第1話 ~新艦・アルゴノートにて~
はい、第6章です。今回は現地に入る前の3組の仲間達による会話イベントです。
正直普段よりは長いっす。
【亜空間1042.2092.8735地点辺り】
ゴオオオオオオオオオォォォォォォォォ─────
只今、亜空間内で261期生3組の面々が3組専用の艦【アルゴノート】で研修先の世界に向かっている。
初めは久しぶりの亜空間を窓から見てワクワクしていた3組の面々だがすぐに皆飽きて、今はそれぞれ現地での準備をしたり食事(雑談)をしたり緊張をほぐす為に寝たりお風呂などのリフレッシュをしている。
ちなみに【アルゴノート】とはギリシア神話(?)にでてくる物語(?)から取った名前らしく、この艦が出来た時名前を募集した所、いずみがこの名前を出して満場一致で決まった。ここにきて初めて活躍したのが嬉しかったのか、いずみは顔が破綻している。とても人には見せられない顔だ。
※:ちなみにアルゴノート関連の詳細は詳しく話すと長いので省略。
「ふんふふ~ん♪」
艦内の廊下を風呂上がりの佐夜が鼻歌で歩く。何だかご機嫌な様子だ。
「お、佐夜どうした? やけにテンションが高いなー」
「あ、覚助。まぁねー。なんせ久しぶりに外界に出るからね~♪」
「……また性格変わったのか佐夜?」
「あははは、まぁね」
呑気に廊下を歩く佐夜を覚助が発見するが佐夜の性格がまた変わった事で眉を顰めた。何回性格が変わるんだこいつ?
何でも昨夜、艦内の食堂にて前に並んで食券を買った月の超激辛麻婆豆腐と同じ麻婆豆腐(あまり辛くない方)を頼んだ佐夜は間違えて月の超激辛麻婆の方を受けとってしまい、それを食したが故、あまりの辛さと痺れによって気絶し、目が覚めたらこうなっていたらしい。
「あー……あれは人死にが出るくらいヤバいよな……」
「だね。ショックで僕の性格が変わっちゃったくらいだし……」
「そもそも何で超激辛麻婆豆腐がメニューにあるんだ?」
「多分誰かの強い要望があったんじゃない?」
「誰かって誰があんなの食うんだよ? 無謀にも実際アレ頼んだ月だって一口食っただけでその衝撃でぶっ倒れたって聞いたぞ?」
「うん、僕も目が覚めてリオから聞いた。月さん、結構辛い物好きだったらしくてアレ頼んだそうなんだけど、あれ食べてから未だ気絶してるらしいよ?」
「無茶しやがって……」
「そのセリフの用途、間違ってない?」
そのセリフは基本、低レベルの奴が高レベルのモンスターに無謀にも突貫し、瞬殺された時に使うんじゃないか? 気を失うという点では同じかもしれないけど。
「でまぁ、それはそれとして、外界に出るのがそれほど楽しみなのか?」
「そりゃそうだよ。だってイニシエに閉じ込められて(?)もう半年は過ぎてるんだよ? 久しぶりに外界に出れて何かこう……すっごい解放感と言うか、溢れるパッションが止まらないと言うか、内なる欲望が湧き出てくる感じ!?」
「……何が言いたいのかさっぱり分からんが、凄く興奮しているのは理解したから少し落ち着けっ」
「みゃふっ!?(×_×)」
他の生徒とは違ってイニシエに来るまで3~4つくらいの世界を渡った佐夜にはイニシエにずっと閉じ込められるという環境は少々窮屈だったらしく、研修とはいえ外界に出た事で今まで抑えていたテンションが決壊し、ややおかしくなっているので覚助はチョップをかました。
「う~、酷いよ~」
「そこまで強く叩いてないだろ。それよりも今からそんなテンションだと現地に着いた時バテるぞ?」
「それは分かってるよ。でもさ(ふんすっ)、分かっててもこうワクワクが止まr──」
「だから落ち着けっての」
「にゃあっ!?(×_×)」
今度は少し強めのチョップ。佐夜は猫みたいな声を上げた。ちょっと痛そう。
「ったく。お前までそんなテンションだとリオが2人になったみたいじゃないか」
「そこまで!?Σ(°д°)」
リオと同類扱いされた事で佐夜はショックを受けた。確かにリオはいつもこんな感じのテンションなので今の佐夜と若干キャラが被る。2人共男の娘だし。
「わ、分かった。少し落ち着くとするよ……(´・ω・`)」
「……その顔文字も止めろ」
「はい……」
そしてようやく佐夜のテンションが落ち着いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
その後2人でロビーに行き、自販機で買った飲み物を飲みながら駄弁っていたら何故か女子の制服に身を包んだ清良が椿姫と詩織に追われ逃げてきた。
何故追われているのか理由は分からないが、そんな格好の状態で涙目で「助けて」と言われたら助けない訳にもいかない。by覚助
なのでとりあえず清良を自販機の裏に隠れさせ、清良を追ってきた2人には「あいつならそのまま真っ直ぐに逃げて行ったぞ?」と言い、その場を誤魔化して清良を助けた。
「た、助かったぁ………」
2人が去ってその気配も消えた事で清良はようやく自販機の裏から這い出て来てへたり込む。
「……さっきは追われてたから聞かなかったけどさ。何で女装してるの? 似合ってるけど」
「自分の意思で着たんじゃない! 椿姫と詩織に無理矢理着せられたんだ!」
「あー。それで逃げて来て2人が追っていたのか。……それにしても女装、似合ってるな」
「女装が似合う言うな! そういうのは佐夜とリオに家(誤字)!」
「うわ矛先がこっち来た!?Σ(°д°)」
長いモミアゲが目立つ文学少女っぽい清良ことセーラが怒鳴る。
「OH? 佐夜達がいるぞケンタ」
「んを? おー、何か珍しい組み合わせだなー」
するとその声に導かれたのか健太とマックが参上。
「……で、セーラは本格的に女装に目覚めたん?」
「んな訳あるかー! というかそもそも俺が女装するきっかけ作ったのお前達だろ!」
「そだっけ?」
そして健太が清良に問うと清良が吠えた。
※:詳しくは5章のQ&Aにて。
「それで健太達は何処に行くの?」
「ちょっと身体を動かしにトレーニングルームにな。……それより佐夜、また(性格が変わったの)か?」
「ああ、何でも昨夜の麻婆豆腐事件でこうなったらしい」
「Oh……あれはヤバかった……」
「ああ、あの辛さは正直死ぬ……」
佐夜の性格が変わった原因を聞き、清良とマックが遠い目をした。というのもこの2人は昨夜の食堂にて佐夜と月が麻婆を食してぶっ倒れた後、その麻婆に興味を持ってしまい、(一応スプーンは変えて)月がギブして残った麻婆を一口食った直後、口の中が爆発したかのように2人は気絶はしなかったがその場でのた打ち回り、辛さで口が痛く、痺れで身体が動かず麻痺状態に陥った。
ちなみにその後、マックは健太に、清良は椿姫達に運ばれて行ったのだが、清良はその後眠るかの様に気絶したのをチャンスと見た椿姫達が寝ている清良を女装させ、目が覚めた時には既にこの格好だったらしい。で、今に至る。
「せっかくここで会ったんだ。お前達もトレーニングルームに来るか?」
「あー、僕はいいや。お風呂入ったばかりだし」
「俺も飯食った直後だし」
「俺は……言わなくても分かるだろ?」←清良(女装ver)
「「「「「ははは………」」」」」
「……いっそ普通に笑うか黙っててくれんかね!?」
女装しているが故に動きに制限が掛かる清良にみな苦笑し、清良がツッコんだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「詩織、せーらはいたか?」
「いない。どうやら見失ったようだ」
一方、清良を追いかけたが先ほどの自販機辺りで清良を見失った2人は園庭で落ち合う。ちなみに椿姫の清良の呼び名が『セーラ』になっているのはどういう事なのだろうか?
※:ヒント。椿姫(足利義輝)には可愛い弟がいます。
「あら、お2人さんどうかしまして?」
「ぬ? 花蓮か」
「何をしてるのだ?」
「……見れば分かるのではなくって?」
すると園庭の丘辺りで優雅に紅茶を飲みながら読書をする宝堂院花蓮が声を掛けてきたが2人には花蓮が何をしているのかが分かっていない様子。
ちなみに残念ながら紅茶はカップではなく紙パックの安物。
「委員長よ。ここにせー……清良の奴来なかったか?」
「七原さん? いえ、見ておりませんが何かありましたの?」
「い、いや、見てないのならいいっ」
「うむ。何でもないぞ!」
「???」
まさか清良に女装させて愛でているなんて言える筈が無く、2人は慌てて会話を打ち切った。
「ところで2人方は研修への準備は終わりまして?」
「準備? ああ、既に完了しているがどうかしたのか?」
「いえ、ちょっと他の方がどんな物を準備をしているのか気になったもので……。ちなみにどんな物を持って行くのか聞いても宜しいかしら?」
「いいぞ。ほれ」
と、花蓮のお願いに詩織が了承し、その場で『収納空間(小)』からある物を取り出す。
ガシャガシャガシャ─────
「………何で荷物の殆どが『銃』なんですの? それもとても詩織さんが使いこなせそうにない物ばかり……」
花蓮が額に手を付いて盛大に溜息を付いた。
何故ならそこにあったのは多種多様な大量の銃。
それも織田信長である詩織がいた時代には絶対に無い現代式のリボルバーやマガジン式の銃にショットガンとライフル、ガトリングガンにロケットランチャー。おまけに近未来御用達のレールガンやフレイズガン、メテオガンなども入っていた。勿論、旧式の火縄銃も色々あるがどう見ても現代以上の物より性能が劣る。
ちなみに銃が多種多様なだけあって弾も色々あり、中には魔力がこもった物もあり、管理には気を付けないといけない。
「うむ。これは所謂『これくしょん』というやつだ。まだ全然使いこなせてはいないがwww」
「笑ってる場合ですか! どうするんですの使いこなせないのにこんないっぱい……」
「だからこれくしょんだ! 戦場では勿体ないから使わん!」
「意味無い!?」
そもそも織田信長は戦国時代では珍しい銃愛好家なのだ(諸説あり)。ゆえに使う使えないはあまり関係ないのだ。
「……まさかとは思いますが椿姫さん。貴女も収納の中身、刀とか刃物ばかりでは?」
「ん? 良く分かったな?」
「おぅ……orz」
まさかの正解に花蓮は思わずorzした。
「馬鹿だ。この2人……馬鹿ですのっ」
「む、失礼な」
「そうだ。これのどこが馬鹿なのだ?」
「全部ですっ!」
「「っ!?」」
改めて椿姫の持つ収納も全部出し、それを見た花蓮がキレた。
まぁ、そりゃキレるわな。だってその中身は全部武器関係しか入っていなかったから。食糧とか着替え、日用品や金塊が一切入ってないからだ。ちなみにスマホの方の『次元収納(小)』も同じ様な物が入っていて、これまたそれ以外の物が無い。
「これじゃ研修先でお腹が空いたらどうするんですの?」
「そこはほれ。現地の者から貰うなり強請ればよかろ?」
「よかないです! そういうのは禁止されてる筈ですよ!」
「何とっ!?Σ(°д°)」
「何でビックリするんですか!?」
まさか協会の理念を思いっきり無視するかのような発言に花蓮が何時になく吠える。ここにきて他人への強請が禁止されている事に気付いた椿姫は目を丸くする。まさにエポックメイキング。
「これじゃあ全然参考にならないではありませんか……ってアレは……」
「確か詩紗だったかの?」
2人が来てから精神的に疲れてきた可憐だったが、ふと視界の先に光野詩紗を発見する。
「ふむ……我々だけでは参考にならないのであれば他の者にも聞いた方がよいな。ちょっと呼んでくるか」
流石に可憐に指摘されたが故、他の人の持ち物を参考にしようと詩織が詩紗を呼びに行き、やや強引に詩紗を連れてきた。
「もう、急に一体何なのよ!?」
「あははは……」
やや強引に連れてきたので当然詩紗は若干お冠だ。
とりあえず花蓮は詩紗にも研修先への荷物チェックをお願いし、可能な限り出してもらった。
「……なるほど。着物や下着は多めに持って行った方がよいのか」
「食糧もなるべく日持ちする物を選び、水も多めが良さそう……か」
花蓮の持ち物と共通する物をピックアップし、どれを重心に持って行ったらよいのかを椿姫と詩織は既に慣れた手付きでシャーペンを使い、達筆でメモ用紙に書き込んでいく。筆に慣れてるので凄く字が上手い。
「ん? この本は何……だ…………!?」
すると椿姫が詩紗の衣類の下に隠れていたある薄い本を発見し、それをうっかり開いて見てしまい、石化した。
「え? ああっ!? それ見ちゃダメ!」
と言いつつ椿姫から薄い本を奪い取るが時すでに遅し。
「……どれどれ?」
「ってまた!?」
「っ!?」
奪い取った先から今度は詩織にその薄い本を奪われ、詩織も石化した。
「……まさかとは思いますが詩紗さん、その本は───」
「何でもない! 何でもないから! 何も無かった! いいわね!?」
「え、あ、はい………」
捲し立てて誤魔化す詩紗に花蓮は悟って了解した。
ちなみに椿姫と詩織が見てしまった薄い本は所謂同人誌というやつで、どんなジャンルの本だったのかは詩紗の好みがバレるので秘密だが椿姫と詩織が石化した事から分かる人には分かるだろう。
そして詩紗はそのまま石化したままの2人を置いてそそくさと逃げる様に帰って行った。
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ブリッジにて────
「ん~~~~~っ!!」
非戦闘員で、かつOPに任命したいずみがメインモニターのデバイスから手を放し伸びをする。
いずみは一応、全体戦闘訓練は参加したが異能持ちではない上、魔法の才能も無く、更には運動能力もそれほど高くはならないので自動的にOPになったが、本人はそれほど気にはしていない。寧ろ「危ない所に行かなくてラッキー♪」と意気揚々と事務作業を先輩OPに習う。
ちなみに3組にはいずみの他にも後16人ほどが1次戦力外通告を受けてOPになったが、その中にはなんと真桜も含まれていた。
「真桜、お疲れ様。大丈夫? 辛くない?」
「大丈夫だってお姉ちゃん。心配性だなぁ」
「だって真桜、魔王じゃない。魔王がOPするなんて前代未聞よ?」
「それはそうだけどしょうがないよ。だって真桜、まだ自分の力を制御出来ないんだもん」
「まぁ、確かにな。満足に魔力制御出来ないで調査に出て戦闘になった時、下手すりゃ仲間を巻き込みないしな。魔王としての魔力をちゃんと制御できるまで待機しつつ、ついでにOPを習っているって事だな」
「分かってるのならわざわざ言わなくてもいいでしょ正義お兄ちゃん……」
「分かってても一応読者にも説明しないとな」
「読者って誰よ?」
未だちゃんと魔力制御出来ないのでOP業務を習っている真桜とその保護者である愛沙と正義がブリッジのモニター前で駄弁るのを伸びしたいずみがチラ見する。どうやらあの仲良し義兄妹3人組が羨ましいっぽい?
すると、
「まさかの時のス〇イン宗教裁判!!(怒)」
「ぶふっ!?」
「「「「「っ!?」」」」」
仲睦まじい3人を横目にコーヒーを飲んでいたら突然詩紗が訳の分からないセリフと共にブリッジに入って来たのでいずみはコーヒーを吹き出し、正義達や他のOPの子達は皆、ギョッとした。
そんな中、突然やって来た詩紗はキョロキョロと周りを見渡し、とある人物にロックオン。
「いーずみーー!!(怒)」
「な、何? 何でいきなり怒ってるのさ?」
怒る詩紗はともかくいずみは何で詩紗が怒っているのか分からない。詩紗もいずみのその態度から何で怒られているのか分からない様なので小声で説明する。
ちなみにこの2人はイニシエの寮でも同室で、たまに衣類や下着などを貸し借りしている。
そして問題となっている薄い本だが先日いずみが詩紗からシャツを借り、後日薄い本が読みたいという事で詩紗から同人誌を借り、その本を返す時、ついでとばかりにシャツも一緒に返したのだ。
といっても直接手渡しで渡したのではなく、研修先用の準備の時、少し手が離せない状態の詩紗の代わりに詩紗の収納にシャツと同人誌を入れておいたのだ。いずみ的にはサプライズ&暇つぶしにはなるだろうと思っていたのだが、まさか持ち物チェックで椿姫達にそれを見られてしまったなんて思いもしなかったのだろう。
詩紗の方もまさかこんな所にこれが紛れ込んでいるなんて思いもしなかったのか急いで持ち物を回収し、花蓮達の前から撤収したが後日変な目で見られるのは間違いないだろう。そう思うとこんな事をしたいずみに怒りが湧き、こうしていずみがいるブリッジに乗り込んで来たのだ。
「あ、あはははは……まさか他人にそれを見られるなんてね。誤算だったわ」
「笑ってる場合か! どうするの、これじゃあ私『腐った魔法少女』って呼ばれるじゃない……(orz)」
「別に間違ってないでしょ?」
「誰の所為でこうなってると思ってるの!?」
「あ、すみませんごめんなさい謝るから変身しないで」
ゴゴゴゴ……と詩紗の背景に闇が立ちこもり、詩紗が変身アイテムをかざす真似をしたのを見ていずみが慌てて謝罪した。
「全く……一体何の騒ぎでござるか?」
「喧嘩デス?」
緊急時でもないのに騒がしくなったので同じOP業務を習っていた御剣とロッテが会話に入り込んで来た。
この2人は一応現地に赴くメンバーなのだが、OPにも興味を持ったらしく、自分からOPを習いに来たのだ。まぁ、教会もOPの数が多いに越した事は無く、万が一非戦闘員のOPが全滅した事を考えれば戦線メンバーの何人かも習っておいた方が良いだろうという判断でこの2人にも教えているのだ。
「な、何でもないわ。この馬鹿が私の荷物に変な物を紛れ込ませた所為でちょっとした騒ぎになっただけよっ」
「何でもないという割に結構自分から話すのでござるか……」
「うっかり属性デス?」
「う、うっかり言わないで!」
「ぷぷぷ……うっかり魔法少女(笑)」
「っ!(睨)」
「あ、ごめんなさいだから変身しないでってば!」
何となく変身直前だったのを慌てて止めた。まさか怒りに任せ、みんなの前でフリフリの魔法少女に変身させて友人を羞恥に晒す訳にはいかないから(byいずみ)
「うーっす。……何騒いでんのお前等?」
「あ、月さん。……どうしたのそのマスク?」
次にブリッジにやって来たのはマスクをしたヤンキー月だ。ぶっちゃけ不良にマスクはダメだろう。不良度が極まるわ。ちなみに月に対応したのは同じ非戦闘員OPの子(名前は【千堂わかな】)。
「いや、昨日の麻婆の所為で喉をやられてな。まだ少し痛むから付けてるだけだ。それよりこの騒ぎは?」
「それが───」
月が千堂わかなからいずみ達の事情を聞き、「くだらね」と溜息を付きつつギャーギャー騒ぐいずみ達の元へ。
「大体貴女がこんな物をシャツの中に入れるから───」
一方、ブリッジに月が入ってきた事にも気付かないいずみ達は詩紗が原因となった物を手にいずみに迫る。ちなみにこの本の表紙も結構過激的な絵なので表紙カバーで隠している。
「何だこの本?」
「あ……」
「ああっ!?」
そして月の存在に気付いた時にはもう詩紗の手にあった例の物は月の手に奪われ、その本の中の内容が露になる。
「っ!? ぶっふぁ!?(吐血)」
「きゃああ、月さん!?」
「いやぁああ、私の本が血まみれに!?」
その内容を1ページ捲っただけで月は鼻血ではなく吐血し、マスクが真っ赤に染まった。いずみはともかく詩紗は同人誌の心配かい。
「や、ヤバいでござる。1ページ見ただけで吐血するとか……」←御剣
「きょ、興味はありますが見ない方がいいみたいデスね……」←ロッテ
「そんなことより衛生兵、衛生兵を呼ばないとっ」←わかな
「呼んだ?」←愛沙
1ページ見ただけであの破壊力を持つ例の物に興味を持っていた御剣とロッテは逆に恐怖を覚え、吐血したまま動かなくなった月を介護するために回復師を呼ぼうとしたわかなだったが、偶然ここには愛沙がいた為事なきを得る。つか2日続けて気絶とか。
「相変わらず騒がしい連中だなぁ」
「お兄ちゃんもその一員でしょ」
そんな騒がしい連中を見て正義は微笑ましそうに眺めるが真桜にツッコまれた。
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カポーン……………
「あぁーっ。身体動かした後のお風呂、サイッコー!」
「そうだな……癒される………」
「zzzzzz」
「メメット、お風呂入りながら寝たら危ないって!」
健太達とほぼ入れ違いでトレーニングルームを後にした優李達4人は大浴場(勿論女風呂)にて湯船に漬かっていた。そして例の如く湯船で寝ている奴もいた。
ちなみに大浴場に入っているのは他に上原女史に花蓮、後はOPの何人かだ。
ガラガラガラ─────
「「ん?」」
するとそこに誰かが入ってきて優李と加奈がそこに目を向ける。
「あら、優李ちゃん達も入っていたのね?」
「え……うええぇぇ!?」
「佐夜!?」
「なんですって!?」
そこにいたのはなんと佐夜だった。それも胸にタオルを巻いて入って来た。
「ちょ、ちょっと佐夜さん!? ここは女風呂ですのよ!?」
「そうよ! いくら私達より女の子っぽい上に女子力が高いとはいえ男でしょあんた!?」
「あはは、2人共元気ね~」
「「笑ってる場合かー!」」
見た目はともかく流石に男が女風呂に入るのはマズいので加奈と花蓮が佐夜に詰め寄って言うが当の本人は笑っている。
「いや2人共ちょっと待って! ………もしかして貴女『喜屋武美里』さん? 佐夜の腕輪に憑いているあの」
「ピンポーン! 流石に優李ちゃんは気付くかー」
「「え? え、えええ?」」
流石に佐夜の様子とその気配の違いに気付いた優李も佐夜に近付く。
「って事はその身体は女性化してるよね?」
「当たり~。ちなみに佐夜の意識は寝てるから無問題よ」
「なら大丈夫ね。じゃ、一緒に湯船に入る?」
「いいね。前々から私の霊体が見える優李ちゃんとは一度キチンとお話ししたかったのよね~♪」
と、優李は自分だけ納得し、佐夜こと美里を勝手に湯船へと導く。
その後、騒ぐ花蓮達やその後に入ってきた者達への説明をしながら喜屋武美里は久しぶりの肉体でのお風呂と新しく出来た友人達との会話を楽しんだ。
後日、女子達の佐夜を見る目が更に女の子寄りになるとは佐夜自身、女の子達によるお花摘みに一緒に行かされそうになるまで気付かなかったそうな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~サービスカット?~
リオ「ふんふんふ~ん。んむ?」
ベッドでうつ伏せになりながらピザまんを頬張り、忍雑誌を読むリオ。ちなみにその恰好はネグリジェ。
楓(はぁ、はぁ………リオたん萌えっ)
リオ「んむっ!?」
オチ無し。
次回は幻想界【アンヴェ】に到着します。




