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第11話 ~勇者エンカウント~

毎日仕事が忙しいデス……。

更新が夜中になっちゃいました、すんません。

GW前まではこんな感じになるかと。早く来ないかなGW。


「何? 東のエルターニャの勇者が消えただと?」

「はい、何でも異界から侵入してきた者達の手によって勇者はおろか、それ以外の異界人達も次々に姿を消していっている模様子」

「……これは何かの罠か?」

「それは分かりません。ですがこれはある意味チャンスです。勇者が東の国にいない今、攻め込む絶好の機会です!」

「それはそうだが何か変だとは思わんのか?」

 協会の活躍によって東の国から異界人達は全て送還&保護した事で東の国に勇者がいない事をチャンスだという宰相に西の国王は渋い顔をする。流石は一国の王。対戦国の急な戦力ダウンを聞いて迂闊な行動に出ないのは、『東の国にいた勇者が10日位で全て消えた』という点でだ。

 もし宰相の言っていた異界の者、つまり協会の者がこの国にもやって来てこの国の勇者をも元の世界に帰してしまったらこちらの戦力も大幅ダウンしてしまうからだ。

 そう思ったら迂闊に勇者を野放しにする訳にはいかない。


「直ちにこの国に残っている勇者を王城に集めるのだ。バラバラに行動されて各個撃破(?)でもされたら元も子もない!」

「ぎょ、御意に!」

「畏まりましたっ」

 椅子から立ち上がり大声で命令を下す姿はまさしく王そのものだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「……勇者とその他の異界人の大量消失、か」

 謁見の間の壁裏で忍びの恰好をした男が呟く。どうやら王様達の会話を盗み聞きしていた様子。


「新人研修とはいえ派手に動き過ぎだろ協会……」

 と、ぶつくさ文句を言いながら忍者の男、機関(オルガン)所属の【半蔵】は自身の仲間が待つ拠点へと戻って行く。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ♪♪♪~♪~♪♪♪♪~~♪♪♪~~~(RPGの冒険パートっぽいBGM)


「ひゃっほぅ~~~。風が心地良いっ」

 東から西へ続く長い長い街道をマックが風を切る。

 というのも別にバスで移動している訳でも自分で走っている訳でもない。


 では何に乗っているのかというと、

「GYAOOOOOOOOOOOOOOOO♪」

 転送直後に出会った深紅龍の上。


 東の国を出た協会一行は『ダイレクト転送で西の国近くに行く』か『転送酔い防止の為バスで移動』の2つのルートに別れる事になり、転送に酔わない、もしくは早く慣れる為にあえて転送を選ぶ者は既に転送にて西の国に到着している。

 そして残り(普段から飛行機・船酔いなどの)酔いの酷い方(約30人)がバスでの移動となる。


 そうなると何でマックは深紅龍に乗って移動しているのかというと、別にマックは転送酔いは(他の者よりは)酷くなかった方なので直接転送で移動しようとしたその直後、


 GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOO♪


「「「うわああああああ!?」」」

「「「きゃああああああ!?」」」

 突然背後から気配も無く急接近でやって来たドラゴンに3組の生徒達はパニックになり、同行する先輩達は若干気圧されながらも戦闘態勢に入る。


「───って、このドラゴン……」

 だがそこでマックと同じバスに乗車していた生徒がある事に気付く。


「Oh、お前かレッド。何だ、またお菓子を集(たか)りに来たのかー?」

「ギャルルルルルルル♪」

 深紅龍に気付いたマックも先日餌付けしたドラゴンだと分かり近くによると巨体に似合わず人懐っこい感じでマックに頬擦りする深紅龍ことレッド(勝手に命名したらしい)。そのサイズ差にマックが若干押し倒されそうになるが何とか踏ん張る。


「よしそこで1回転だー!」

「ぐるるー♪」

 そして結局マックは深紅龍レッドを連れてバス組も西へ向かう。その際、深紅龍がバス横で並走しているとバスのステルス機能が薄くなるとの事なのでマックはレッドに乗って飛んでいく事になった。勿論その際レッドの好物となったプリッツ(スキルで6倍巨大化済み)も準備して空を滑空する。

 気分はすっかり龍に乗った少年だ。……そのままやないかい。


「遊んでるなぁ」

「楽しそう……」

「そうか? どっちかっていうといつマックがあのドラゴンから落下しないかハラハラして胃がキリキリする」

「胃弱www」

「でも確かに心配だよね。マックはともかくドラゴンは目立つから攻撃されなきゃいいけど」

「おい変なフラグ立てんな」

 バスの中では来(きた)る次の現場に備えて寝たり、談笑しあったりしてまったりモードに入っている。


 ……その際誰かが変なフラグ(弱め)を立てた事で再び騒動に巻き込まれる。



 チュドォ────ンッ!!


 GYAAAAAAAAAAA!?


「「「「「っ!?」」」」」

 その証拠に案の定大空を駆け巡っていたレッドの肩から翼に掛けて謎の爆裂魔法が炸裂し、レッドが回転しながら落下していく。その光景を見たバスの面々はその光景に衝撃を受け急いで落下地点に向かって行く。


 キキーッ!←何故か綺麗なドリフトで怪我したドラゴンの横にバズを着ける音。


「おい、2人共(?)大丈夫か!?」

「うわ、翼がもげとるがな!?」

「か、回復をっ、誰か回復士(ヒーラー)を呼んで!」←愛沙

「いや、お前が回復士(ヒーラー)だろ!」←正義

「はっ!? Σ(゜□ ゜)」←愛沙

 まるで某・海賊漫画の亜人医者の様なボケを噛ます愛沙に正義がツッコみ、愛沙を含めた回復スキル・魔法を持つ生徒がレッドに駆け寄る。


「お? ドラゴンを仕留めたと思ったら突然何もない所からバスが現れたぞ?」

「……どう見てもあれって車(バス)……よね?」

「てことはまた勇者じゃない連中が来たって事かぁ?」

「っしゃあ。また連れ帰って報酬ゲットー」

「……またやり過ぎて殺さないでよ?」

 すると遠くから勇者と思われる5人の少年少女達が飛んできて碌な事を言わない。……ん? 日本語おかしくね?


「おい、お前達。痛い目に逢いたくなければ無駄な抵抗はするなよぉ?」

「あぁ? 何だ、今忙しいんだ。後にしろ」

「「「「「………」」」」」

 んで、5人の勇者がドラゴンに群がる人達に声を掛けるが逆にあしらわれて言葉を失う。まさか勇者である自分達がこんな軽い扱いを受けるとは思わなかったのだろう。

 ちなみに何でそんな扱いになっているのかというと、レッドが落下した時、マックがレッドの下敷きになってしまったので回復班以外のメンツでマックの救出を行っているからだ。下手したら圧死して消滅し、アルゴノートに送還してる筈。こんな所で無駄に死ぬ訳にはいかないのでみんなして救出してるのだ。


「どうするこれ? とりあえず威圧とか出して委縮させとく?」

「いや、どう見ても舐められてるから問答無用でふっ飛ばそうぜ」

「おK。勇者を無視したらどうなるか教えてあげる」

「待て、俺が先陣を切る。『深淵なる業炎(インフェルノ)』!」

 無視された勇者達は何とかして相手にしてもらおうといきなり己の持つ結構な上位火炎魔法を放つ。正直これを喰らえば常人は骨すら残らない程の魔法だ。


「流石に何人かは死ぬだろうが数人残れば良い方────」

 と、上位火炎魔法を放ってドヤ顔で言う少年だったが、


「ん、んああぁぁぁぁ……あ?」

 その直後、バスから遅れて降りてきた和服少女が欠伸をしながら迫りくる業炎をチラッと見て、


「フッ!」


 ズバッ!


 ドラゴンやバスに当たる前に腰に掛けた刀で業炎をかき消した。


「え、ええええ………」

「お、俺の最大魔法が一太刀で消えた……だと?」

「つかあの子、お侍さん?」

 突如として現れた少女により上位火炎魔法を簡単に消された少年はショックを受け、他の者は唖然とした。


「ふむ……何やら外が騒がしいから起きてみれば………おい正義よ、今現状どうなっておるのじゃ? 説明せい」

「重役出勤みたいな事してよく言う………。簡単に言えばそこの連中がマックのドラゴン(?)を撃ち落として更に俺達に攻撃を加えようとしてた所だ!」

 同じ3組の生徒なのに偉そうな事を言う椿姫こと【足利義輝】に悪態を付きながらも正義はマックの救出を試みながら言う。ちなみに椿姫が刀で炎をかき消さなくても同じバスに乗車していた黒魔法使いのメメットが【反射盾(リフレクトオーダー)】を使用していたので何の問題は無かったが、椿姫の取った行動で勇者達はすっかり警戒モードに入り、既にバフなどの強化スキル・魔法を使用していた。


「なるほど、つまりこ奴等は敵という訳か。なら蹴散らしても問題あるまい」

「ああ、東の国の時は佐夜の所為で(?)戦う機会があまり無かったからなー」

「貴女達。単独行動はあまり感心しませんよ」

「そう言いながらも委員長もやる気満々じゃねーか?」

「だ、だって私(わたくし)も暴れたいんですものっ」

「ぬおっ!? 何か増えとる!? Σ(゜□ ゜)」

 正義達がドラゴン相手に忙しそうだったからてっきり一人で戦えるものだと思っていた椿姫だったがいつの間にかリベッタと花蓮、そして覚助がその横で戦闘準備に入っていた事に驚く。

 実はこの3人もバスの中で熟睡していた方で、椿姫がバスを出る瞬間には既に起きていたのだ。で、ドラゴンとマックの救出は正義達で大丈夫だろうという事で3人は日頃の運動不足を解消すべく勇者達と対峙する。


 と、その時、

「うおおおおっ!」

「うわ、マックさんが自力で這い出てきた!?」

 気を失っているレッドの下からマックが凄い形相で這い出てきた。その正面にいた女子生徒はいつもクールだった筈のマックの顔が凄い事になっているので凄くビックリした。


「誰だ、いきなり攻撃してきたのは!?(超おこ)」

「凄いなお前、殆ど怪我が無いとか……。ちなみにドラゴンを攻撃したのはあいつ等」

 結構な高度から落ちた上にドラゴンの下敷きになったのに掠り傷程度で済んでいるマックに頬が引き攣る正義は呆れながらも攻撃してきた勇者を指す。


「ファ〇ガ! 手前等この野郎、よくもレッドを撃ち落としてくれたな!」

 と、普段とはうって変わって怒り心頭なマックは怪我を回復させる暇もなく、そのままズンズンっと椿姫達の横まで歩いて行く。


「恐らく手前等勇者なのだろうが、仮初めの力を手に入れて自惚れるのもいい加減にしろよ!?」

「「うぐっ!?」」

 敵の勇者に言ったのだが何故か味方である正義と愛沙がダメージを受ける。まぁ2人も召喚されて祝福(ギフト)を手に入れた者達だからなー。


 そして両者5人ずつ揃ったところで互いに睨み合い、


「「「「「「「「「「決闘(デュエル)!!」」」」」」」」」」


「「「「いやそれだと違う作品になっちゃうから止めろ(て)ー!?」」」」

 まるで某・遊〇王の様な掛け声と共に10人が激突するが、その掛け声に思わず元ネタを知る物質界の生徒達がツッコんだが10人には聞こえなかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ~SS(マザー佐夜)~


 マックや正義達が地上バズ移動している中、転送組は直接西の国に転送されたのだが、その中で佐夜とリオはアルゴノートにいるアニカの様子を見るべく艦に戻った時の事。


アニカ「サーヤ!」

佐夜「うおっとと、こらアニカ急に跳び付いたら危ないだろ?」

アニカ「えへへ、ごめんなさい♪」

リオ「むっ、アニカあざとい!」

アニカ「リオに言われたくな~いよ~♪」

リオ「なにおー!」

佐夜「こらこら、何でいつもリオはアニカに突っかかるんだよ?」

リオ「だってアニカ、リオとキャラが被ってるんだもん」

佐夜「そうか?」

リオ「そうだよー。天真爛漫で同じ男の娘だし!」

佐夜「自分で天真爛漫言うか」

アニカ「じいしきかじょー?」

 自意識過剰にも程がある。


わかな「あら佐夜、帰ってたんだ?」

佐夜「まぁな。アニカの様子を見に来た」

わかな「? ……また性格変わった?」

佐夜「うん、実は………」

 佐夜は東の国で起きた第1皇子の事について話す。


わかな「……流石、男殺し」

佐夜「男殺し言うな」

 少なくとも今は男性格なので鳥肌が立つ。


アニカ「サーヤ、リオ。お風呂入ろー!」

佐夜「ん? お、おおう……やけにアクティブだなー」

リオ「あ、あああ、待ってー!」

わかな「相変わらず仲良しだね~」

 アニカが佐夜の手を引っ張って大浴場に連れて行き、リオが慌てて追いかける。


 閑話休題(カポーン)──────


いずみ「佐夜、いるー?」

 佐夜達が風呂から上がり、30分位経った頃、今度はいずみが部屋に訪ねてくる。


いずみ「───って何やってんの?」

佐夜「? 耳かきだけど?」

いずみ「いや、まぁ……そりゃ見れば分かるけども。ねぇ……」

 いずみは佐夜の膝に頭を乗せて耳かきをされているアニカを見てどう言葉に表せたらいいのか言葉を詰まらす。

 だってどう見ても母と娘。または姉と妹にしか見えないから。


アニカ「ん、んにゃ~~(悶)」

佐夜「あ、こら動くな」

アニカ「~~~~~~~っ」

 何で耳かきで悶えるのか分からないがとにかくアニカは気持ちよさそうだ。


わかな「いずみー、佐夜いたー? ………おおぅ」

 部屋の前で待機していたわかなだったがいずみが出てこない事からわかなも部屋に入り、そこで見た光景にいずみ同様言葉を詰まらす。


リオ「もうひはのふはひほほ?(どうしたの2人共?)」

 言葉に詰まらせる2人にアイスキャンディ(ガリ〇リ君)を加えながらリオが尋ねるとそこでようやく現実に戻る2人は佐夜とアニカに対してこういった。


いずみ「どう見てもお母さんです。ごちそうさま」

わかな「ママだね。お疲れ様」

佐夜「誰がお母さんだ」

 否定する佐夜だが、そのラフな恰好や髪を結っている姿で耳かきするその姿はどう見てもそのまんまマザーだ。


リオ「はんはひーは(マンマミーア)!」

 リオ、それ大分意味が違う。



次回『乱戦』(予定)です。

ではまた。

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