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第24話 ~寝ている者に迂闊に近付くのは危険(by 東島)~

サッカー日本代表が逆転負けて………

リアルタイムで見ていて言い訳ではないですが、その後不貞寝してたらもう夜になってるし!?

急いで書き上げました。


「なるほど、それで真桜はその子を拘束して連れてきちゃった訳ね」

「まぁね。お爺さんを思いっきり外界にふっ飛ばしちゃったけど不死者って言っていたから死んではいないだろうけど、戻って来た時何するか分かんないからねー。そのままこの子を残すのも向こうに残っている皆には懸念する材料だったからいっその事連れてきちゃった♪」

「………(むすっ)」

「はぁ~~~(溜息)」

 降参したメイファを拘束してアルゴノートに戻ってきた真桜はOPチーフの【茨木透】に面会していた。勿論メイファも連れて。

 ちなみに今は透と真桜、メイファ以外誰もここにはいない。万が一メイファが暴れて巻き込まれた場合、一回死んだ者がもう一度死に、完全な死亡となるからだ(神玉を持っている場合は別)。故にメイファと同じ不死者の透が面会している。


「一応聞いておくけどメイファさん、でしたっけ? 負けて降参したからにはこちらに害をもたらさない事を約束してもらえますか?」

「んー、そっちが攻撃してこなければ何もしないよ。………多分」

「多分て………」

 何ではっきり断言しない?


「あ、いた! 冥々(メイメイ)、せーせーどーどー勝負だ!」

「ちょ、ちょっとリオさん、また殺されたいんですか!?」

「え、えぇ!? 何でアンタ自分で頭撃ったのに生きてるの!?」

「………はぁ……」

 すると今度は十数分前に死に戻り(エスケープ)で戻ってきたリオとシャルルが応接間に雪崩れ込んで来て先ほど殺されかけたのにメイファに喧嘩売っている。


「……色々とツッコミたい気持ちはありますが、喧嘩したいのならトレーニングルームでやってください。死なない程度に暴れるのなら問題ないでしょう」

「死なない程度って、メイファさんが攻撃したら軽めでも1KILL死しますって!」

「なら喧嘩なんかしてないで友好的な接触をしなさいな。そもそも何でそんなにリオはこの子に敵対心湧いているの?」

 いつもなら戦わないで済むのならそっちを選ぶ方のリオがこんなにも憤っているのは珍しい。


「だって、戦闘になったのにも関わらず何も出来ずに自害する羽目になっちゃったんだよ? 流石にこれじゃあ納得できないし隊長に顔向け出来ないっ」

「何も出来なくて納得できない気持ちは分からなくもないですが……隊長への顔向けなど別に気にしなくてもいいのでは?」

「気にするの! とにかく冥々(メイメイ)、しょーぶだっ」

「えっと……いいの? これって危害になるんじゃ?」

「……本人が望んでいるのですから戦ってあげては? まぁ、殺さない程度にお願いします」

「ならいっか。んじゃ、代わりにあの魔王っぽい子もメイファと戦わせて。メイファ、あの子に手も足も出なかったから」

「分かった。呼んでくる!」

「ちょ、ちょっとリオさん!?」

 ピュー、と効果音が聞こえそうな勢いでリオは真桜を呼びに行き、シャルルが慌てて追いかける。


「再三言うようですが、殺さない様お願いしますね。勿論真桜さんにも言いますので」

「おK。今まで修業とかあまりした事無いけど楽しみ♪」

「……何で最近の子はこう好戦的なんでしょうかね?」

 メイファも応接間から出て行き、透が一人溜息を付いた。


「……あ、そういえばリオさん達と別れた東島さんと寝郎君は大丈夫でしょうか?」

 と、気分を入れ直して透はブリッジへ向かった。


 その後、トレーニングルームからリオ達とメイファの悲鳴が聞こえてきて偶々横の廊下を通りかかったいずみが「ふぁっ!?」とビクッてなった。何があったのかは知らないが恐らくリオ&シャルル<メイファ<真桜の順で真桜無双が繰り広げられたのだろう。

 真桜を除いた3人がトレーニングルームから出て来た時には満身創痍、ヘロヘロの千鳥足になっていて仲良く肩を貸しながら歩く姿を見たロッテは「良かった、仲良しになったのデスね」と勝手に勘違いしていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そして一方、東島と寝郎はというと、


 ジュガァァァァァァァ────


「くぅ……っ」

「ZZZzzz」

 とある紳士服を着た中年男性から猛烈な攻撃を受けていた。厳密に言うと重力魔法に氷と砂を混ぜ込んだ非常に対処に困る物で東島は一番危険な氷のみディスペルで溶かし、重力魔法で一粒一粒の攻撃力が増した砂の雨を必死で耐える。

 ちなみに寝郎は血を流し、うつ伏せで倒れている。一見傍から見れば死んでいる、または重症っぽく思えるが、上記の台詞を見れば分かる通り寝ているだけ。流れている血は単純にまだ怪我を認識していないだけである。ある意味大物だ。


「ほれ、どうしたこのまま防戦一方か?」

「っるっせぇな、今考えてんだよ。退屈ならもう少し手加減しやがれっ」

「無理だ。これが精いっぱいの手加減なのでな。このままではジリ貧で死ぬぞ?」

「くそっ、とりあえず強行突破だ!」

 砂嵐を突っ切って東島は死地を脱する。ちなみに寝郎は倒れている(?)からなのか攻撃されておらず今の所見逃されている。万が一寝ているだけだとバレたらツッコミという名の攻撃を喰らわされるだろう。なんてやつだ。


 そもそも何でいきなり戦闘(?)になっているのかというと、事は十数分前に遡る。


 東島達がリオ達と手分けしてアニカを探しているのは周知だとは思うが、リオ達がメイファに間違って遭遇している最中、東島達も変な紳士に絡まれてこの地に産まれたアンデッド(アニカの事)について尋ねられた。その際、こちらもアニカを捜索していると分かった途端攻撃してきたのだ。

 といっても本気の攻撃ではなく思いっきり手加減の威嚇攻撃に過ぎないのだが、それでも十分に致死的な攻撃力だ。


 ここでお気付きな方もいるだろうがこの紳士はメイファの父親で【ベジター・R=グリーム】。見た目、性格とアンデッドとしてはかなり善良っぽい雰囲気なのだがここはやはりアンデッド。

 ベジターにはある嗜好がある。

 それはかなりの『男の娘』好きだという事。それも色んな意味で。

 一応その力説(?)的なものを語るベジターに東島はこう思った。「リオ達がこっち来なくて良かったぜ……」と。


 もしこっちに来ていたら喰われていただろう。色んな意味で。


「……にしてもあいつホント起きねぇな」

 物陰に隠れながら見る視線の先には倒れながら寝ている寝郎の姿。


「……まさかとは思うが『深睡』状態じゃないよな?」

 ここに来て東島は何かに気付く。全然起きないという事は単に怪我で気絶しているのか、もしくは深い眠りに着く『深睡』なのか、と。

 怪我で気絶しているのならばまぁ分かる。だが寝郎の場合、『深睡』状態になると厄介な事になる。


「………ふむ、隠れたか。ならこの隙にあの者を頂くとしよう(色んな意味で)」

 するとベジターは東島から寝郎に狙いを変える。勿論意味は違う。東島を狙った時は単に威嚇に過ぎないのだが、寝郎の場合、佐夜やリオ程ではないがこれまた中性的な顔立ちをしている。モコモコヘアに身体付きも細身なので女装が似合いそうだ。なのでベジターとしては好みの範疇である。


「あ、おい。迂闊にそいつに近付くな!」

「? 何を言っているのか知らぬが、今更出て来てももう遅い」

 と、寝郎の状態に気付いた東島がベジターに忠告するがベジターはその忠告を無視し、寝郎の首根っこを掴み抱き上げる。


 ────その瞬間、


 ドグシャッ!!


「ぐべぇっ!?」

 寝ている寝郎の猛烈な裏拳がベジターの鼻に当たりベジターは軽く吹っ飛ぶ。


「あー、やっぱりかよ」

 その状態になっていると確信した東島は再び物陰に隠れる。


 何故なら寝郎がこの状態に入っている時点でもう勝敗は決まった様なものだからだ。


「な……、こ奴、寝てるのではないのか!?」

 潰れた鼻を直し、寝郎を睨む。


 ここで何でいつも常に寝ている寝郎が前戦に駆り出されているのかというと、東島が先ほど言った『深睡』状態が関係する。


 この世に生きる全ての生き物にほぼほぼ共通するが人間の場合、通常時に全力を出しても精々7~8割程度の力しか出せないらしい。それは単に全力で攻撃すると自己破壊に繋がる為か、脳が自動的に全力を出せない様抑えているのだ。

 それは東島やヴァン達も同様で誰も全力全開で攻撃する事は出来ない。


 だが寝ている最中はその機能が発動しない。

 その上寝郎は寝癖が悪く『深睡』状態に入ると、寝ている状態でとある行動に移る。

 それは、


「……寝ている、のか?」

 ベジターが警戒しながらも寝郎を観察する。

 何故なら寝郎は立ったままフラついているからだ。勿論これは寝ています。


「先ほど何をされたのか分からぬが、遠距離攻撃ならどうよ?」

 と、今度は炎と氷を両手で発動させて寝郎に発射する。


 が、

「ZZZzzz……」

「な……っ」

 当たる瞬間、ありえない動きで魔法を避ける寝郎。その変な動きを見てベジターが驚愕する。


「これは酔拳………いや睡拳というべきか?」

 動きがまるで酔拳な寝郎にベジターは距離を取る。


「ZZZzzz……」

「なぁっ!?」

 だがその反対に急に距離を詰めて来る寝郎にベジターは防御が間に合わない。


「………奥義、『閃々(せんせん)壊乱(かいらん)』………」

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!」

 そしてそのまま目にも止まらない速さで寝郎がベジターを滅多打ちにし、更に魔法を使う回路やその他攻撃に至る色んな物を打撃で破壊し、ベジターは反撃どころか防御や強化すら出来ず。地に沈んだ。



「………だろうな。迂闊に表出なくて良かったぜ」

 物陰からその様子を見ていた東島が溜息を付いた。


 というのも寝郎が『深睡』に入ると、寝郎に攻撃や殺意、敵意を向けると猛烈な反撃を喰らうので、常に「寝るな!」とツッコんでいる東島も迂闊には近付けないのだ。




「………ふぁ? ここはどこ? 僕は誰ぇ?」

「いやそのセリフはおかしいだろ!」

 『深睡』から上がってきて目が覚める寝郎の寝言に東島の定番ツッコミが炸裂した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「……いざとなったらゼクターさんに応援を寄こそうかと思いましたが心配いりませんでしたね」

 その様子をブリッジで見ていた透は安堵して後輩にモニターを切らし、ブリッジを後にした。


「にゃあああああああああああああああ~~~~!?」

「らめぇえええええええええええええええ~~~!?」

「………またやってるのですか」

 先ほど戦い終わったと思ったのにまた戦っているのかトレーニングルームからはリオとシャルルの悲鳴が木霊した。


次回、ようやく佐夜が登場します。

主人公なのにあまり出ないとか……。

ではまた。

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