第22話 ~男の娘LOVER(ライセンスの種類)~
今回はイニシエで取れる免許の話。
……なんですが、講師が楓なので、リオの身が危険です。
佐夜は未だ医務室で寝てます。
「はぁ……はぁ……っ。リオ可愛ゆすっ。可愛ゆすっ」
「やんっ!? ……もう、楓姉ぇ。みんなの前だよぅ?」
「「「「「「な、何事?」」」」」」
ハーマン氏のトラウマ的マッスル講習(笑)が終わり、未だ気絶中の佐夜を医務室の者に任せたリオと月が教室に戻ってきたその瞬間、リオの帰りを待っていたとばかりにリオの背後を取った楓がそのままリオを抱きしめてhshsする。
セクハラされているリオもいきなりの事でビックリはするが割といつもの事らしく慣れているのか嫌がった様子はなく、寧ろ教室のみんなに見られている事に対してちょっと恥ずかしがっている。
「あの人って確かミシバイクロで見たリオちゃんの上司の人……だよね?」
「初見の時は忍らしく寡黙な人だと思っていたけどな……」
「うん……オン・オフの切り替えが超激しいよね……」
3組の中では唯一、皆より先に出会っている正義達が楓を見て引いている。
確かにミシバイクロでの任務中の楓はキリッとしてて、忍らしく寡黙ながらも言うべき事は必ず言い、部下達への指示もバッチリだし、何より色んなランキング(上司にしたい、お姉さまにしたい、その他act)で上位を取るほどの人気がある。
───のだが、それはあくまで任務中の時だけだ。
オフの時の楓は結構気さくな人で、部下達や透やユフィなどとも遊んだりしている。
そんな気さくでコミュ高な楓が唯一、愛してやまないのが『男の娘』へのLOVEだ。
実際、R18的モザイク処理が必要な行為まではしないのだが、その代わり他の事は色々される。それはもう相手の男の娘がお嫁(?)に行けなくなるくらいの事は。
ちなみにリオが男の娘に成ったのも楓が原因なのだがそれはまた別の機会に。
それくらい変態時の楓の指使いはイヤらしいのだ。
「はぁ、はぁ……も、もう我慢出来ないっ。リオ、もう食べちゃってもいいよね(はぁはぁ)」
「だーめ。講習が終わるまではお預けだよ楓姉」
「ぶ~。……じゃあせめて匂いを嗅ぎながら耳を甘噛み(hmhm、hshs)」
「にゃあ!? だからみんなが見てるってばぁ~」
生徒達が見ているのにも関わらず変態行為を続ける楓とリオに皆は顔が引き攣った。あ、いや、男子達はどっちかと言うと赤面しつつ下半身を押さえている。
「ちょ、ちょっと上条先生! いい加減シャキッとしてくださいまし!」
「はっ!?」
そこにようやく声を掛けたのは再び委員長の座に就いた宝堂院花蓮だ。その花蓮の言葉にようやく我に返った楓がリオから離れ、身動ぎをし、呼吸を整えてこう言った。
「こほん……この様に突然何が起きるか分からないので注意する様に」
「「「「「「「いや何が!?」」」」」」」
無理矢理締めた楓に皆がツッコんだ。色々な意味で。
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「え~っと……大変お見苦しい場面を見せて申し訳ない。何分、リオに会うのが1週間ぶりだったからテンションを押さえられなくてな……」
苦笑しながら楓は言い訳をした。
「じゃあ早速始めるけど……全員いる?」
「あ、楓姉、さややはいないよ。Rにセクハラされて医務室で寝てるー」
「……一体さっきの時間、何があったのさ?」
ハーマン氏の筋肉祭り(笑)での騒動後、皆の混乱が収まったのと同時に入って来ていた楓には何が起こったのかは知らない。
さて気を取り直して本日2つ目の講習は『ライセンス』。
「この世界で取れる免許は全部で8つ。まずは無双者を取り締まる為の3つ……えっと、これをこうして………、あ、これだ」
慣れない手付きでデバイスを操作する楓。物体があるスマホとかインカムならともかく空中に出現するデバイスには結構悪戦苦闘している様だ。
まず1つ目は『リグ・セイバー』。
次元迷子者を保護・守護したり、防衛戦などの壁役、各世界での異世界人達による被害後の救護・支援などを主に担当する。このクラスで該当するのは愛沙と佐夜。他でいうとユフィとゆかり|(機関所属)が該当。
2つ目は『セル・ウォッチャー』。
所謂、情報を集める諜報員的な役回りだ。観測・監視は勿論、各世界にいる管理者である神との情報連携もこなす。このクラスでウォッチャーに適任なのは加奈と御剣。他にはゼロや義信、ヴァンや楓などセイバーに比べると割と多い。
3つ目は『ダウ・ハンター』。
文字通り、討伐・制裁・駆除・執行を担当する戦い専門。場合によっては相手を殺す事も視野に入れる。だが、稀に世界破壊者とかち合って逆に命を落とす事もある危険な仕事。諜報や防衛に向いてない者は必然的にこれを取得する。
「ちなみに私は『ウォッチャー』と『ハンター』の2種を持っているが、3種を持っているのはマロンだけだ」
「流石、りじちょー!」
楓の言葉にリオが乗った。つかいい加減、『理事長』くらい言えや。
基本的にヴァンもイオン、ゼロやハーマンも2種までしか取れていない。流石にセイバーとハンターではやる事が真逆だからだ。
「ちなみにセイバーやウォッチャーは免許無しでも活動が可能だが、ハンターは免許無しでの活動は禁止されている。勝手な殺しはご法度だからな」
両手で大きく×印をし、持っていない免許の活動は控える様に言う。
「さっき免許を取らなくても活動は可能と言ったが、免許を取る事で良い事もある。それは何だと思う……優李?」
「うぇ!? え、えっと……ここの暮らしでの待遇が良くなる?」
「……30点」
「うぐ……っ」
いきなり指名された優李が何とか答えるが、それは正しい答えは無い。
「確かに免許を取ればここでの暮らし……言わば給料が格段に上がる訳なんだけど、免許を取って出来る事は他にもある」
そう言って楓は2、3度画像の切り替えを間違えながら本来の画像を出す。
この3つの免許をそれぞれ取って出来る事。
1、単純に給料が上がる。これはどの職業でも同じだろう。
2、自由に世界を出入りが可能になる(局地的遊行艦持ちだけ)。1つも免許を持ってない場合は免許を2つ以上持っている者とならば同行して各世界へ入ることが出来る。
3、イニシエの管理人、如月マロンからの加護が増える。1つも免許を持ってない場合は『1回だけ即死・致命傷を無効化する』加護が与えられる(現時点で全員が対象)。1つずつ取る事でどんどんマロンからの加護が増える。これは他の世界に行っても有効。
4、機関の本部である『ベルマハガルタ』への出入りが可能になり、機関との情報共有も可能になる。免許無しの時は出入りすら不可。
5、スマホの拡張機能が解放される。
6、寿命が2~3倍増え、『不老』となる。その際、寿命が迫っていれば一週間前から体力の衰えが激しくなる。
7、その他act……
「今はまだスマホで使える機能も少なく、また教育の最中なので給料は出ないが、いずれはこの3つの内どれかを取れば色々出来る事も増えるだろう。給料も個人で溜めるか、他の人と出し合って払えば艦も製造部からの購入が可能になって自由に異世界に行く事も出来る」
「ちなみに私は艦を4つほど持っている」と自慢げに話す楓に「宝の持ち腐れやー」とリオがツッコんだ。確かに個人で4つもいらんだろ。金持ちの高級車多買いか。
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「と、この3つは学園に所属、または管理メンバーが持つ免許になり、次の3つはドロップアウト、外来者が取る免許で、これは機関や他の組織の方でも取得が可能だ」
4つ目の免許は『旅人』。
ドロップアウトした者や外来者達が取りに来る冒険者用の免許。管理メンバーが取る免許よりもこちらを希望する人が多い。
取得すると艦を購入、または貸出する事が出来、亜空間を移動出来て各世界への出入りが可能になる(勿論現地人達には見つからない様にしなければならない)。
そして免許の熟練度によって立ち入り可能な世界レベルも上がっていく。
マックの親であるドナルや仲間達も現在これを取得中。
5つ目が『商人』。
元々の言語は『マーチャント』なのだが語呂が若干悪いのでやや発音を省いて『マーチャー』になっている。きっと別の意味なんだろうな。
で、これについては商売に置けるノウハウを身に着けているか、無ければ資格の勉強をすれば取得が可能になる。
取得すれば旅人同様、艦を購入、または貸出することが出来、他世界から持ち込んだ物の商売が可能となる。
ただし、この世界に持ち込んだ物に関して危険な物は審査がある。
その上、商人の行動は常に監視されており、下手な真似は出来ない様になっている。
6つ目が『委託団体』。
『旅人』の免許を持つ者達が集まって出来た団体が協会・機関からの要請を受ける、もしくはギルド内にある依頼をこなす為に必要な免許。これが無いといくら依頼を受けても報酬が出ない。
勿論この免許を手ればマロンからの加護を受けられるし、要請・依頼達成時の報酬が出る。艦をレンタルしている団体からすれば是非とも欲しい免許だ(金が溜まれば正式に艦を買う事が出来る為)。
以前に起きた『次元震』の時にもいくつかの十数団体が協会機関からの要請を受けて次元迷子者達を保護したりしていたのだ。
「ぶっちゃけ管理メンバーよりも旅人の数の方が多く、そしてそいつらに委託する事も多いのが現状って所かな。悲しい事に管理メンバーはそれほど多くない」
「きんきゅうの時には時間に追われたりするもんねー」
楓の説明にリオが補足した。
事実、次元震後の救援活動時、結構時間に追われていた事もあった。それほど人数に余裕は無く、世界は多いのだ。まさに猫の手も借りたい程ってやつ。
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「んにゃ、呼んだ?」←お昼寝中だったニケ
……呼んでません。
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「それで最後の2つ。これに関してはとある資格や条件を持っていないと取れない物だ。……だぁ、もう! リオ、手伝え!」
「あははー。おK-」
わちゃわちゃしながらもデバイスを操作していた楓だったが、遂にブチ切れてリオを呼んだ。
とある資格が必要な7つ目は『管理者』。
空席になった各世界の管理人になる為の免許。これを取得するには『ハイエルフ』『不死者』もしくは『神(神の子でも可)』の状態でないと取得できない。超長期に亘る免許なので寿命の短い者ではすぐに任期が切れてしまう為。
最後の8つ目が『世界破壊者・免許』だ。
要は世界破壊者が亜空間、もしくは各世界で色々活動する為に必要な免許だ。これが無いと世界破壊者を討伐する為に数少ない強者が出動し、バトルしかねないのだ。
この免許を取得すれば世界破壊者本人は勿論、その部下達もその加護・情報提供を受けることが出来、尚且つその世界破壊者がピンチになれば救援を寄こす事が出来る。持っていないと居場所を特定できず見殺しにしてしまう為。
ちなみにウサ耳美女のリア、チャアのボスである『四月朔日 剛』も現在これを取得中である。
「そしてそれとは別に免許ではないが『資格』扱いになっているのが『情報処理』の資格だ。艦に乗ってここまで来たのならブリッジにこういうデバイスをカタカタと操作している者達がいたでしょ? そういった者達が取る資格だな」
「カタカタて……」
楓の代わりにデバイスを操作するリオが苦笑した。
艦のオペレータをする為に必要な資格が『情報処理』。
ぶっちゃけ、何の異能も持たない者が必死に異世界に行きたいが為に取る様な物で、結構なブラインドタッチの技術がいる。物質界Aからの出身者の多くがこれを持っていて、『旅人』や『団体』、『世界破壊者』が購入、もしくは貸出する際、この資格を持つ者が何人か派遣される。
勿論資格とはいえ、免許と同じような加護を受けられる(一部制限はあるが)。
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「と、これでここ…で取れ…るライセンスは一通り説明し…た……」
「? 楓姉?」
全ての説明を終えた楓だったが、何故か突然青ざめて震え出した。思わずリオが声を掛ける。
「はぁー!(大量のハート)」
「んにゃ!?」
すると楓は目の前に愛しき男の娘リオが自分の顔を覗き込んで来たので思わず正面から抱きしめた。
「はぁはぁ……もう我慢できない…。もういいよね? 我慢しなくていいよね?」
「か、楓姉! せめて、せめて終わりの挨拶をしてから……っ」
「無理ー! 解散ー! とぅっ!」
講習の終わりを告げる事無く、楓はリオを抱きしめたまま天井へと消え、そのままどこかへ行ってしまった。
「えっと……もう終わっていいって事だよな?」←清良
「多分?」←優李
「……色々疲れる方でしたわね」←花蓮
「Ah……」←マック
「あそこまでキャラが濃ゆかったとは……」←詩織
「人は見かけによらないって事じゃな」←椿姫
「つかリオは大丈夫だろうか?」←月
「大丈夫でしょ。多分」←加奈
変なオチを迎えた後、生徒達は動揺しつつも雑談をし始める。
そして、
「あ……アアアアアアアアアアァァァァ──────!!!?」
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
何処からかリオの叫びを聞き、皆ビックリしつつ、リオの安全を祈った。
そして次回は身体測定。監督者はティーナの義父・ゼクターが登場します。
では。




