↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/241

第4話 ~墓場からまさかの出来事~

トラウマを思い出したリオは現在引きこもり中。


「そうですか、そんな事が……」

 宿に戻ったセーラこと清良がティーナに事情を説明する。ティーナはまさか初日の宿を取った直後にそんな騒動が起るなんて想定していなかったらしく、アルゴノート経由で連絡を受けた時はちょっと混乱したらしい。


 30分ほど前、宿にチェックインした後、先に宿の正面にある食堂に行こうとした佐夜達4人(佐夜、リオ、セーラ、健太)は宿を出た瞬間、食堂からボロボロになった服を着た男性が蹴り出され、現地の人達にボコボコにされる光景を目撃した。

 そのいきなりの衝撃に助けに入ろうとした佐夜達だったが、リオによって阻まれる。その理由を聞き、暴行から解放されて路地裏に消える男性を狙って助けに入ったら男性は何故か他人の排泄物(もしかしたら人間の物ではないのかもしれないが)を泣きながら食し、またもや衝撃を受ける佐夜達を知る目に先ほどまで助ける事を消極的だったリオが急に態度を変えて男性に駆け寄り、男性が食べた物を吐き出させ、急いで救援要請をお願いし、加奈による転移&転送で男性はアルゴノートへ搬送されていった。

 

 だがリオのその急な変わりように戸惑っていた佐夜はリオから何故男性が暴行を受けている時、すぐに助けに入らなかったのかを聞き、リオは過去佐夜がやろうとした事を行い、仲間(クラスメイト)を危険に晒すどころか死に追いやってしまった事を佐夜達に話す。その憂いな表情からは涙が溢れていて佐夜は堪らずリオを抱きしめた。

 おかげで服の背中側が排泄物塗れになってしまったがそんなのは気にしない。


 ……気にしなかったのだが、その後宿に戻った時に見つかったティーナに「臭っ!?」と言われ、佐夜とリオはショックを受けた。ただでさえリオはトラウマを思い出してしまっている上にライバル(?)にそう言われ、珍しく泣き出してしまったのだ。

 リオが珍しく脇目も張らず泣き出すのでパニックになったティーナをゼクターに任せ、佐夜は転送帰りで戻ってきた加奈にお願いし、アルゴノートにリオを連れて行き、お風呂に入れた。勿論リオは今弱っているので一緒に入る。そして佐夜は今、ダウンしているリオの看病にあたっている。


 と、アルゴノートに戻って行った佐夜達のここまでの経緯をスマホで佐夜から聞いたセーラはパニックから戻ってきたティーナに説明していたのだ。

「俺も正直、あの天真爛漫なリオがあそこまで人が変わったかの様に凹んでるのは初めて見るぞ」

「天真爛漫? ……ああ、違いますよ。あの子は元々ああいう子なんです」

「HAI?」

 ティーナの訂正に思わずマックみたいな返事になったセーラ。


「あの子は元々誰よりも真面目で義理堅い性格なんですよ。普段が普段なので全然そんな風には見えないと思いますが」

「あ、ああ。全然見えねぇー」

 リオが真面目で義理堅いとか何の冗談だろうとセーラは思った。いつも佐夜に纏わりついて「にゃー!」言って騒いでるイメージしか沸かない。


「まぁ、先ほどリオが自分の過去を少し言ったらしいのでそこだけ話しますけど───」

 何でもその騒動が原因で何名もの仲間(クラスメイト)を失ったリオは多方面から責められた事で何かが切れたのか、責任が重く圧し掛かる様な仕事は出来るだけ避け、誰かに何を言われて責められても右から左に聞き流し、適当な子になっていったらしい。そうして今のリオになったのだそうだ。


「あの子の事についてはとある事情があって全部は話せませんが、あの子は佐夜さんと出会ってから少しずつですが内面からも明るくなって元気になったと思っていたんですけど───」

「まさか最初の研修でトラウマを思い出した、と」

「はい……。今は佐夜さんが付き添ってくれてるそうなんですが、果たしてみんなと合流した時、今の明るいリオでいられるかは分かりません」

「塞ぎこんで他の人との距離を取るかもしれないと?」

「はい」

 と、ティーナは小さく頷いた。

 正直、現状3組のムードメーカーは佐夜とリオがメインで、そこからクラスの輪が広がっているといっても過言じゃない。そしてそのリオがクラスメイトとの距離を取り始め、佐夜からも離れて行けばこのクラスは一体どうなるのか。セーラには想像が出来ない。それほどまで今までの佐夜&リオの絡み《インパクト》はデカいのだ。


「まぁ、あの子の事は一先ず置いといて、明日は早いです。清良さ──セーラさんも早めに就寝してくださいね」

「何でわざわざ名前言い直した!?」

 最早ワザとである。


 そう言い残しティーナは自分の部屋に戻って行き、清良ことセーラも振り当てられた自分の部屋に戻って行く。

「自分もちょっと前に椿姫に『他人(ひと)との付き合い方について考えろ』と言ったけど、俺も人の事言えねぇな」

 と言いながらセーラは部屋に入り、気付く。

「あ、夕飯食ってない!?」

 どうやら初日から『収納空間(小)』の世話になりそうだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


≪うわ、マジかよ!?≫

「マジだ。それで今、佐夜はここにはいなく、リオの付きそいでアルゴノートに戻ってるそうだ」

 一方、佐夜がリオを、セーラがティーナに説明してる間、健太は他の宿に分泊しているクラスメイト全員にRAINで一斉通知した。

 で、そうすると当然折り返しの文や直接電話で掛けてくる奴もいる訳で、今は覚助に説明中。ちなみに電話越しだが覚助の後ろで御剣の「煩いでござr──」という言葉が聞こえる。

 そんなこんなで覚助にも説明を終えた健太は今日17回目の通話を終了する。


「もう一生分の電話をした気分だ。RAINで皆に送ったの失敗した……」

 と言いながら健太はベッドにダイブし、そのまま寝落ちた。

 寝落ちる健太のスマホがまた鳴るが、健太はもう夢の中。

 おやすみなさい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 で、翌日。佐夜とリオが不在の中、3組の生徒達は一度街の外に出て集合し今日からの予定を話す。ちなみに皆がいる場所には科学的認識妨害装置が設置されている為、魔法使いでも見破れない。

 本来はこの世界の調査と被召喚者や次元転移者の保護を半々で行うつもりだったのだが、昨日保護した男性から聞いた話だと、この世界には相当な数の日本人が次元転移に逢って奴隷や難民になったり、勇者召喚された者が『多種無双』している事がこの時点で分かり、急遽予定を変更する事が告げられる。


「「「「「次元迷子者の保護優先?」」」」」

 そう、まず真っ先にやるべき事が次元転移による次元迷子者への保護だ。


 昨日の騒動後、調べた結果。この世界では異界人の扱いは酷く、知識を持っている者は知識を搾り取られ、体力のある大人(ほぼ男性)は労働奴隷、女性の美人系は言わずもがな娼婦に回され、それ以外の奴はそこら辺にポイされるらしい。昨日の男性も労働には向かないからという理由で解雇され、近くの街を彷徨っていたらしい。まぁ、それが結果として救われる形にはなったけど、あと少し遅かったら命が危なかった可能性があった。


「次元迷子者の保護を最優先としまして現地人への干渉制限も解除されます。これによって強制労働されている者や奴隷になっている者を無理矢理奴隷から解放することが出来、尚且つスマホのアプリに『保護転送アプリ』をアップデートしましたのでご確認を」

「う……転送かぁ」

「あれ正直キツかったよな………」

「あれ、思い出したら吐き気が……」

 昨日の転送による体調不良を思い出し、一部の生徒達の顔色が悪くなる。


「あ、でも転送するって事は自分達は転送されないって事?」

「その通りです。これはあくまでも対象者を転送するだけでスマホ使用者は転送されません。なので転送酔いが慣れていない皆さんでも大丈夫ですっ(ふんす)」

 何を自慢げに言っているのか分からないがティーナが胸を張って言う。正直リオと同じ年なのであまり胸は無いが。


「それと他に明らかな地球人(主に日本人)の死体の回収(・・・・・)もお願いしますね」

「「「「「え゛……?」」」」」

 そして急にぶっこんで来たぶっとんだ内容に生徒一同皆固まった。


 というのも、流石にこの世界に異界人の死体を放置する訳にもいかず、更に元の世界では転移者の家族が被害者の帰りをずっと待っている可能性があるのだ。既に死んでいるのに生きていると思い込んで生きるのは辛過ぎるので、せめて土に還るなら元の世界で逝った方が良いだろうというのが協会の判断だ。ちなみに死体も残っていない場合はどうしようもないので無理(魔物に喰われた場合とか)。


「と、いう訳で今日からしばらくの間は次元迷子者の保護、または死体の回収をメインにやっていきますが、それとは別に勇者には気を付けて下さいね」

「「「「「勇者!?」」」」」

 と聞き、皆は思わず正義と優李と見る。2人は「な、何!?」とギョッとする。


 言わずもがなこの世界でも勇者召喚は行われた形跡があり、次元迷子とは違って召喚特典として翻訳魔法が掛けられており会話には支障が無く、更には祝福(ギフト)も与えられているのでそこら辺にいる一般人や衛兵、下手したら近衛騎士よりも強い。

 故に次元迷子は元の世界に帰りたいだろうが勇者は寧ろ非現実なこの世界を気に入った可能性がある。そうなれば帰りたくないだろうし最悪戦闘になる上、相手がこちらより強ければ死ぬ可能性がある。まぁ、1回だけなら死んでもおKなのだが、自分達みたいな元の世界に連れ戻す存在が相手にバレれば隠れられてしまう恐れがあり、非常に面倒臭くなる。


「勇者と次元迷子は見た目じゃ分からないと思いますが行動で大抵分かります」

 次元迷子者の殆どは現地人との会話が出来ない為、主に不安げな表情をしている者が多く(翻訳アイテムがあれば別だが)、勇者は会話は出来るし一般人よりもはるかに強いので自慢げな表情をしている者が多い。

 故に勇者は我が物顔でこの世界を徘徊している場合が多いので、見かけた時の行動を観察すればすぐ分かる。


「Nn~、なるほど、同じ勇者でも正義達とは違うと思った方が良いと」

「おい、俺を引き合いに出すな」「ボクを引き合いに出さないで」

 マックの納得顔に2人がツッコむ。微妙にツッコむタイミングがズレたので同言出来なかった。


 という訳で3組の最初の活動は東の国に次元転移して来ている次元迷子を保護する事。その際、騒ぎになる事も想定して動く。万が一、生きている者を隠されたり勇者呼び出されたら面倒なので。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そしてその後、3日間で56人もの次元迷子者を発見し、保護した。その多くは学生でその内何人かは完全に精神が壊れている者もいた。恐らく過剰な暴行を受けたのだと思われる。それよりは比較的無事だった者もすっかり人間不信になっていて、協会の者が話しかけても野良猫の様に人見知りを発動し、中々保護する事が出来なかったのだ。

 で、当然それ以外にも死んでしまい、屍となった者(中には腐敗したり一部白骨化していた者もいた)も回収し、後日身元を確認して元の世界に還元する予定だ。


 だがここで協会の先輩達及び教師達達にも予想してなかった事態が発生する。


 事は次元転移でアンヴェに着いた(飛行機や電車事故など)時点で既に死んでいた者、もしくはその後に死亡したり誰かに殺された者達の集合墓場で遺体を回収した時の事だった。

 そこにやって来たのは死体を他の生徒よりは見慣れている椿姫と詩織、御剣と覚助、そしてマックだ。

 皆が嫌そうな顔で遺体やバラバラになっている身体の一部、骨などを回収しているその時にそれは起こった。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴg──────


「な、何でござる!?」

「地震……いやこれは………」

 慌てて壁に手を付き転倒を防ぐ御剣と覚助。

「……来るぞ、下だ!」

「「「「っ!?」」」」

 椿姫の指示にて4にんは一斉に遺体置き場の穴から脱出する。


 ギュロロロロロロロ─────


「何だ、一体何が起きてんだ?」

「死体が飲み込まれていく。これは一体」

「HA……まさか悪魔とか出てこないだろうな?」

「そうだったら斬ればよかろう」

「斬れればでござるがな」

 するとアレだけあった遺体が渦を巻き、蟻地獄の様にどんどん穴の中に消えていく。


「お、収まった?」

「さて鬼が出るか蛇が出るか……」

「蛇は無いだろ。どっちかっていったら『魔』?」

「Aー、アンデッドか。死霊王(アンロード)じゃなきゃいいが」

「「それはそれで面白い!」」

「「「面白くねぇ(でござる)!」」」

 ヤバい、戦闘狂の2人がワクワクしてる!?


 そんな馬鹿な会話をしている間にも死体の山はどんどん消えていき、遂に底が見えなくなった。

「ど、どうなるんだコレ?」

「さぁ?」

「う~む。撤退した方が良い気もするのだが……」

 男性陣は「何かヤバくねぇ?」と撤退も考えるが、


「いや、相手の正体を探るのも我々の仕事だろ」

「そうじゃ、このまま面白……不安要素を残したまま撤退するのは逆に危険じゃろう?」

「今ほぼ『面白い』って言いかけたよな?」

「取り繕う意味無いでござる」

 戦国娘2人のwkwkが止まらない。


 シュオオオォォォ─────…………ボコンッ!


「「「「「っ!?」」」」」

 そして穴の底で小さな爆発が起き、5人は見構える。


「~~~~、ぷはぁっ」


「「「「「………は?」」」」」

 そこから出て来た者に一同、目を丸くした。(゜〇 ゜?)こんな感じ。


「ん~~、ん? ここ、どこ?」 

 何故ならそこにいたのは小さな子供。それも髪がピンクで長いから恐らく女の子だろう。目覚めたばかりなのに凄く眠たそうな顔をしている。


「……うちは誰なのかな~?」

 そして自分が誰なのか分かっていない様子。これは一体?


「お~い。君は何者なんだー?」

「? ん~~~~~~………。分かんない。うちは誰なんだろうねぇ~?」

「いや俺等が聞いてるんだから俺等が知る訳ないだろ」

「つか寝とるし」

「ZZZzzz………」

「「「「「………」」」」」

 質問の途中で眠ってしまった少女に一同は「これどうするべ?」と顔を見合わせた。ただでさえ死体処理に手古摺っていたのにその死体が何かに飲み込まれそこから変な女の子が出て来たからだ。ティーナにどう説明すればいいのか分からない。


 という訳でこのまま穴の中で眠ってしまった少女を放置する訳にもいかず、尚、この少女がアンデッドの可能性もあるので迂闊に触れると色々と危険な可能性もあったので、ここは強烈な闇属性を持ったゼクター教諭を呼んで事情を説明し運んでもらう。


 そして搬送先はというと勿論、アルゴノートだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ゴハン美味しいです~~♪」

「あはは、ありがと」

 佐夜の作ったゴハンにご満悦の様子でアンデッドの少女はニコニコする。


 アルゴノートに搬送された少女はその後、ゼクターの判断と、鑑定アプリ、そしてゼロによるメディカルチェックを受け、触れても問題無しという診断結果が出た。勿論この子は当然アンデッドだというのが分かり、油断は出来ないので異能や魔法を使えなくする為にアンチリングを腕に着けさせている(本人の了承済み)。

 そしてその後、見た目的には汚れていないけど墓場から出現したという事で一応風呂に入れる事に。


 だがここでも問題が発生。髪は長いピンク色で肌はアンデッドらしく少し青白いが誰が見てもこの子は女の子だと皆思っていた。

 しかし忘れてはいけない。この小説には美少女だと思ったら男だったという、男の娘トラップが4人もいる事を(俺は違ぇ! byセーラ)。

 故にこの子をお風呂に入れようとしたクラスメイトの女子がアンデッドの子がずっと着ていただろう薄汚れたロンTを剥ぎ取った時に気付いた。


「お……男……の娘?」

 そこでようやくこの子が女の子ではないと気付き、アルゴノートは第5の男の娘出現に沸いた。佐夜とリオという例がある為、このクラスでは男の娘耐性が非常に高く、逆に佐夜達は女子達から貞操を狙われる危険があるのだがここでは割愛。


 なのでここは同じ男の娘という訳で佐夜の出番になった。

 正直今の佐夜はリオがダウンした事で時間的にそんなに余裕は無かったが、アンデッドの女の子……もとい男の娘をこのまま放置する訳にもいかないので、仕方なく佐夜はリオの世話を同じクラスの女子に任せ、佐夜は風呂場で遊び暴れるアンデッドの男の娘【アニカ(みんなで募集して決めた名前)】をお姉さん宜しく叱りつけながら宥めてアニカの身体を洗いまくった。

 その事がきっかけでアニカはすっかり佐夜に懐き、食事の時もずっと佐夜を見つめながらニコニコしている。


 一方、佐夜はリオの方も心配なので早くリオの看病に行きたかったが懐くアニカを邪険にするわけにもいかないので仕方なくアニカの相手をしていた。


 するとそこに、

「さ……さやや?」

「……リオ?」

 世話をしていた女子の目を盗んで抜け出してきたのだろう。リオが食堂の入り口に立っていた。そして佐夜の腕に抱き付きながら猫みたいに顔をうりうりしている奴を見てリオは絶句していた。

 その顔にはまさに「寝取り? 寝取りなの?」と言わんばかりに信じられない表情をしていた。


「? 君は誰なのかな?」

「リオだよ。君は?」

「うちはアニカ~、さーやの妹~♪」

 そしてお互いの自己紹介の際にアニカが放った発言にリオの顔が引き攣る。


「──やの、……さややの妹はぁ、リオだけだぁー!!」

「え、ちょ、リオ!?」

「っ!?」

 そして突然現れたNTR魔にキレたリオはそのままライオンが餌に跳び付くが如くアニカに襲い掛かり佐夜からアニカを引き剥がす。


「ちょっと何するの~!?」

「うっさいこの泥棒猫、リオが成敗してくれるわぁ!」

「やれるものならやってみるがいいの~」

 そしてリオは怒り心頭な顔でアニカを睨むがアニカはニコニコ顔のままファインティングポーズを取る。


「言ったなぁー。ていてい、てゐ!」

「やぁやぁやぁ~」

「あ、あれ?」

 てっきりリオはルイにやった様な嫌がらせ忍法で攻撃するのかと思ったが、そうじゃなく、アニカと同じ猫パンチみたいな攻撃をしている。


「あ、リオちゃんここにいた!」

「千堂さん……」

「もう佐夜ちゃん、私の事は『わかな』でいいよってば~」

「ああうん、わかな。で、どうしてリオが起きてるの?」

 アニカの面倒を見る前には確かリオは寝ていた筈。そして佐夜の代わりにわかなが面倒を見ていた筈だ。


「何でもリオちゃん突然起きて、「さややの周りに不穏な気配を感じるぅ~」って言いだしてね。ちょっとヤバかったからゼロさん呼ぼうと目を離した瞬間にね」

「逃げ出した訳、ね」

 どんだけ佐夜の事が好きなんだ、とわかなは思った。思いの力って怖いねぇ。


「うりゃうりゃうりゃうりゃぁー!」

「うにゃぁ~~~♪」

 リオはやや本気の猫パンチに対しアニカは遊び相手が出来たのか戯れているだけなので先ほどちょっと焦った佐夜とわかなはその2人を見て溜息を付きつつも笑顔がこぼれた。


 どうやらアニカの出現でリオの心に少しだけ余裕が出来たらしい。良かった。



やはりリオはこうでないと。つか今回佐夜の出番少ねぇー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。