第6話 ~恋バナと今後の予定~
オリエンテーションが終わり、その後の休憩と今後の予定についての説明会です。
佐夜が羞恥に悶えます。
「はい、皆さんオリエンテーションお疲れさまでした。……ちなみに罰ゲームが確定している人達は後日楽しみにしておいてくださいね♪」
教台に立つティーナが怖い事を言う。
「ではこの後の13時半から15時半まで休憩となります。15時半になりましたら再びこの教室へ戻って来て下さい。今後のカリキュラムなどの説明がありますので。では解散」
パンッと両手を叩いた後、教室内で雑談が始まった。
「ぶ~。せっかくミッションクリアしたのに時間切れで罰ゲーム確定とかティーナもユウズウが利かないんだから」
頬を膨らましてリオがプンプン怒る。
「まぁまぁリオ。僕達の場合、教室を出る時間がもうちょっと早かったら免れたかもしれないんだからそこは自業自得だって」
「そうだな。それにどこかの誰かさんが無駄に凹んで余計な時間を費やした所為もあるしな」
「(ビクッ)!?」
そんなリオに佐夜と月がフォローを掛けるが、月のセリフに覚助がビクッとなった。まぁ、覚助も原因の一つだし。
「それでこの後は皆、どうするでござるか?」
「う~ん。とりあえず先にお昼を摂りたいよね?」
「だね。リオももうお腹ペコペコー」
オリエンテーション前とは違い、近くの席に座っていた覚助と御剣の2人もこちらへやって来てこの後どうするかを聞いてきた。
「ふん。そんな小さな身体してるからだ(クゥ~)」
「ぷっ」
机にダラ~ってなっているリオにそんな事を言う月だったが、お腹が鳴っては説得力が無く、リオに笑われた。
「と、とにかくアタシは朝ここに来る時に昼飯を持ってきているからここで食って時間まで寝る。時間まで寝てたら起こしておくれ」
「おっけー☆」
「じゃあ俺達は食堂にでも行くか?」
「うむ。ここの飯は美味いでござるからな」
「リオ達は愛しゃん達と約束してたよね」
「うん。じゃあ月さん。また後でね」
「あいよ~」
月を教室に残し、御剣と覚助は食堂へ、佐夜とリオは愛沙達との待ち合わせ場所へ向かった。
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「お、佐夜来たぞ?」
「佐夜ー。こっちじゃー」
佐夜とリオが愛沙達のいるテナントテラスに着くと、真桜が手を振って呼ぶ。
佐夜達が通い始めたこの学園内には食事を購入する場所が4種類あり、
フロアを1階分丸々使った大型の食堂が1つ。
某・有名なコンビニの店舗(ファ〇マ、ロー〇ン、セブ〇)がそれぞれバラけた所に1店舗ずつあり、
食堂とは違う飲食店があるテナント(&テラス)が2か所(東・西)、
そしてそれぞれの階層に設置してある食べ物の自販機が数台ある。
ちなみに佐夜達がやって来たのはその中のテラス席がある東側のテナントテラスで、真桜達の所にやって来ると丁度愛沙達3人はトレイにそれぞれが注文した料理を持って席に着いていた。
真桜はモ〇バーガーの店舗からのセットで、愛沙はパンケーキ、正義はこれまた濃いラーメンとチャーハンのセットだ。見事に違うジャンルの食事にそれを見た佐夜の頬が引き攣る。
「ほらほら、佐夜達も早く注文して来たら?」
「そ、そうだね。──ってもうリオがいない!?」
気が付くと既にリオは某カレー店の店からカレーを持ってきていた。早っ!?
ともあれ佐夜が早く持ってこないと少なくとも正義のラーメンが伸びてしまうので佐夜も食事を持ってくる事に。
「佐夜……。あんたまた性格が変わったのね」
「え、何で分かったの?」
「……いや、お前を知ってる奴だったら、それ見たら誰でも分かるわ」
ちなみに佐夜が持ってきたのはこれまた有名なサイドウィッチ屋の『サラダサンド』と『タマゴサンド』。そのヘルシーすぎる昼食を見て正義と愛沙が呆れる。
「それだけじゃこの後、夕飯までもたないだろ。ほれ、セットで付いてきたから揚げをくれてやるから食え」
「や、から揚げをそのままサラダサンドの中に押し込むのは止めてよ!?」
「あ? ……じゃあほれ」
「んっ」
「な!?」「え!?」「「おぉ!?」」(あらあら?)
何故かから揚げをサラダサンドの中に箸で押し込もうとする正義を佐夜は手で掴んで止めさせる。しょうがないので正義はそのから揚げをどこに置こうかと箸を持ち上げて少し悩んでいると、これまた何故そういう思考に至ったのか佐夜は宙に待機していた箸で掴んだから揚げをそのままパクリと咥えた。
いわば意図的ではない『あ~ん』だ。急に佐夜がそんな事をしたので4人(と美里)はビックリ。
「あ、あんた……もうそこまで……」
「え、どうしたの愛沙?」
ふと佐夜が愛沙を見ると、愛沙はワナワナと震えて佐夜を指差している。
「……佐夜よ。お主気付いておらんのか?」
「さやや、恐ろしい娘!」
「え、ええ?」
次にちみっ子達に目を向けると2人も呆れたり、わざとらしく驚いている。
(佐夜、もしかして本当に気付いてないの?)
「だから何が?」
最後に腕輪に憑依している佐夜のそっくりさん、美里が聞いてくるが佐夜は何の事なのかまだ分かっていない。
「……お前今、自分が何をしたのか分かっているのか?」
「だから何がってば!?」
そして意図的に『あ~ん』をしたわけじゃない正義が頬を引き攣らせて訪ねてくるが、やはり佐夜は気付いていない。これは直接言わないとダメな奴だ。
「佐夜、あんたがやったのはつまりこういう事よ。はい真桜、あ~ん」
「あ~んっ。ほうひうほとふぁ(そういう事じゃ)」
「え? ……あ、ああああっ!?」
愛沙と真桜がそれを再現した所で佐夜はようやく自分が何をやったのか理解した。理解して両手で顔を隠すその姿は本物の乙女の様だ。
(なんなら憑依して女の子になっとく?)
「そういう話じゃないよっ!?」
身体が男なので美里が憑依すれば確かに違和感は無くなるだろうがそういう問題じゃない。
「それを無自覚でやっちゃうところが実にさややらしいけどねー」
「うむ。そういう所が実に可愛らしいのぅ」
「もう許してぇ……」
更にちみっ子2人も攻め立ててくるので更に恥ずかしくなった乙女な佐夜。
「それより何でから揚げにパクついたのよ佐夜?」
「だ、だって、正義がから揚げを置く所を探してて、でも置く場所が無くて困ってた様な気がしたから……」
「いや、困ってねぇし。それにいざとなったら無理矢理サラダサンドに押し込むか、リオのカレー皿に乗せる」
「だからサンドウィッチに入れようとしないでよ!?」
「リオのお皿に入れちゃったらカレー味になるよ?」
行き場の無いから揚げの置き場所を巡って意味の無い会話をする一同。
「こほん。それよりも何で佐夜がまた乙女化しているのかまだ聞いてないわよ?」
「いや乙女化て……せめて僕っ子と言って欲しいよ」
「言葉使いはそうだけど行動がねぇ」
「だな。から揚げにパクついた事といい、恥ずかしがって両手で顔を隠した事といい───」
「どう見ても乙女じゃな」
「リオより女子力高いしね。普段からだけど」
「高くないよっ」
皆食事を終え、愛沙がドリンクを片手に佐夜の様子がオリエンテーション以前と違う事にようやく指摘してきて、それに同意する様にみんなが佐夜の事を言いたい放題言う。
なのでここは佐夜本人……ではなく、それを見ていたリオが代わりに愛沙達に佐夜の身に起こった覚助との出来事を話す。
「……それってつまり佐夜はダメ男が好きって事なのかしら?」
「違うよっ!? っていうかそもそも僕、男好きじゃないし!」
確かにイングも覚助もダメダメな所はあり、それが佐夜の母性(?)に響いたというのは否定できない。
「そうだよ。さややはダメ男が好きなんじゃなくて『頑張っているのに報われない男の子が好き』なんだよー」
「だから男好きじゃないんだってばー!」
少なくとも舞華も『頑張ってる人』に当たるので男好きではない。と、思う。
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「くああぁぁぁぁ~~~っ、良く寝た……。ん、何で佐夜の奴、机に顔を押し付けて唸ってるんだ?」
「ごめん。今は放っておいて下さい……」
「? 何があったんだ?」
「あはは……ちょっとねー」
教室へ佐夜達が戻って来て十数分後、長い椅子をベッド代わりにして寝ていた月が起きると、その後ろで佐夜が机に顔を押し付けて悶えていたのでリオに聞くがリオも苦笑して誤魔化した。
まぁ、理由は大体さっきの東側・飲食テナントにいた時に言ってたけどそれだけじゃない。
実はあの後、教室に戻ってきた佐夜達は(物質界出身の)クラスメイトの女子達に囲まれ、「何事!?」と身構える佐夜に女子達はこう言った。
「あの新選組っぽい恰好のイケメン男子との関係を聞かせて!」
と。つまり覚助との関係が聞きたいのだろう。御剣もイケメンに入るのだろうが御剣はどちらかというと武士っぽい要素を取り入れた制服で、逆に新選組っぽい衣装の要素を取り入れたのは覚助の方なのでみんなはそっちの事を言っていた。
で、何で女子達はそんな事を聞きたがっているのかというと、単純に恋バナを咲かせたいっていうのと、後は先ほどのオリエンテーションの最後のミッションに挑む前の凹んだ覚助を抱擁した場面を他の生徒達にバッチリ目撃されていて、その中には当然クラスメイトもいるわけで……。
そうなったら当然こうなるのは必然だろう。じゃあ何で休憩前に聞かれなかったのかというと、近くにヤンキーの月がいたから近寄れなかっただけ。
おまけに休憩時、東側の飲食テナントテラスにも同じクラスメイトが近くに座っていて、リオの会話に出ていた『イング』というエルフや魔族の『ベリアル』、機関の『やすし』に魔法少女の『舞華』と、やや男との関係が多い(?)佐夜に皆、興味津々なのだろう。
女子達に押し出されて外側に追いやられたリオが「さやや~」とフィードアウトしてそれを偶然戻って来ていた御剣と覚助が「何事!?」と目を見開いていた。
あ、ちなみに覚助も他の男子達に連行されていったらしい。何が行われていたのか知らないが。
そして男子制服を着ているとはいえ同じ女の子だと勘違いされている佐夜は休憩が終わる直前になるまで女子達に恋の花を咲かせる様な話を根掘り葉掘り聞かれて問いだされ、月が起きる頃には過去の出来事からくる羞恥心で悶えていたのだ。
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「はい皆さん。きちんと休憩は取れましたでしょうか? まだ戻って来ていない人とかいませんか?」
「先生、マックがお手洗いから戻って来ていませんデス」
「こっちも椿姫が迷子で清良が探しに行っているそうだ」
「そうですか……。これはまた罰ゲームへのポイントを加算ですね(フフフ)」
「出た。クロティーナ」
ティーナが出席を取ると、マックと椿姫を含む数名程がまだ戻って来ていないらしい。ティーナは呆れつつ、何かを呟きながら出席簿に何かを書き、リオが真顔で戦慄していた。
その後、十分ほどでようやく全員が揃い今後のカリキュラムについての説明が始まった。
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「この学園の授業カリキュラムは基本的に『資格制』となっており、その資格をある程度習得した時点でそれ以降、その授業は免除となります。この時点での質問はありますか?」
「はい」
「上原さんどうぞ」
ティーナの最初の質問に上原という物質界出身の女子が挙手をしてティーナに訪ねる。
「その資格というのはどういったものがあるんですか?」
「それはこれから説明しようとしていたんですが?」
「え、あ、はい。すみません……」
「いえ、いいんですよ。やる気があって実に良いです。んん。まず手始めに入学したての皆さんには2つのコースに分かれてもらいます」
といってティーナはデバイスを操作し、教台の後ろにある巨大なスクリーンに映像を映す。それを見て物質界以外のクラスメイト(21世紀以前の者も含む)が驚いている。まぁ、中には既に見た事があるのか驚いていない者もいるけど。
「まず、皆さんの中には日本語が通じず、翻訳機能の付いた機械、もしくは翻訳機能の付いた魔法道具を使用して今、こうしてお話ししておりますが、『日本語』を話せない物質界以外の人達にはこの『日本語』をマスター。つまり習得してもらいます。……ここまでの質問は?」
「ほい」
「チャリオさんどうぞ」
「その日本語とやらはどういったものだ?」
次の質問に幻想界出身のチャリオが訪ねる。
「そうですね。物質界の皆さんは既に分かるかと思いますが、日本語は基本的に『ひらがな』『カタカナ』『漢字』の4つからなっています。物質界以外の皆さんにはこの3つの書き読み、そして翻訳機(魔法)無しでの日本語を話せる様になれば『日本語』の資格を得る事が出来ます。次は?」
「じゃあ私が」
「宝堂院さんどうぞ」
次は再び物質界の……いかにもお嬢様っぽい金髪縦ロールの女子が質問した。
「物質界以外の皆さんは分かりましたが、それでは私達日本語を既に習得している物質界の人達はどうなるのですか?」
「そうですね。それが2つ目のコースです」
宝堂院という女子の質問にティーナは次のモニターに切り替える。
「逆に初めからある程度強さを持っている物質界以外の皆さんが日本語を習得している間、物質界の皆さんには『鍛錬』の修業に入ってもらいます。これは物質界以外の出身の方々との実力差を埋める為でもあります」
「すまぬ、ちょっといいかの?」
「っと、いきなりですね……。義輝さんどうぞ」
「うむ。妾とこの信長公は物質界出身で尚且つここにいる者達よりは強いと断言できるのだが……それでも鍛錬は必要かえ?」
ピリッ────
椿姫(義輝)が余計な一言「ここにいるクラスメイトより自分達の方が強い」を言ったので、それなりに実力を持っている他世界の者達との間で緊張が走る。
「ええ、必要です。それも貴女の様な人には特に」
「ほう……」
そしてティーナも負けじと言い返すと今度は義輝からティーナへ殺気が飛ぶ。その殺気に慣れていない近くの(物質界出身の)クラスメイト達は気絶した。
「言ったな小娘? 吐いた唾は飲み込ませぬぞ?」
「それはこちらのセリフですよ。それに───」
席を立ち、ゆっくりとティーナの下に歩み寄る義輝(椿姫)にティーナは目を閉じて指を鳴らす。
カッ───────
「なっ!?」
すると教室の至る所から光の矢が現れて発射し、義輝に当たる直前で止まった。義輝はその矢が現れる事も気配すら察知できず、いきなり眼前に現れたそれらに絶句する。
「はいこれで今、貴女は死にましたよ?」
再び指を鳴らし、光の矢はスッと消えた。
「いいですか義輝さん。どんなに強い人でもこの様にいきなり凶器が現れて身体を貫かれてしまったら誰だって死にます。それは物質界出身でも幻想界出身でも変わらないのです」
「………」
ティーナに好き放題言われ、義輝は俯く。
「なのでこの場合、貴女に必要なのは鍛錬。それも他世界の者との戦闘経験則です」
「他世界の者との?」
「そうです。貴女のいた世界では『御留流』というものがあるそうですが、逆にこういう魔法や科学力、またその他の異能の力などは無いですよね?」
「あ、ああ、確かに聞いた事が無いが……」
「つまり他人の事を碌に知ろうとせず無暗に戦いを挑むと死が待っているという事です。それは貴女だけに限った事ではありませんが」
「死……」
先ほどの光の矢が脅しではなく実際に生死を分けた戦いであったなら自分は確実に殺られていた事を義輝は察する。それは他の実力者達も同時に思った。
相手を知らず下手に戦いを挑めば最悪その後に待っているのは『死』であると。
そう悟った義輝と義輝が先ほど放っていた殺気に好戦的だったクラスメイト達は一気に静かになった。
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「んと……脱線しましたね。つまり、幻想界などの物質界以外の出身の方はまず座学『日本語』を習得してもらい、その間物質界出身の方々には出来るだけ修業の『鍛錬』をしてもらいます。これが3ヵ月続きます」
『3ヵ月』というワードに教室内がざわつく。
「oh……マジかよ。3ヵ月も座学しなきゃいけないのか」
「私は楽しみデス」
異邦世界出身のマックとロッテはそれぞれ違う反応を見せ、
「た、鍛錬ってもしかして超重い重りを着けられて走らされたりすんのか?」
「いやぁ、そんなの死んじゃう!」
「「「助けてー!」」」
物質界出身。それも碌に戦った事の無い生徒達は混乱している。
「うるさいですよ。お静か、に!」
キイィィィィィィィィィィンッ!!
「「「「「「「ぎゃああああああああああ!?」」」」」」」
混乱して錯乱する生徒達にティーナはマイクをスピーカーに近付けて大きなハウリングを出させて黙らせた。
「はぁ、全く………。いいですか皆さん。皆さんの現時点での強さがバラバラである以上、同じ鍛錬方法をやらせる訳がないでしょう。鍛錬はそれぞれの強さに合わせた修業内容があるのでその通りにやればいいのです。勿論身体を壊さない程度の鍛錬です。無理をしても意味が無いですからね」
「「「「「「「ほっ……」」」」」」」
ティーナの言葉にようやく落ち着く無力な一般生徒達。あ、義輝の殺気で気絶していた人のいつの間にか起きていた。
「それにこれらのカリキュラムは午後の授業に行い、午前は全員、座学もしくは体育の授業を受けてもらいます。これがその時限割表です。ここまでで何か質問は?」
そう言いながらティーナはプリントを回す様に言い、全員に配り終えた所で再び質問タイムへ。
「は、はいっ!」
「えっと確か……サイトさん?」
「斎藤です! っと先生、何故この世界での共通言語が『日本語』なのでしょうか? 別に英語とか、もしくは新しい言葉とかでもいいのではないですか?」
今度は実に真面目そうな眼鏡男子が疑問に思っていた事を言う。
確かに日本語ではなく英語とか、もしくはこの世界で新しい言葉を作るのも有りなのかもしれない。だが、
「何でこの世界での共通言語が日本語なのかと言いますと、単純に『次元迷子(または難民)』に逢う殆どの被害者が日本人だからですよ」
そう、これまで色んな人を見てきた人なら分かるだろうが、異世界へ次元転移(または召喚)されるその殆どが日本人なのだ。何で日本人ばかりがこういう目に逢うのかというと未だ具体的な理由は分かってはいない。
一説によると日本は料理のレパートリーが多いからとか、妄想力が高いからとか、順応性や環境適応力、そして何より世界破壊者のその殆ども日本人なのだ。
「それも10代~20代の人がほとんどですね。実際このクラスに物質界の日本人が沢山いますから。なので人口の多い日本人に合わせてこの世界の言語も『日本語』になったのです。これで分かりましたか?」
「そ、そうですか。確かに周りにいる殆どのクラスメイト、他のクラスにも日本人が沢山いた。だからそれに合わせたんですね……」
理解した眼鏡男子・斎藤はぶつぶつ言いながら席に座った。
実際過去には日本の学校の1クラス丸ごとが異世界へ転移したなどの事件がいくつかの世界で発展した事もあるし、異世界へ着いた日本人が食事を取る時に訪れた食べ物屋などでたまに日本食が出てくる事も多い。これは恐らく過去に異世界へ転移した日本人が日本食を広めたからなのだろう。
事実、何の所縁も歴史も無いのに味噌やソース、マヨネーズなどといった物質界産の調味料がかなりの割合で幻想界に広がっている地域もある。
ぶっちゃけ日本人は色々と無双し過ぎだと言いたいわけだ。
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「ふぅ……ひとまずはこのくらいでしょうか。では最後に質問ある方いますかー?」
「はーい☆」
「……はいリオ。何?」
一通り説明が完了し締めようとした所でティーナの天敵・リオが元気よく手を上げ、ティーナは仕方なくリオを指し、リオが立ち上がってこう言った。
「ヴァン隊長にいつ見られても良い様に穿いているティーナの今日の勝負下着は何色?」
「っ!? アホかぁーっ!!(顔真っ赤)」
「どっちぼーっ!?」
「リオーっ!?」
で、最後にアホな事を質問したリオにティーナはテニスボール……ではなくドッチボールに使用するバレーボールをリオの腹部に強襲し、リオが窓の外に吹っ飛び、佐夜が叫んだ。
……吹っ飛んだリオだが、傷一つ無くピンピンしていた事は言うまでもない。
次回はまだオリエンテーションと同じ日での話になります。
長いなぁ……。
一応次の日にまで跨げれば行きます。
では。




