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第5話 ~ベレッカと勇者達の暇潰し~

か、花粉症が辛い……

かといって薬飲むと眠気が……

ZZZzzz……

……っは、危ない危ない。締め切りまでに上げないと(>_<)ノ


「リオ、復活!」

「わー、パチパチパチ(棒読み)」

 アニカというアンデッドの男の娘の出現によっていつまでも落ち込んでいられないという事で何とか復活したリオが拳を天に掲げて叫び、ティーナが棒読みで拍手する。( ̄д ̄)ノノ←こんな感じ。


「よ、どうやらお疲れだったみたいだな佐夜」

「まーね。なんせ手の掛かる子が倍になったから……」

 溜息を付いていると覚助に声を掛けられる。


 リオとアニカが邂逅したあの後、見た目的にはキャットファイトの様な微笑ましい感じでバトっていたのだがその後が大変だった。主に佐夜にとって。

 2人共甘えん坊のかまってちゃんなので常に佐夜に纏わりついては互いに牽制&威嚇し合い(主にリオだけ敵意むき出し)、佐夜の両腕を引っ張り合っては違う意味で大岡裁きで佐夜にダメージが入ったり、だからといって制裁(主に拳骨)を加えたら2人共すぐ泣き出すので(リオのメンタルはまだ弱ったまま)下手に叱る事が出来なかったここ2日間。


 で、2日経ってようやくリオのメンタル───というか無理矢理だけど佐夜を現地に連れていく事でリオもそれに同行する事でようやく変な争いが終わり、今に至る。

 ちなみに生まれたばかりのアニカは当然戦える訳が無いので佐夜と別れて艦内にいるクラスメイトが面倒を見る事になったのだが、その際佐夜と(一時的ではあるが)別れる事を知ったアニカが超大泣きし、皆があやそうとするが精神が幼いアニカがそんな事知った事じゃなく泣き叫ぶ。

 だがリオが「そんな泣き虫だとさややに嫌われるよ~」とドヤ顔で忠告したので、そのリオの発言にカチンときたアニカが珍しくリオに取っ掛かり再び喧嘩になったのは言うまでもない。

 その後、何とか佐夜と別れる事を承諾したアニカは「さーや、早く戻ってきてねっ」と可愛らしく涙目で言った事で佐夜は心を打ち抜かれたかのように膝を着き「何コレ、破壊力ヤバい……っ」とやや変な罪悪感を引かれつつ、リオと共に現地に戻ってきたのだ。


「まるで大きな子供を2人持ったかのような感じだったよ……」

「お疲れさん」

「……何で頭撫でるのさ?」

「労(ねぎら)ってんだよ。嫌か?」

「別に嫌じゃないけど……」

「なら大人しく撫でられとけ」

「む~~~」

 少し顔色悪い佐夜を労う様に覚助は佐夜の頭を撫で、佐夜自身も今は僕っ子精神なので頭を撫でられてもあまり怒らない(俺っ子の時は凄く怒る)。


「っ!?」

 キランッ!


 ───ガブリッ!


「痛ぇ!?」

「え、リオ!?」

 するとその光景を目撃したリオが佐夜の頭を撫でる覚助の腕に思いっきりガブリ付いた。甘噛みとかじゃなくマジ噛みなので覚助が絶叫を上げる。


「シャーッ!!」

 そしてリオは何故かアニカだけでなく佐夜以外の者にまで威嚇し出した。まさに猫化である。心なしか目も猫っぽくなっているのでネコ娘っぽい(可愛い)。


「何で威嚇すんだよ!? 痛つつ……」

「大丈夫覚助!? もう、駄目だよリオ。噛んだりしちゃ」

「う~~だってさやや取られると思ったんだもん……」

「取られるも何も僕達は男同士だから何も無いって」←リオの頭をなでなで

「む~~~」

 どうやらまだリオの独占欲は続くようだ。


「何を馬鹿なことやってんですかリオ。ほら、今まで休んだ分の仕事があるので行きますよっ」

「シャーッ!!」←今度はティーナに威嚇するリオ

「私に威嚇しても無駄ですよ。ほらほら」

「にゃあああああああああ!?」

 そしてリオはティーナに襟を掴まれ、引き摺られながら退場していった。


「……何か野良猫っぽいな、リオ」

「あ、あはは……」

 リオに噛まれた覚助の腕を包帯で巻きながら苦笑する佐夜。

「……ういーっす。リオの奴もう行ったかー?」

 すると今度は入れ違いで健太達がやって来る。


「おう健太か。………」

「え……まさかとは思うけど皆、その包帯……」

「お察しの通り。みんなリオを心配して頭を撫でようとしたらこの様さ。な?」

「「「「(うんうんうん)」」」」

 佐夜の方に近付いてきた一同は皆、腕や肩、頭に包帯を巻いていて健太の言葉に同意していた。ちなみに噛まれた人数は約半数にも及ぶ。どんだけ威嚇してんだよ。嫌われても知らんぞ。


「ま、まぁみんな。リオも悪気があって噛んだ訳じゃ無いから怒らないでよ?」

「それは分かってる。ただなぁ……早いとこ元に戻って貰わないと近寄る事すら出来ないだろ」

「あー」

 こればかりは時間を置くか、リオを引き摺っていったティーナの頑張りに掛けるしかない。


「ほら佐夜。アンタも休んだ分キッチリ働いて貰うわよ!」

「あ、うん。それは分かるんだけど……何で僕を睨むのかな?」

 どうやら佐夜の知らない所で皆それぞれ苦労があったと見た。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 所変わってここは佐夜達のいる場所から少し離れた高台にて。


「何で……何であの連中がこの世界にいるのだ?」

 リオが他の生徒達に噛み付く所を望遠鏡で覗いていた【ベレッカ・トレスティン】は幻想界レニアナ在中時に自分達ゼリア軍を拘束しに来た忍者【リオ】の姿を見て戦慄が走る。


 事はレニアナ西部にあるセウレン帝国を順調に侵略中、突如として現れた謎の連中の出現から始まった。

 遠距離から狙撃してくるモブ男(義信の事)に銃で撃っても掠り傷一つ付かないどう見ても人体の身体を遥かに超えたムキムキスキンヘッド男(R・ハーマンの事)。そしてゼリア軍の近接戦闘の手練れであるベレッカを戦いの最中罠にかけて捕縛した忍者っ子ポニーテール(リオの事)。

 この3人が現れた事で戦況は大きく変わってしまい、準備期間はともかく侵略するのに3時間掛ったものが1時間も立たずに鎮圧され、更に王城に向かった大佐達でさえも捕縛された。


 その後、元の世界に強制送還されたゼリア軍。本来はその後、外部(亜空間)からプロテクトを掛けられて外界には出られない様にされた筈なのだが、その後(あと)に准将組が送還されてきた時、ベレッカはゲートが急速に閉じる瞬間、空間に楔を撃つ事に成功し、時間は掛かったが再びゲートを開くことに成功した。

 だが時間が無く、空いた穴は小さいので戦車やヘリなどの重機は持ち込めず、かといってそれらが通れるほど時間に余裕がもう残されていないのだ。

 故に今回は表立った侵略ではなく、人力で運べるドリルなどの掘削機や化石燃料を吸い上げる為のポンプなどを持ち込みこの世界へやって来たのだ。

 とはいえ未だこの世界の資源については部下の調査が終わっていないのでまだ資源が何処にあるのかは分かっていないので迂闊に動くことが出来ない。

 その上どうやらこの世界には自分達や教会の連中の他にも次元転移の被害に遭ってやって来た者や勇者召喚とやらで召喚され勇者を名乗っている馬鹿が存在しているという。


「何が勇者だ。碌に身体を鍛えもせずに与えられた祝福(ギフト)とやらで世間を制するなどふざけているのにも程があるっ」

 何か思考が協会=リオから勇者に移行しているが、ベレッカにはどっちも邪魔者なので「どうしようか……」などと考えていた。てか口に出してるし。


 だがそういう事を口に出したり考えたりする事を一般的には『フラグ(この場合はフラグというには少しワードが弱いけど)』と言い、それを立ててしまうと碌な事にはならないという。


 つまり、

「へぇ、つまり君達は俺等の敵って事なんだな?」

「っ!?」

 何時の間にか背後を取られていた事に全く気付かなかったベレッカは「全く気配すら感じなかった……」と呟きながらも背後の男子から距離を取る。


「貴様等……勇者か?」

「当たり。それで俺等をどうするって?」

「っ!?」

 まさか聞かれていたとは思ってもいなかったベレッカは太腿の銃を取る。


「へぇ……銃を持っているって事は君、この世界の住人じゃあないな?」

「……そうだ。貴様等もだろう?」

 勇者と思われる少年達4人とベレッカは互いに警戒しつつ言葉を交わす。


「……一応何をしに来たのか聞いていいか?」

「……貴様等に答える義理は無い」

「言え」

「断る」

「言えってば」

「だから断ると言っている」

 言葉を交わすもベレッカは内容は言わない。


「………言わないという事は………侵略か?」

「………違う」

 前回はそうだったが今回は資源を持ち帰る事が最優先。なのであまり戦いは避けたい所なのがベレッカの願い。


「そうか、侵略に来たのか。なら俺等の敵だな」

「!? だ、だから違……っ」

 だが言い方が悪かったのか相手に悪印象しか与える事が出来ず、慌てて否定するも時既に遅し。勇者のいつの間にか放った斬撃がベレッカを襲い、慌てて回避する。


「く……っ」

 回避行動と共に弾を人数分の4発を撃つベレッカ。だが相手は勇者。銃を持っていると知られれば防御&回避は容易にされる。


(こうなったら私もスキルで対抗するか……?)

 と、一瞬考えたが止めた。相手は4人、もし自分が結構な実力者と知られれば確実に始末させられる可能性があるからだ。

(となれば私が取る行動はただ一つ)

「っ!」

 すぐさまベレッカは林方面へ退避行動を取りつつ相手に向かって銃を乱射する。ここであえて狙わないのは『敵対したくない』という考えを相手に知らせる為であるが、ここでもう一つ誤算があった。

 

 それは相手がまだ学生で尚且つ勇者である為に戦闘経験が豊富ではない事と、人生経験を学ぶ上でそこまで考えが至っていなかった事だ。

 なのでベレッカが銃を乱射した事の意味が全く通じず、寧ろ危険因子とみなされてしまい、追いかけられてしまう結果になってしまった。


 そして、

「はぁ、はぁ、はぁ………」

 遂にベレッカは4人に追いつかれ、囲まれる形で追い込まれてしまった。唯一の救いは自分の他に十数名程が先ほどの場所にいたが、4人の標的がベレッカ1人に集中した事で他の者達はスムーズに退却することが出来た。これは万が一自分が死んでも任務を遂行できるようにする為で、決して部下は逃げ出した訳ではない。


「ふぅ……ふぅ………。に、逃げ足早ぇな、君……」

「『俊足(ヘイスト)』使ってるのに全然追いつけないとは……」

「これはスキルの練習不足……かな……」

「だなぁ………」

 勇者とはいえ貰った祝福(ギフト)とレベルアップして得たスキルや魔法を全然使わなければ苦戦する事がここで分かった。

 とはいえ腐っても勇者。4人もいれば練習不足も補える事が出来、ベレッカを取り囲む。


「………」


 が、

「あ、あれ? 消えた?」

「っ!? 違う、私達の死角を突いて包囲網を突破したみたい!」

「追うぞ!」

「またかよ!?」

 4人は怪しい奴、ベレッカを取り囲んだ事で少し気が緩んだのか、その隙にベレッカはスキル【死角突破(ミスディレクション)】で相手が呼吸を整えてながら喋っている隙にあの間をすり抜け再び林の中へ逃げたので4人も慌てて追いかける。


「く……っ、もう追いついてきたか……っ」

 木と木の間を横切りながら死角突破(ミスディレクション)で視界から消えようとするが相手が4人もいるのですぐに補足されてしまう。


「ウィンドカッター!」

「アイスバレッド!」

「ファイヤバンク!」

「ムーブガイア!」

「ちっ、しかも本気で狙ってないな。甚振って遊ばれてる……」

 その際魔法(しかも低級魔法)で嫌がらせを受けながら逃げるベレッタに勇者の4人は「誰が仕留めるか競争な!」と最早完全にハンター気分で遊んでいる。


「けどこんな感じの攻撃なら後15~6手で逃げ切れるっ」

 と、ベレッカは前方に見える崖を視界に捉える。相手が自分を執拗に殺す気が無いのなら例え自分が崖から飛び降りても追って来ないだろうという判断だ。


「よし、後この木を越えれば───」

 そして後方から来る魔法を回避し、この先にある崖に飛び込めば───


「重力振動(グラヴィティソニック)!」

「が──っ!?」

 しかしその木を横切るのと同時にその木に隠れていた伏兵(多分これも勇者だろう)の魔法にまんまと掛かり、全方向から衝撃を受けてしまい地面を転がる。


「あ、お前、人の獲物横取りすんなよー」

「こんなのにチンタラしてる方が悪い。ほらこいつ崖に飛び込んでお前達が追って来れない様にしようとしてたぞ」

「え、マジで?」

「……確かに飛翔スキルを持ってない私達じゃ無理ね」

「GJ!」

 そして地面に悶絶するベレッカに追いついた4人が罠を張った勇者と合流し会話をしているがベレッカはそれどころじゃない。


「あ、後少しだったのに………」

 痺れる身体を何とか前に進めようとするが身体が動かない。


「残念だったな。ま、運が悪かったと思って諦めろ」

「追いかけっこ楽しかったぜー」

「中々攻撃してこなかったのが不満だったかなー?」

(そもそも戦う意思すらなかったんだってば!)

 こちらの意図を知らずに魔法の詠唱を始める5人の勇者にそうツッコミたいが痺れている為上手く喋れない。


「ま、元々そこの崖に飛び降りるつもりだったらしいからそのまま落としてやるよ」

「わぉ、親切~」

「いくぜぇ」

「ファイヤーボール(中威力)」

「アイスビーム(中威力)」

「電磁砲(劣化レールガン)」

「ウィンドストーム!」

 と痺れて動けないベレッカに向けて4人はそれぞれ違う属性の魔法を放った。それも勇者としてはやや攻撃力の低い物ではあるがあまり高位魔法を使うと環境も破壊してしまう上に国のお偉いさん方に怒られる可能性がある為ワザとランクの低い魔法を放ったのだ。それも違う属性魔法を一点集中で直撃させれば大爆発を起こす物質界っ子だったら当然知っている準合成魔法の類だ。


(く……っ、ここまで、か……)

 ともあれどちらにせよ動けないベレッカは覚悟を決め、目を閉じる。任務を遂行出来なかった事に悔いを残しながら。


「ん? ………っ!?」

 すると先ほどベレッカを罠にかけた勇者の一人が何かに気付き、咄嗟に後退りした。


 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ─────


「「「「ゑ………?」」」」

 そして他の4人もそれに気付く頃には既に魔法が発動中なので咄嗟に動く事が出来ず、


 ゴバアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ─────ンッ!!!


「「「うわあああああああああああっ!?」」」

「きゃあああああああああああああっ!?」

 魔法発動中の術硬直によって動けなかった4人は誰かの放った特大火炎砲で盛大にぶっ飛ばされた。まぁ、勇者なので死なないだろうけど。


「い、一体…何……が?」

 突然の不意打ちに目を瞑っていたベレッカも目を開いて混乱する。



「ちっ、まだ上手くコントロール出来ねぇか。やっぱ10本は無理か?」

 するとその特大火炎砲が放たれた場所と思われる場所から1人の女性が歩いてきた。その女性は何故か特攻服を着ており髪も真っ赤なのでどう見てもどこかのレディース総長である。口調もヤンキーっぽいので益々そう見える。


「おい、この魔法(?)はお前の仕業か?」

「んあ? うおおっ、こんな所に人がいたのか!? っと、当たってない……よな?」

 その女性に火炎砲を避けた勇者が声を掛けた所でその女性は「うわ、しまった……」と言わんばかりの顔をしながら言う。


「俺は避けたから無事だが他の勇者の4人は直撃して吹っ飛んだ」

「あちゃあ……」

 そしてまさかの事態を起こしてしまった女性は額に手を当てて懺悔する。


「き……貴様…は何者……?」

「あ?」

 すると地面に這い蹲ていたベレッカに気付いたヤンキーこと【太陰光(たいこう) 月(るな)】は怪訝な顔でベレッカを見る。そして先ほど自分が誤って暴発してしまった火炎砲を避けた勇者。後吹っ飛んだ4人の方は知らないがこれだけは分かる。


「アタシか? アタシは協会(ヴァルハーレ)所属、第261期生3組の太陰光 月(るな)ってもんだ。見ての通りアタシはこの世界の者(もん)じゃないが……アンタ等もこの世界の住人じゃあないだろ?」

 そう言って月(るな)は獰猛な笑みを浮かべて言った。


 次回に続く(えぇ~ byリオ)


リオ「せ、せめてSSとかやんない?」

作者「今回は無し!」

リオ「そんなぁ~」



次回はようやくバトルらしいバトル展開になりそうです。


 月vs勇者(?人)


といってもやはり複雑な内容にはならないですけどね。

ではまた。


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