第11話 ~クラス対抗模擬戦・Part1 いきなりの敗北(ネタバレ)~
目次からネタバレしましたが模擬戦でいきなり負けてます。
内容は本分にて。
クラス対抗模擬戦とクラス統合の予告を受けてから2週間後、遂にクラス対抗模擬戦の初日を迎えた。
各クラス2チームずつ出場し合計22チームが参戦する。
トーナメントを抽選で決め、1試合3チームで戦い、勝った1チームが2回戦進出となる。(1回戦では同じクラス同士の戦いにはならない様に抽選する)
つまり一回戦7試合し、1チームはシードで無条件で2回戦に進める。
そして惜しくも各試合で2位で負けてしまった7チームで敗者復活戦を行い、それに勝った1チームだけが復活で2回戦に進める。
要するに2回戦に進めるのは1回戦で勝った7チームと、抽選シードの1チーム、そして敗者復活で勝った1チームの合計9チームが2回戦に進める。
2回戦も各試合3チームで行い、3試合で勝ち上がった3チームが決勝に進め、決勝も3チームで行って優勝チームを決める。
そして優勝したチームとMVPには学園生活を送る上で(出来る事と出来ない事はあるが)何でも願いを叶えてもらえるらしい。
で、勝敗を決める対戦方式は何の偶然か、佐夜がレニアナの時に使ったバトルジュエルと似ていて、受けるダメージをジュエルが吸収し、白→水色→青→緑→黄→赤→黒と変化し、最後にジュエルが割れたら失格となる。当たり前だが意図的にオーバーキル攻撃をした場合も失格となる。
そして1試合30分、6対6対6で行われ、勝敗は各チーム6人中4人『K.O』されるか、チームの内誰かが隠し持っているキングジュエルを破壊されたら敗北となる。そして最後に時間内に相手2チームを倒すか、時間切れ時に人数の多い方の勝利となる。
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「───で、長々と説明したのはいいだけどさ。俺達1回戦で負けてんじゃん」
「「「「「「あ、あはははは………」」」」」」
「「あははー、じゃない!」」
教室の端っこで佐夜と健太の目の前でマック達が小さくなっていた。
佐夜達のaチーム(パーティ)の構成はマック、ロッテ、椿姫、詩織、清良、月。そして補欠要員の佐夜と健太で構成されていた。割と剣士タイプが多いチーム構成だ。
1回戦時、抽選の結果、相手はE組(bチーム)とH組(aチーム)と戦う事となり、対戦相手2チームも割と剣士タイプが多いチームらしく、この戦いは力押し決戦になるだろうと皆思っていた。
ならばここはこのチーム内では最強の椿姫(将軍・足利義輝)にキングジュエルを隠し持ってもらい、防衛に回って貰おうと他の7人はそう思っていた。
しかしこの将軍様は割と猪武者だったらしく、キングジュエルを渡された事を『一番強いからキングジュエルを持って防衛に回る』、のではなく『王(?)として前線に立つ』。つまり椿姫は何をとち狂ったのか盛大に勘違いし、キングジュエルを持ったまま敵陣H組-aチームに突っ込んだ。
で、まぁ、いきなりの奇襲に相手チームも驚きを隠せなかったのだが、そこは3ヵ月鍛錬に耐えたそこそこの実力者。3人ほど椿姫に殺られはしたが、残りの3人で椿姫諸共キングジュエルを破壊され、この時点でB組-aチームの敗北が決定した。
補足として、猪武者の椿姫がH組-aチームに単独で突っ込んだ時、慌てて追いかけようとしたマック達だったが、運悪くここでE組-bチームが全員でこちらに来た所為で誰も椿姫の援護に行けなくなり、1~2人倒してようやく誰かが椿姫の支援に行ける様になった頃には既に負けていたのだ。
負けはしたが椿姫が倒される僅差の差でマックがキングジュエルを持っていた奴を倒した事で何とか2位になることが出来、敗者復活への参加権が与えられた。
そして今、速攻で敗北したマック達は佐夜達の前で正座している。特に単独行動を取った椿姫には重石付きの刑ww。
「それでどうすんだよこれから。もう担任のティーナちゃん、激おこカンカンになってるぜ?」
「それどころかさっきチラッと聞こえたけど、他の職員の人から「無様過ぎる」って言われててすっごい落ち込んでた」
「「「「「………」」」」」
佐夜の発言を聞いて皆ティーナが普段、他の教員に何を言われているのか容易に想像できた。
超若くして教員免許を取得し、佐夜達のクラスの担任になったティーナは一部の教師達からは疎まれる対象になっているのを皆知っているからだ。凡人は天才を羨み疎む、という昔からの定番というやつだ。
そんなティーナが担当するクラスの生徒の代表があんな無様に醜態を晒し、あっけなく負ければティーナの評判も落ちるのは目に見える。
「だ、だが佐夜よ。まだ『敗者復活』とやらがあるではないか。それに勝てば───」
「勝てれば、ですよ。それに敗者復活に勝ったとして、次の2回戦じゃ更に体力の減っている俺達じゃほぼ勝ち目なんか無い」
「ティーナちゃんも言ってたしな。敗者復活はほぼ2回戦での数合わせの為のものだって」
「う、うむむ……」
普通に1回戦を勝ち上がってきたチームと違い、1回戦、そして敗者復活の2回戦った後では普通に勝ち上がってきたチームとの体力の差に大きく差が出る。
「まぁ、負けてしまったのはしょうがないよ。でも一応敗者復活戦には出るよな?」
「そりゃあ、まぁ……」
「このまま終わっても意味無いしな」
「不完全燃焼デス」
「まだ妾、全然暴れ足りないわ」
「こいつ全然懲りてねぇ……」
「敗者復活には出さない方が良いだろうな」
「うむ」
「何故じゃ!?」
「「「「「「「当たり前だっ」」」」」」」
1回戦での醜態を全く懲りてない椿姫だった。
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一方、B組-bチームはというと、
「オーホッホッホ。どうしたんですの? この私に拳の一つも入れられないなんて───それでもこの3ヵ月を耐え抜いた者達ですの?」
「ちっ」
「くそっ。何だあの女……まるで蝶の様に避けてやがる」
「稀に当たったかと思えば合気や空手の技で受け流されるし」
「魔法の類は感づかれて先に潰されるし……」
「これはまた意外な伏兵がいたってわけね……」
意外や意外。キングジュエルを保有していた宝堂院花蓮が相手チームの猛攻を可憐に避け続け、時にはヒット&アウェイで魔法の類を潰し、攻撃を避け続けていた。
その間に他のメンバーで、
「怒土!」
「うわああああああああ!?」
「「「ぎゃあああああ!?」」」
覚助が蹴り上げる時、地面の土ごと跳ね上げて相手チームの人達への蓄積ダメージを増やし、
「現身・陽炎」
「あれ? ござるの奴が消えた!?」
「ぐはっ!? 何時の間に背後、にっ!?(パリンッ)」
御剣が特殊な移動術&剣術で相手ジュエルをダイレクトアタックで破壊。
その他の魔法使い2人や元冒険者の活躍もあって、bチームは難なく1回戦を突破した。
そしてD組-aチーム、正義達のチームも勇者が2人もいるという事で他のチームを圧倒し、A組-aチーム、リア&チャアのいるチームは、
「ちぇりゃああああああああああっ!!!」
ドッ……ゴ─────ンッ!!
「「「「「「「「「「「「ぎゃあああああああああ!?」」」」」」」」」」」」
試合開始直後にチャア以外のリア達5人は一斉に超ジャンプし、チャアがそのポテンシャル溢れるパワーを思いっきり地面に叩き付け、相手チームの全員を吹き飛ばし、同時K.Oさせるといった荒業で観客達の目を見開かせた。まさに一撃必殺。
「まぁ、これが通用するのは1回だけだとは思いますが、そのおかげで全員の体力が温存できたのは良い事としましょうか」
チャアの一撃必殺が炸裂したのはいいが闘技場の結界まで破壊してしまったので恐らく2度目は使えないだろうとリアは思い、
「後は佐夜さん達がどのタイミングで私達とぶつかるかが肝ですね」
まさか佐夜達が1回戦落ちしているとは微塵も思ってもいないリアはその後の結果を見て愕然とするのはカットします。容易に想像がつくので。はい。
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んで敗者復活戦にて、
「ん? 何で6チームしかいないんだ?」
「何でも1回戦で6人全員がオーバーキルで戦えないんだと。それに2チームが同時にKOされたからどちらも3位扱いらしい」
「一体どうやったら2チームを全員同時にオーバーキルされんだよ……」
1回戦で2位になったのは7チームなのに現在6チームしかいない。まだ来ていないのではなくどうやら1回戦での戦いで既に(違う意味で)満身創痍らしく、リタイアしたそうだ。
「だがこれで1ちーむ減った事で戦う人数も減り勝てる勝率が上がったな」
「勝率が上がっても勝てるとは限らないけどね」
詩織が腕を組んでニヤリとするが、清良が苦笑しながら否定する。
敗者復活戦は1チーム4人まで出場可で、制限時間15分間で最後まで多く生き残っていたチームの勝ち。見事敗者復活で勝ち上がる事が出来る。ただここで主力選手を入れて勝っても続く2回戦で総合戦力で不利になる事は誰の目にも分かるので、補欠を入れるか入れないかで勝負の行方が分かれる。
そして佐夜達の話し合いの結果、敗者復活戦に出るのは防御壁などの防御手段がある佐夜、超回避能力のスキルを持つ健太、椿姫(義輝)や詩織(信長)ほど強くは無いが刀で相手の攻撃を受け流す技術が割と上手い清良、そして最後に主力選手として詩織が入る。目的は最後まで生き残る事で敵が向かってこない限り出来るだけ戦わない戦法だ。
ドンッ!
「「「「「「「うおおおおおおおおおっ!!」」」」」」」
そして太鼓の音と共に敗者復活に賭ける生徒達が一斉に戦いを始める。
「君は男、君は男……。くっ、ダメだ攻撃出来ない……っ」
「男の子だと分かってるのに手が出せない……」
「何だこの気持ち……これが恋か?」
「マジで? だから心臓がドキドキしてるのか……」
「それは緊張してるだけじゃね?」
「でも実際攻撃してあの顔に傷でも付けてしまったらと思うと……」
「うわ……絶対ファンの奴等に殺される」
んで当然佐夜の所にも敵が殺到するが佐夜の見た目の麗しさと、カリスマ性に当てられた者達は皆、何故か動きが止まり苦痛の表情をする。別に佐夜が何かをやった訳じゃないが。
「いや、攻撃してこないのは別にいいんだけどさ……」
近寄っては来るが攻撃されそうでされない何とももどかしい気持ちになった。
「う、く、ぬおぅ……っ」
「っ。……はぁっ」
その一方でひたすら敵の攻撃を回避&受け流し続ける健太と清良。
「「「くっそぉ、可愛すぎて攻撃なんて出来ねぇよ!!」」」
「「「こんな子を敗者復活に持ってくるなんて卑怯よ!!」」」
「だからそれ言われても反応に困るって!」
で、必死に攻防を続けている2人を余所に佐夜は違う意味で追われていた。
「「……。いや何でお前ばっかりそんな楽してんだよ!?」」
「だから俺に言うなってばー!」
佐夜のこの状況に流石にツッコまざるを得なかったのか、怒りに任せて対峙していた敵をぶっ飛ばして佐夜の下に駆け寄ってツッコむ2人。
すると佐夜に群がっていたにわかファン達は比較的佐夜と仲の良い2人に対して嫉妬をし、2人がそれに気付いた時には既に周りを取り囲まれていた。
「何で2人共こっちに来ちゃったんだ。2人まで囲まれてしまったじゃないかっ」
「んな事言ってもよ」
「ああ、近寄られてるのに攻撃されないお前にイラっとな」
「イラっとしたからってわざわざこんな危険地帯に来るな、よ」
「っと、危ねぇサンキュ。で、ホントどうすっかこれ?」
「こうなったら強行突破でもするか?」
「それも無理だろ。……てか信長の奴はどこに行ったんだ?」
3人互いに背中を合わせて襲い掛かってくる敵をいなす。佐夜の方にはあまり来ないけど。
「っ!?」
「どうした健太?」
すると突然健太がビクッとして周りを見渡し始める。
「あ、あそこに詩織が……ってあの構えはまさか!?」
「え、何か知ってるのか清良?」
「───2人共、俺が合図したら大ジャンプだ」
「「え?」」
「いいから………。………今だっ!」
「「っ!」」
清良が遠くで何かの構えを取った詩織に気付き、それと同時に健太は異邦世界で手に入れた盾を取り出して2人に指示を出す。
こういう時健太が指示を出すのはこの後何かが起きる、というマックの持論に従い、清良はもう何が起きるのか予想が付いているらしいが、佐夜が訳が分からないといわんばかりに3人は大ジャンプをする。
その直後、
「織田家御留流────『仙旋怪螺』!!」
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
遠くから密かに何かの準備を終えていた詩織が呪印式を完成させていてそれが発動すると、先ほどまで佐夜達が立っていた場所から半径100Mの範囲に渡り地面が光り、その場にいた人達は碌に身動きが取れなくなった。
そして、
「続いて連鎖───『鬼門滅却』!!」
「「「「「「「ぎゃああああああああああああ!!?」」」」」」」
詩織が開いた手をギュッと閉じた瞬間、「ドドドドドドドド………」という謎の轟音と共に佐夜達がいた所の地上では凄まじい衝撃波が襲い、その場にいた者達全員が一瞬にしてジュエルが割れてややオーバーキルを引き起こす。
そして佐夜達はというと、
「2人共俺の背中に───巨大化!」
大ジャンプ後、盾を大きくし、その盾を下に向けて健太はその衝撃波から2人を護る。
「ぐ……何て衝撃だっ。真面に喰らったら死ぬやつだろこれっ」
だが仙旋怪螺からの鬼門滅却の衝撃波凄いらしく、盾がブルブル震え始め、健太が苦悶の表情を浮かべる。もし盾が震えすぎて縦にでもなったりしたら地上を襲っている衝撃波がこちらにも襲ってくるからだ。
「「っ」」
「……っ、お前等っ」
かといってこのままでは健太の腕が持たないので佐夜と清良は健太の持つ盾の左右を掴み健太の負担を減らす。そしてついでに衝撃波の影響で破壊されそうな盾の修復も佐夜の錬成術で直す。
そして詩織の放った呪印式の効果が切れ、3人が地上に戻った時、告げられる。
「そこまで! 勝者、B組-aチーム!」
どうやら上空にいた時間が長かったらしくかれこれ10分近く佐夜達は上空に拘束され、詩織はその間に倒されてしまってはいたが、時間切れ時に生き残った人数差で勝者は佐夜達B組-aチームとなった。
「うむ。流石詩織。妾の指示のお陰じゃな!」
「「「いや、嘘吐け!?」」」
それを見ていた椿姫がいかにも自分のお陰と言わんばかりに腕を組んで言うのでマック達がツッコんだ。
ま、まぁ何はともあれこれで無事ティーナの面目も保てるだろう。と皆は思った。
と、まぁ、何とか敗者復活で2回戦に進みました。
決勝まで行けるかねぇ?
では。




