第20話 ~誰がどこ行く?~
前回に引き続き左手が骨折中………
右手も何回か攣りました。
超痛い………
「じゃあまず誰がどの任務に就くかだが───」
どこから出したのかゼロがホワイトボードに3つのクエスト(?)を書く。
・アルゴノートから脱走したアニカの捜索。
・西の国で起きている東西の皇子達の不毛なる佐夜の取り合い(笑)
・機関に保護されているハルマ小隊の受け取りと救難信号が発している場所への急行。
そしてこれに加え3つの既存のクエストも書く。
・異界人(召喚勇者&次元迷子)の保護&送還。
・アンヴェにおける深刻な水不足の原因による食中毒の改善。及び中央平原の地下水を巡っての戦争の遅延(任務が終わるまで遅らせる)。ちなみに戦争自体は止めないしそんなのは現地の人達で解決すればいい。
・行方不明の管理人の捜索(恐らく誰かに監禁されているだろう)
「──こんな所か。早速だが佐夜、お前にはこの阿呆皇子達の取り合いを止めに行け。何なら殴ってでも止めろ」
「うぇええ……何で俺が………」
「何でも何もこの騒動はお前が起因になってるからだろうに。他の者が止めに行ってもこのアホみたいな喧嘩、止まると思うか?」
「そ、そこはほら、さっき言ってた殴ってでもってやつで……」
「千人対千人の戦いを止めに行けと? まぁ、俺やゼクターが行けば確実に止められるだろう。止めると言うより殺す方が楽だからそれでいいなら行くぞ?」
「あわわわわっ、止めるならちゃんと止めろよ!?」
まさか上司から『殺す』発言が出てきた事にビックリ。
「わざわざ戦う必要の無いものを止めるのに労力割くほど俺等は暇じゃない。だから手っ取り早く殲滅した方が早いのさ」
「それが世界を管理する者がやる事か!?」
「だからお前が行けと言ってるんだろうが! そうすれば余計な血は流れなくて済むし向こうもお前なら手出ししてこないだろう。なんせ戦いに赴いた連中は全ていお前に惚れ込んでいる様だしな。男女問わず」
「はぁ!?」
皇子達はともかく何でその部下や兵達までもが佐夜に好意を寄せているのか佐夜本人は全くもって知らない故超ビックリ。
で、当然納得がいかないそうなので外界のアルゴノートから撮った地上の映像を皆で見る。
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『皆の者よ! これより西の国に軟禁されているであろう慈愛の女神である我がよm──サヤを取り返しに向かおうぞ!』
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!
うっかり嫁と言いそうになったセロファンが無理矢理言い直して兵達の士気を上げる。ちなみにこの兵達は以前食中毒になっていた所を佐夜に助けて貰った者達だ。一応その現場には優李とか詩紗とかもいたが美人度の高い佐夜の方に皆の視線が集中していた為忘れ去られている。これを見れば現場にいた優李達は涙目ものだろう。
『吐血や血便が出てもうダメかと思った時救ってくれたあの方の為なら死ねる!』
『俺もだー! 出来る事なら名前で呼んでもらいたい!』
『な、貴様抜け駆けか!?』
『カレーの恩を返しに来たよー!』
『カレーサイキョー!』
『も、もう一度その姿を見た…ぃ……ふじこ』
『死ぬな死ぬな』
セロファンの集めた者達の佐夜に対する謎の好意がそこにはあったが、別の意味で暴動が起きそうな予感がするのは気のせいだろうか?
当然西の国のケイズ皇子も『東の奴等がサヤを奪いに来た』という名目で兵を集め佐夜がどれだけ女神なのかを実際に助けて貰った者達の証言を含め説明した所すっかり佐夜に対する印象が超好意的なものになっていた。
これじゃあどう見ても戦争は避けられない様に見える。
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「ひゅ~♪ 流石さやや♪」←リオ
「うむ、天下──いや、全下の人誑しと言った所か♪」←椿姫
「皇子(王子)どころかその兵達まで……引くわぁー」←愛沙
「最早PRINCESSサヤと呼んだ方が良いか?」←マック
「佐夜姫。うん、大河ドラマ化決定だな」←覚助
「大河関係無いじゃありませんの!?」←花蓮
orzする佐夜を知る目に好き勝手な事を言うクラスメイト。
「ぐすっ……もう嫌だこんな世界………」
「……どんまい(=_=)」
顔を両手で覆いシクシク泣く佐夜だがぺったんこ座りなのでどう見ても女の子です、はい。珍しく起きている寝郎が佐夜の肩を叩いて慰める。
「佐夜、お前自身は認めないだろうけど他の人、特に現場で活動した時の現地人からしたら聖女どころか立派な女神に見られるだろうな。それは今まで赴いた世界でもそうじゃなかったか?」
「あ……」
正義にそう言われてようやく佐夜は気付く。
確かに最初のレニアナ、アルフィーニ(弱め)、ミシバイクロ&魔界、そしてイニシエ。
それぞれの世界で佐夜は女の子扱いどころか神聖な者として扱われていた様な気がする。ミシバイクロ以降、神聖というよりアイドル的な扱いだけど。
「己がどう見られるのかを自分自身ちゃんと把握しておかないと今後もこうなるという事をちゃんと理解しておけ。じゃないと俺等がお前の信徒と化した奴等の後始末しなきゃいかんからな。で、殺すのが嫌なら自分で何とかしなきゃいかんだろ。違うか?」
「………分かったょ。自分で何とかするょ。すればいいんだろぉ」
すっかり涙目な佐夜が頬を膨らませながらゼロを見上げて言う。その佐夜の姿を見て覚助が鼻血で沈む。あ、指で『カワユス』と血で書いてある。
結局、皇子達の不毛な争いの解決には佐夜と陽菜々、そして護衛として覚助とマックが就く事に、西の国からは詩紗と優李、そして念の為としてゼクターが来る事になった。
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「次はハルマ小隊の救出については当然征也、お前も行くだろ?」
「ああ、俺の世界の者達だからな。それに見知らぬものが助けに行っても逆に警戒されるだけだしな」
魔物だらけの森に孤立しているらしいハルマ小隊の救出には征也とその部下4人。それに加えて椿姫と正義、愛沙にメメット。最後にユフィが就いて行く事に。
「ふふふ、ようやく人ではない物の怪(魔物の事)を斬る事が出来るっ」
「何で太刀を頬擦りしながら言うの!?」
今までは仲間の静止もあって人を斬る事を制御されていた椿姫だが魔物なら斬り放題(?)と勘違いしているのか、普段とは違う顔を覗かせ愛沙が引く。いやユフィさん、そこで「うふふ♪」言ってないで止めろよ。
「それとついでに機関の奴等から別の小隊を受け入れるついでに奴等にも協力してもらうつもりだ」
「それって半蔵さん達の事?」
「ああそっか、お前達は一度会っているんだったな。なので佐夜とリオ、お前達はここには参加させられない。理由は知ってるんだろ?」
「まぁね」
男の娘にトラウマを持つ半蔵とは確かに一緒に任務には着けそうにないわな。
「それに今回は向こうにもお前等のお仲間がいるからな」
「え、ルイの事? でもそれだとやっぱりハンゾーが役立たずになっちゃうんじゃないの?」
「大丈夫だ。お仲間といっても男の娘ではなく、ガチの方だからな。苦手ではあるんだろうが男の娘じゃない分マシだろう」
「え゛? それってまさかあの人……?」
リオの脳裏にルイではなくガチムチの方が浮かんで鳥肌が立つ。ぞわぞわ。
「って、さり気なく俺までオカマ扱いすんな!」
「いやいや、リオだってオカマさんじゃないよっ!」
「似た様な物だろう」
「「違う(よ)!」」
果たして男の娘とオカマは一緒にしていい物なのだろうか?
結論は出ない。
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「で、それはともかく最後のアニカの捜索だがこれはリオ、お前が率先して行ってくれ」
「誤魔化された!? って何でリオが?」
「この中でアニカと面識があるのはお前と佐夜、そして俺達3人だけだが佐夜は不毛な戦争を止めに、陽菜々は佐夜に万が一の事を想定しての逃走経路。ユフィは魔物に囲まれた時の保険だ」
「じゃあレイレイは?」
「身体検査などの様々な検査と称してアイツに色んな事をした俺がアイツに懐くと思うか?」
「あー……納得」
そうゼロが言うのでリオは納得した。
実はアニカが保護されてからアンデッドだという事が分かってからはほぼ毎日の様に検査検査の日々が続いていたのだ。そんな検査をしていたゼロはアニカからしたら鬼の様な存在だろう。下手に近付いた途端逃げられる可能性が高い。
「それと一緒に寝郎と東島、そしてシャルルといったな。お前も同行してくれ」
「え、私もですか?」
「ああ、どうせどこかの任務に同行させなきゃいかんしな。なら東島と一緒がいいだろ。ついでに部下達も一緒に連れて行くといい」
「あ、ありがとうございます!」
「? ゼロに何で感謝してんだ?」
理由が分かっていない東島はともかくシャルルは嬉しそうだ。
「ああ、ついでにアルゴノートにいる真桜(と一応いずみ)もこっちに来るそうだから一緒に連れて行ってくれ」
「マオマオも?」
リオと佐夜がいなくなってからは真桜がアニカの遊び相手になっていた事を聞く。遊んでいたと言うか遊ばれていたと言うか。ちなみにいずみは非戦闘員扱いなのだがアニカの知り合いがこのメンツの中ではリオだけなので今回特別に参加するそうだ(わかなも来たそうだったがジャンケンで負けたらしい)。
「あの~、私は?」
「お前達は俺と一緒に西の国で待機しているメンバーと合流だ。理由は───自分で分かってるだろ」
「は、はい……」
残った花蓮とさなえ、そしていずみはゼロと一緒に西の国へ向かう様だ。さなえはともかく他の者と違って花蓮といずみだけがクエストから外される理由は花蓮が何の異能も魔法も無いからだ。
それに加え同じ無能の覚助と違い、現代の物質界出身なので戦闘経験が足りないので、この中では一番戦闘不能になる可能性がある。故に少人数での任務はまだ早いのだ。
「まぁ……なんだ。今は色々とアルゴノートに戻っているメンバーが多いからな。いざという時、行動できる奴は出来るだけ残したいんだよ。『禁界』や『次元封じ』を使われる可能性もあるからな」
「という事は私達、秘密兵器ですのね!?」
「あー、うん。そういう認識で良いと思う」
「(・×・)」
落ち込みそうな花蓮に東島がフォローすると目を輝かせて復活するがいずみは複雑そうだ。
まぁ確かに間違ってはいないけど。
異能や魔法を使えなくする方法は色々あり、その場合動けるのが無能者だけになる可能性があるので無能ながら戦闘能力が高い花蓮は念のため残しておくのが定石なのだ。………その機会が多いとは限らないが。
「では早速それぞれの地へ向かってくれ。解散!」
手を叩いてゼロは皆を解散させて3人と共に西の国へと転送した。
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「何!? もう既にいないのか!?」
「みたいね。街の人に聞いた所、西の国に向かったみはいお?」
東の国で協会の者を探そうとしたイング一行だが既にそこには協会の者は一人もいなく、香山蛍が街の人に聞いた所、西の方に行ったらしい。その手には佐夜が伝授したカレーが乗った皿を持っていてカレーを立ち食いしている。行儀悪い。
「ではすぐに西の国に向かうので?」
「いや、俺もそれ食いたい」
「………私も」
「奇遇ですわね。私ももう我慢できませんのっ」
とカヤマの皿から漂って来るスパイシーな香りに一同は一目散にカレー屋に向かった。
そのカレーの味がまさにいなくなった7人目が作ったカレーだと気付くのにそう時間は掛からなかった。
ごめんなさい、次回も遅れるかと思います。
後2~3回くらいは遅れるかと思います。
ご了承ください(_ _)
ではまた。




