だって普通に『(まる)』にしたら『()』と見分け付かないじゃん」

「伏字にツッコんでないでやる事やって下さい。もう少しで中心に着きそうですよ」

 リオが馬鹿な事を言ってる間にコードイーターの瘴気はますます縮小していき、直径約200m位にまで小さくなり、もう他の班の人達の確認が出来るくらい近付いた。


「……お? おい、アレ見てみろ!」

「っ、ようやく出て来たか。随分中心の方に持って行かれたんだなアニカ」

「中…心………?」

 そして150mを切った所でようやくもう一つの目標であるアニカを視力の良い覚助が見つけマックがヤレヤレと安堵する。だがアニカが倒れている位置がやや中心に近い事から健太は何か嫌な予感を感じていた。


 とはいってももう既にコードイーターの瘴気は直径100mを切り、これならアニカを回収する事も可能だろう。一応もう少し削りつつ佐夜達と新はアニカに近付く。


「? どうしたケンタ、やけに浮かない顔だな?」

「どうしたんデスか?」

「ちょっと気になってな……」

 順調に瘴気を削る一行を余所に浮かない顔をしている健太にマックとロッテが話しかける。


「気になる? 何でだ、作業は順調に進んでるじゃないか」

「順調……」


 ……………(思考中)。

 ………(深考中)。

 …(まとめ中)。


「……っ、そうか、順調(・・)過ぎるんだ!」

「「!?」」

 くわっと目を見開き、とある結論を出した健太はマック達に構わずロケランを捨て、急いで佐夜達の元へ走る。


 実は健太は作戦前から自身のスキル『超危険回避スキル』が警告していたのだが、今までは直前になるまで警告・自動発動はしなかったのだが今回は何故か警告から時間が経っているのにまだ警告中を発している。

 これはマック達の世界でのラスボス戦で1回ロッテを助ける時にも起きた事象で恐らく今回も自分ではなく誰かの危機を指しているんだと思った。

 そしてマックの発した『順調』というセリフで気付いた。


 カレーを散布してからコードイーターからの反撃・撤退行動が一切無い(・・・・)、という事に。


 何故? 何故反撃しない?


 確かにカレーは凄く効いているのだと思うが、それにしても反撃や撤退行動が無く、大人しくやられ続けるというのはおかしい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「アニカ、アニカ。しっかりしてっ」

「ん~……元々アンデッドだからか脈が無いので生死が分かりません」

 超危機回避スキル発動の健太を余所に佐夜と新はアニカを抱き起こし目を覚まさせようとする。


「ぅ……」

「あ、アニカっ」

「全く、お寝坊さんですね」

 そして目を覚ますアニカに佐夜と新は安堵の表情をする。


「佐夜……新?」

「そうだよアニカ。大丈夫?」

「目立った怪我は無いようですね」

 薄目で目の前にいる佐夜と新を確認するアニカの状態を心配する。


「ふ、ふわぁぁぁ~~~~~~」

「あはは、大きな欠伸」

「寝すぎですよ」

 そして大きく欠伸(・・・・・)するアニカに佐夜と新はすっかり警戒心を解いてしまっていた。


「ぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああっ!!!」

「「………え?」」

 そしてアニカの異変に気付く頃には時既に遅く、アニカは化け物の様に人の限界を超えた大きな口を開き2人を食べようとする。

 そこでようやく他の者もアニカの異変に気付くが初動がどうしても遅くなってしまい間に合わない。


 ───先に気付いた健太以外は。


「『一瞬加速(ギ・ヘイスト)』!! 間に合えっ!」


 ドンッ!


「「───え?」」


 ガブッ!!


「がはぁっ!?」

 アニカが2人をマミるその一瞬の間に健太の自分で会得した自慢のスキルが発動し、何とか2人を突き飛ばす事に成功した。

 だが、その代償は大きく、健太は胸から下の身体をマミられてしまった。


「け、健太……?」

「ちっ、一旦引きますよ!」

 と、ここでようやくショックから抜け出した新が佐夜を引っ張ってその場から引く。


「ま、間に……て、よ……t────」←絶命健太


「「「「「「っ!?」」」」」」←息を飲む一同


「け、ケンタ? ケンタ────ッ!?」←マック


 そしてマミられた健太は当然、死亡した。



マロン「あー、1人死んじゃったのね」

ハーマン「だがすぐに生き返るだろう?」

マロン「いやネタバレしないでよ!?」


作者「知っている人は知ってるでしょうに……」


ではまた。

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