第21話 ~将軍様はソロプレイしか出来ない為迷惑を掛けまくる~
まだ左手が治っていない為、今回はキリの良い所で止めました。
なので短いです。
「ぬおおおぉぉぉぉおおおおお!?」
「ふじこぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「それ表現違うぅぅぅぅぅっ!」
西の国に続く道からから東に少し戻って南西の方向にある大森林【ザックリン36】から送られてきたハルマ小隊からの救難信号を元に一行はこの森にやって来たのだが如何せん、この森の魔物は異常に硬く、尚且つすばしっこいので中々攻撃が当たらず、魔物を斬るのを楽しみにしていた椿姫ですら戦略的撤退を余儀無くされ、一行は一旦森の外に向かって全力疾走している。
ちなみに叫びながら走っているのは正義と征也と半蔵だ。
ドドドドドドドド───────
「アイェェェェエエエエエエエエエッ!」
その背後から大量のクマっぽいゴーレムが変な叫び声と共に追いかけて来ており、
ドグシャッ!
「ピギャッ!?」
「何でその鳴き声なんだよ!?」
たまたま通り掛かった何の罪も無いゴブリンを踏み潰す。
「キエエエェェェェェエエエッ!」
「ルパァンッ!?」
「今度は剣道っぽい(叫び声)!?」
違うベアゴーレムが剣道っぽい叫び声を上げながらまたもや何の罪の無いコボルドを爪で薙ぎ払う。何かコボルドがとある義賊の名前っぽい悲鳴を上げていた気もするが今はそれどころじゃない。
逃走する一行の背後にはベアゴーレムの他にメタルオークや砂猪、超巨大蜂が大挙として追いかけて来ている。
何でこんなにいっぱいの魔物に追いかけられているのかというと事の発端はやはりこの女、足利義輝こと椿姫さんだ。
「ひゃっはぁー!」
やや戦闘狂の気があるのにも関わらずここ最近まともに戦えず不完全燃焼気味だった椿姫は森が見えた途端、半蔵の静止も聞かず真っ先に入って行き、奥まで行ってしまう。
で、こういうのは奥に行けば行くほど敵も強くなるのは当然で、途中の雑魚を撫で斬りにしつつ椿姫は勝手に森の奥に着き進む。
そこにいたのは例のベアゴーレムの集団。椿姫は一応岩で出来た魔物、ゴーレムの事はイニシエにいた時戦った事があるので知ってはいるが、その時のゴーレムの動きが遅かった事が頭に浮かび、敵の動作を確認しないまま突貫する。
その結果、意外に素早く、おまけに固いベアゴーレムさんに傷一つ付けられないまま敗走する事に。ちなみに諸説あるが、太刀などの日本刀は基本生物を斬る為に作られている為、鉄や岩などを斬ったら刃こぼれします。
ベアゴーレムに追いかけられている間にも一応急接近した敵に対し、無理矢理気を纏った刃こぼれした太刀で薙ぎ払ったり、御家流を使った必殺技でヒットアンドウェイ対応していたのだがその後、逃げた先でメタルオークや砂猪、そしてテラビーに遭遇し、最終的に逃げた先で皆と合流したが、敵の数が多すぎるのでみんなで逃走。入って来た森の入り口まで戻る事に。
「複合召喚『テ・ライファ・ワンビュー・ルナ(月の影から覗く者よりの奇襲)』!!」
カッ────────
そして皆が森を抜けた後に待ち構えていたユフィが物理・神霊の複合召喚を発動させ森の入り口周辺が真っ白に染まり、
「「「「「アイェェェェエエエエエエエエエッ!?」」」」」
「「「「「ブルアアアアアアアアァァァァァッ!?」」」」」
「「「「「「~~~~~~ッ!?」」」」」」
地面から突き上がって来た黒い槍によって追って来ていた敵の約8割が串刺しに逢い、そのまま突き刺さったまま消滅する。
「~~~~っ、おいお前、何で勝手に森に入った?」
「………すまぬ」
憤りを抑えながらも半蔵が冷たい声で椿姫に尋ね、椿姫も流石にこれで2度目なので反省する。
「すまぬ、じゃ済まされないだろ。分かってるのか? 後少し撤退が遅ければ死者が出る所だったんだぞ!」
「だからすまぬと言っておるっ」
「それが謝る人の態度か!」
「っ、~~~~~~っ」
だが反省しているとはいえ椿姫のその素っ気ない態度にキレた半蔵が椿姫に近寄り怒鳴る。よく見れば半蔵だけでなく皆も椿姫に対してあまり良くない感情を抱いているのが良く分かる。なんせこれが2度目だからだ。
半蔵やみんなが怒るのも無理はないが椿姫こと足利義輝は戦国時代より清良や信長(詩織の事)に出合うまで松永軍相手にずっと一人で戦ってきたのだ。
故に椿姫はソロプレイが得意な反面協力プレイが苦手なのだ。学園時での戦いにおいては殺されないので手加減&渋々協力という形で戦っていたのだが、外界では常に気を抜くと死を招く。
故に椿姫は元々のソロプレイになってしまっていたのだがそれが今回、2回も災いを起こし皆に迷惑を掛けてしまっている。しかも今回は協会だけでなく機関にまで迷惑を掛けてしまっているものだから誰もフォロー出来ない。
「このままじゃまたこちらに迷惑が掛かるのでしばらく拘束させてもらうぞ『影界』」
「っ、何じゃこれは!?」
拘束というセリフに椿姫はそれを避けようとしたが避けた先でそれに捕まり身体が拘束される。
「それはお前を拘束する物であり、同時にお前の身を護るものだ。ハルマ小隊を救出してくるまで大人しくそこで待機していろ」
「な、おいこらお主等待たぬか!」
暴れる椿姫を余所に一行はユフィを監視に付けて森の中に入って行った。
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半蔵達が森に入って10分後─────
「うわぁ、やっぱりこうなってるかー」
「概ね予想通りだな」
森の入り口で拘束されている椿姫とそれを監視しているユフィの元に清良と詩織がやって来た。
「ぬ? 何故主等がここに?」
「私がティーナちゃんに連絡して呼んだのですよ」
10分間ずっと結界内でもがいていた椿姫だったが2人の姿を見て動きを止めた。
「私が見た限り椿姫さんはえっと、ボタン………でしたでしょうか?」
「猪の事だな」
昔の渾名みたいなもので牡丹=猪=猪突猛進、と言いたいらしい。
「ああっ、それですそれです。猪侍さんなので普通の方では手綱を握る事は難しいと思いましたのでここは椿姫さんと所縁の強い御2人方をお呼びしたのです。他の方との連携が難しても貴方方とならきっと良い結果になるとゼクターさんも仰ってました。と、いう事で『ディスペル』」
「ぬぉ?」
あれだけもがいても全然解けなかった結界があっさり解け、思わずこけそうになる。
「森林の外への警戒は私に任せて貴方達は半蔵さん達の後を追ってください」
「え、いや、だがしかし……」
森に入っていいよと言われるが椿姫には先ほど怒っていた半蔵の顔が浮かぶ。また勝手な事をして怒られれば今度こそ何されるか分からない。なんせ協会と機関は今でこそ協力関係にはあるが場合によっては敵対する事もあるらしいからだ。
「大丈夫だ椿姫。その為に我々が来たんだからな」
「ぬぁっ、俺の台詞盗られた!?」
イケメンっぽいセリフを信長こと詩織に取られて雑魚化してしまう清良。
「さぁ、行こうではないか。未知なる物の怪を屠りに!」
「おう!」
「また盗られたー!」
「あらあら♪」
まるでコントをしている光景にユフィはただただ微笑むだけであった。
※:左手がまだ完治していないので今日はこの辺で。
そろそろ治ってもいい頃かと思うので次回までは遅くなるかと思います。
治る次々回以降にようやく執筆スピードも戻ると思うのでご了承ください。
ではまた。




