第28話 ~芝崎新の事情・中~
今回で新の話を終わらせようとしましたがまだ続きそうなので3部に分けました。
前回のあらすじ。
「お腹空いたー(がぶっ)」
「ぎゃあああっ!? 生きてる。僕生きてますから!」
「あ、ふぉんふぉふぁ」
あらすじ云々言う前にドタバタしたのでカット。知りたい方はお手数を掛けますが前話をご覧ください。
という訳で芝崎新の過去話の続きをどうぞ。
「……誰に言ってるの?」←リオ
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同級生達と共に勇者召喚された筈なのに1人だけ勇者じゃなかった上に異能も無く、ステータスもただの一般人と判定された芝崎新は最終的に同級生達の嫌がらせに逢って王女暴漢の冤罪を掛けられ、死の谷と呼ばれているゲノム大谷峡に突き落とされるといった処刑をされて谷底に落ちていった。
けど運良く(?)気に引っかかって一命を取り留めた新だったが更なる災難が次々と新たに襲い掛かる。
大狼の群れに通りすがりの大きなバジリスク、一つ目のトカゲや地球でも危険なヒアリ(っぽい蟻)、当然物理が通らないリッチーなどの幽霊(亡霊)や金属人形、その他大型の哺乳類やら爬虫類やら普通の生き物ではありえない猛毒持ちの魔物(毒兎など)が次々に新に襲い掛かる。
特に空中遊泳する鮭(勿論かなり大きい)に遭遇した時は思わず吹いた。
で、通常ならあっさり死ぬか、他の小説にあるように死に物狂いで抵抗した結果超強くなるとかそんな展開が予想されるがそんな展開は全く無く、戦闘力が一般人に毛が生えた程度のステータスを持つ新では全力で逃げるのが精いっぱいだった。
「も……もう駄目………疲れて……お腹減って…死ぬ………」
ここに落とされてもう既に2日が経ち、空腹や疲労で新の体力はもう限界を迎える。心なしか心臓と膝がもうプルプルしていて非常に危険な状態だ。
グルルルルルルr──────
「……っ、ここまで……か…な………」
そして肉体の限界を迎えた新の前に先日バジリスクに蹴散らされた大狼の群れに再び遭遇し、もう抵抗も逃走する体力も無い新は諦めるかのように膝から崩れ落ちた。
ガァッ!!×10匹以上
こうして芝崎新の人生は『喰われEND』で幕を閉じた。
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「──いやまだ死んでませんから! 僕生きてますし! 腕に噛み付こうとするのは止めてください!?」
「うー?」
話の流れから新が死んでると思ったアニカが新の腕に噛み付く。一応甘噛みだけど相手が相手なだけに冗談かどうかが分からない。
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『喰われEND』は冗談にしておき、この物語はここで終わらなかった。
ガァッ!!×10匹以上
「あぁ……\(^o^)/」
と、せめてあまり痛みの無い様に殺してくれと新は数十匹以上の大狼の群れに飛び掛かられた。
で、まぁ、ここでENDってもいいのだが、ここは異世界小説特有のご都合主義的展開がここでようやく新に訪れる。
といっても誰かが助けに来てくれるわけじゃなく────
ボコォッ─────
「「「「「「ガゥ?」」」」」」
「ゑ?」
なんと襲われた場所の真下が丁度空洞になっていて、大狼の群れの重さで地面が崩れた。その際、大狼達はスキルを使って落下を阻止したが、スキルも魔法も無くステータスすら低く、体力すら限界の新には当然なすすべも無く、大谷峡の更に下の地下空洞へと落ちていく。
先ほども言ったが、体力の限界な新がこんな所に落ちれば落下ダメージで『即死END』は避けられない。
落下の重力で気を失いつつある新は「このまま死ねば痛みを感じずに死ねる……」と落下中に気を失った。このまま死ねれば少なくともさっきの『喰われEND』よりはいくらかマシだからである。
しかし、しつこい様だが先ほども言った様にここでようやく新にも異世界特有イベントが発生しているので簡単には死ななかった。
というのもこの地下空洞、急勾配の坂になっていて新は垂直落下せずに坂に当たり、落下ダメージはあるものの、即死する程じゃなくゴロゴロと下り坂を転がっていく。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・(むしゃむしゃ)。←アニカがフライドチキン宜しくムシャムシャ
……何か咀嚼している音が聞こえたけど気にせず話を続けよぅ。
「……ぅ…こ、ここは………」
瀕死ではあるが何とかHPが残って生きてた新が目を覚ますとそこはいつかTVで見た世界遺産級の鍾乳洞っぽい所だった。地上から光が届かない筈なのに妙に明るく照らすその光景はすっかり心が折れていた新でも言葉に出来ない位美しい光景だった。一体どうやって出来たのか、百枚皿どころか千枚皿くらいある窪みの中からも淡い光が出ている。
その光景に思わず異世界に召喚されてから肌身出さず持っていたスマホで写真を取ろうとしたが、いつの間にか壊れていたスマホを見て舌打ちした。
最早持つ意味も無くなったスマホを投げ捨てた所ですっかり忘れていた落下ダメージの痛みが新を襲い、悶える。よく見ると頭部以外何ヵ所かヒビや骨折しているがそんなのここには新しかいないので『超痛い』という事しか分からない。
そこで新はどこかの小説で見た『ありふれた○○~~~』の片腕失った少年の様に鍾乳洞の百枚皿に溜まっている水で手を洗い、違う窪みに溜まっている水を飲んでみた。
・・・・・・・・・。
「うぉおおおぇっ!!?」
ダメだった。
※:お食事中の皆さま。ごめんなさい。
流石に神水とまでは言わないが、せめて普通の水であって欲しかった新の希望は打ち砕かれ、そのあまりの不味さに新は負わなくていい胃へのダメージを負いつつ飲んだ水を吐き出した。
※:いくら鍾乳洞内の水が無色透明な水だからって飲み水とは限りません。
※:その上現在、この世界の地下水は地上で死んだ生物&魔物などの血や排泄物などが地下に流れ込んでいる為、飲むのは超危険です。
幸い新は少量しか飲んでいない為、何とか手足の痙攣だけで済みました(無事じゃないじゃん! byアニカ)
とはいえ、流石にここにある百枚皿に溜まっている全ての水が飲めないとは信じたくなかった新は百枚皿の一番下の方の皿に溜まっている水に目を向けた。
「さっきは上の方で吐いたからこれで駄目ならもう干乾びて死ぬしかない……」
と、恐らく折れているであろう痛む手で水を掬い、恐る恐る口に含んだ。
その結果、何とか飲める水だと分かり、これまで何も口にしなかったので新は顔ごとその窪みに突っ込み、吸い込む様に飲める水を腹に入れた。
あ、ちなみに飲める水ではあるが、神水やその他のレア水の様な回復を期待させるような成分は全く無い。ただの水だ。美味しくないが贅沢は言わない。
「ふ……。最後の最後に良い物が見れた………あの連中への復讐は正直無理だけどこれが見れただけでも異世界に来た甲斐はあったかな………」
ちょっと余裕が出来、そこでようやく自分の状況を思い出し、どうみても詰んだ事を悟った新は壁に背を付けて座り込み最後の時を待つ。
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
つんつん。
「んぁ?」
すると数時間後、いつの間にか寝ていた新の肩を誰かが突いている。
恐らく先ほどの大穴から何かの魔物が飛んで降りてきたのだろう。そして自分を見つけたので食べようと腐っている=死んでいるのを確認しているに違いない。
「……どうせ食べるのから一思いに頭から喰ってくれよ」
と、新は自分を食べようとしている(?)奴を確認しようと目を開ける。恐らくこれが正真正銘最後の光景となる事を確信し────
「ハァァイ!」
目を開けるとそこには骨が、いた。目が合うと元気に挨拶してくる。
「─────」
相手が挨拶してきたのに対し、新は予想外の奴に言葉が出ない。
「? ドウシマシタ? コトバガツウジナイノデスカ?」
「─────ぎゃ」
「ギャ?」
固まった新に骨は丁寧な言葉を投げかけると、
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「ヌゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
まさかここでアンデッドのスケルトンを見る事になるなんて思いもしなかった新は予想外の客(?)に超絶驚いて、相手のスケルトンも新の叫びにビックリした。
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「流石に骨は食べられないよ~」
「何で食べようとしてるんですか!?」
過去話に出て来たスケルトンと聞いてアニカはこんな顔になった⇒(´_ゝ`)
新の元に来たスケルトンの目的とは?
次回29日はお休みで8月4日更新予定です(早ければその時更新)。
ではまた。




