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異世界無双禁止規定(ステージ オブ グラウンド)『緩』 ~歌姫神と称された少年のあれこれ~  作者: 浅葱
第5章 ~学園狂想曲(スクールカプリッチオ)~
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第2話 ~自己紹介~

 昨日更新予定でしたが、下記分の削除に伴い時間が掛かり過ぎました。すんません。

 オリエンテーションまで持って行きたかったのですがキリが悪かったのでここで切りました。

それにオリエンテーションだけで相当長くなりそうだったので、次回はその部分はダイジェストでお送りします。普通に入れると3~4話くらい長くなる上、作者の足りない知能では収拾が付かなくなりそうだったので。なんせオリエンテーションだけで千人以上いるからね。無理だよそりゃ(笑)。

 ※:9月15日、健太達3人の自己紹介が抜けておりましたので追筆しますた。


「んん、皆さん、初めまして、私がこのクラスの担任を承(うけたまわ)ったクリス・ティーナ=如月です」

「引っ込めー……(小声)」

「皆さんはそれぞれ違う世界での出身という事もあり、期待や不安などがあるとは思いますが、適度に気を抜き、リラックスしながら勉学や鍛錬、そして任務に当たって下さい」

「ブラコンシスター……(小声)」

「ちなみに私はここの理事である如月マロンの娘でもあるので何か困り事などがありましたら遠慮なくご相談ください」

「ポンコツ娘ー……(小声)」

「リオ、うるさいっ!」

「痛いっ!?」

 ティーナというリオと同じくらいの歳の担任が何か言う度にリオが小声で野次(やじ)を飛ばすので、遂にキレた担任(ティーナ)がどこから取り出したのかテニスボール(硬式の固い奴)をリオの額にヒットさせ、ポコンッと結構大きな音を立てながらテニスボールはティーナの手元に戻った。


「……ちなみに最初に説明されたとは思いますが、各学年には10クラスあり、また各クラスにはそれぞれ100人在籍します」

「知ってるよ~(小声)」

「そして各クラス毎の100人の内、約20人は上級生がサポートとして同じクラスになっています」

「それも知ってるー(小声)」

「皆さんにはまず新入生同士で8人、上級生を2人加えて合計10名ほどのパーティーを組んでもらい、それを3ヵ月一緒に行動してもらいます。その後はまたパ人選を組み変えてパーティーを組み、それを年に4回繰り返します」

「三ヵ月は長ーい……(小声)」

「いいからアンタは黙ってなさい!」

 懲りずにブーブーと小声でブーイングするリオに再びキレたティーナがまたテニスボールを全力で投擲する。


「なんの! このリオちゃんが同じ手を何度も喰らう訳な───へぷしっ!?」

「リオ!?」

「きゅう~」

 いつの間にか机の上に立ち、ティーナの攻撃を変な構え(ポーズ)で撃退しようとしたリオだったが、テニスボールはリオに迫る2メートル手前くらいで急加速し、リオはボールを捕るつもりだったが失敗し、再び額にクリーンヒットして後方に飛ばされる。飛ばされるリオと見てすかさず佐夜がリオを介抱しに行った。

 ちなみに1クラス約100人もいるので勿論教室は普通の個人机がある普通の教室ではなく、大学などで見かける大教室の階段型スタイルだ。


「全く……。そこのリオも一応皆さんの上級生なのですが、見ての通りのおバカさんなので仲良くしてあげて下さい」

「「「「「「は、はははは………(苦笑)」」」」」」

 ちみっこ同士のおバカなやり取りにクラス一同が苦笑した。


「それで……今の所、何か質問はありますか?」

「あ、はい!」

「はい、どうぞ」

 ティーナの質問タイムに一人の少年【七原清良(ななはらきよし)】が手を上げた。


「年に4回パーティを組み替えるそうですが、全部で何回組み替えるんですか?」

「クラス内でのパーティ編成は年4回、そしてクラス編成は3~5回あります」

「3~5回? という事はこの学園に3年から5年いるって事ですか?」

「そうですね。この学園、または『イニシエ』からの卒業資格は『世界旅人(トラベラー)』のライセンスを取得するか、『他にやりたい事が出来る事』です」

「やりたい事?」

「ん~なんて言いますか……。ほら、街で店や企業を経営している方々も元はこの学園の卒業者(&中退者)で『飲食店を経営したい』とか『演劇、アイドルになる』という人など、その他色々とやりたい事が出来たのなら言って頂ければこちらで処理します」

「……もし3~5年でライセンスが取得出来なかったら?」

「その場合は普通に留年しながら下期生のフォローしてもらいます。そこのリオみたいに」

「リオは留年してないよ!?」

「あ、起きた」

 清良とティーナとの会話に悪口を言われたリオが起き上がってツッコむ。


「こほん。では他にありますか?」

「じゃあ、俺が」

「どぞ」

 ティーナが他に聞くと次は【笹原覚助(ささはらかくすけ)】が手を上げて立ち上がった。


「時代も世界も違う俺達がこうして同じクラスに集まったのはいいけど、他の野郎に聞いた話だがこういうのって普通、同じ年齢(・・)で振り分けるものじゃないのか?」

「あぁ、その事ですか」

 覚助がそう言い、ティーナが少し息を吐いて説明する。


 このクラス────というか他のクラスにもそうだが、多種多様の人種や年齢のバラつきが大きいのに何故年齢で振り分けないのかというと、単純に年齢のバラつきが大きすぎるが故に『年齢順では振り分けられない』からだ。ただでさえ長生きのエルフは勿論、10才の魔王である真桜と質問してきた19歳の覚助なども同じ学年で固定されるのだが、年齢で振り分けようとするとそれを担当する者が圧倒的に足りなくなる。

 なので後からこの地に来た者を纏めて新入生としているのだ。勿論、クラス毎の偏りが無い様、バランスよく振り分けられているみたいだが。


「他にありますか?」

 ティーナがそう言う。が今の所、無い様だ。


「では次に行きましょう。次は自己紹介です。まずは一番手前の人から」

「え、あ、はいっ」

 ティーナに呼ばれ、扉から一番近い男子生徒から自己紹介が始まる。


 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 ・・・。


「次は妾の番か。妾は足利義輝、通称『椿姫』じゃ。皆の者、宜しゅう頼むぞい」

「いや椿姫、どの世界から来たのかを言わないと」

「あぁ、そうであったな。妾は……清良、何と言えばよいかの?」

「物質界の安土桃山時代から来たって言えばいいよ」

「じゃ」

「って俺が言ってるし」

「ご苦労」

 自国の事以外は疎い椿姫に代わり清良が言ってしまう。


「この流れだと次は私か。私は織田信長。通称『詩織』という。先の椿姫と同様、安土桃山の世から来た。どのくらいまでいるかは分からぬが宜しく頼む」

 と、椿姫とは違い頭を下げて礼をする詩織。信長は意外と礼儀正しいらしい。


「全く椿姫は……っと俺の番か。俺は七原清良(ななはらきよし)。元々は物質界の平成に住んでいたけど、次元転移に逢って椿姫と詩織のいる安土桃山時代の世界に落ちて詩織に拾われてその後色々あったけど、最後の最後に2人の世界で異変が起きてこうして2人を連れて世界を出てここに来ました。長くなったけどこれから宜しくお願いします」

 最後に清良が自己紹介を終え、席に座る。


 そしてまた次々と自己紹介を終え、

「おっしゃあ、次は俺だなっ。俺は明治維新……今は時代って言うんだっけか? からやって来た笹原覚助だ。力仕事は任せとけっ。以上!」

 先ほど質問した覚助がいきり立つ様に力強く自己紹介をし、次の人が眉を顰めた。

「……拙者の名は『御剣刀牙(みつるぎとうが)』、そこのいきり立った覚助(アホ)と同じ世界より参った。後が閊(つか)えているので長くは語らぬが、宜しく頼む(でござる)」

 覚助の自己紹介に溜息をついた御剣が自身を短く紹介し終える。最後のござる部分は何故か小声で言った。


 んで再度次々と自己紹介を終え、

「OK、次は俺達だな。俺達は異邦世界?って言うんだっけか? その異邦世界『アフリエイト』から来たある意味難民みたいな者だ。そんで俺の名前はマック・ヘプカーラ。流離(さすらい)の賞金狩り(バウンティーハンター)(見習い)さ。これから宜しく頼むぜ」

 制服にカウボーイハットを被ったマックが帽子のつばをクイッと人差し指で押してニヤリと笑った。


「お次は私デスね。ロッテ・キシルと言うデス。少し前まで言葉が離せなかったので変な喋り方になってマスが気にしないで下サイ」

 次にこのクラスには少数しかいないエルフの一人ロッテが縮み込みながら言う。


「あー。えっと……揚鶏(あげどり)健太(けんた)です。入学式のアレは事故です。事故だけど謝る事しか出来ません。ごめんなさい。後俺はマックとロッテと違って物質界出身なので二重難民らしいです」

 アフリエイト組の最後に健太がそう謝り倒しながら言う。すると、健太の名前、そしてそれを含む3人の名前に着いて物質界出身の生徒達はある事に気付いた。


「揚鶏(あげどり)……健太」

「ケンタ……」

「鶏……揚げる……」

「「「「「「………ケン〇ッキー?」」」」」」


「言われると思ったよコン畜生(チキショウ)がっ!」


「というか3人の名前ってどう聞いてもアレだよね」

「うん。有名過ぎて誰でも気付くわ」

「間違いねえよな」

「「「「「「某・ファストフードの名前……」」」」」」


「それも言われると思ってたっ!(orz)」

「「???」」

 自分の名前、そして他の2人の名前と合わさった結果、何の偶然か、某有名店のお店と同じ名前とだけあって、物質界出身の生徒達は皆笑いを堪え、健太は「何時か絶対誰かに言われる」と思っていたのか頭を抱えて叫んだ。


「ほらさやや、そろそろリオ達の番だよ|(小声)」

「よし、さっき言えなかった事を言うぞっ」

「え、マジで言うの? よけいな混乱をマネくだけだよ?」

「そもそもその混乱の種を蒔いたのはお前だろ……」

 首を傾げて可愛く言うリオに少しイラっとした。


「次の方-」

「おう……」

 ティーナが次の人を呼ぶと、佐夜達の前の席に座っていた女子が立ち上がる。すると、


 ざわざわっ……


 という周りからそういうどこかで見た(聞いた)事がある様な擬音が聞こえてきそうな雰囲気になり、佐夜達は問題の人物を見る。

 その女子はこの学園の女子制服を着ておらず、ヤンキーや暴走族が着てそうな特攻服(変な文字やロゴは入っていない無地タイプ)を着ていた。赤いリーゼント頭に首には小さい鎖のネックレス。総合してどう見ても不良にしか見えない。一応学園の印が付いたネクタイを腕に巻いているが、どう見ても───


「レディースの総長?(小声)」

「ぽいよね。頭もリーゼントだし|(小声)」

 後ろから見ていた佐夜達がその女子を見てそう言うと、


「っ(ギロリ)!」

「「っ!?」」

 小声で話していたのに聞こえていたのか、その女子がガン付けながら佐夜達を睨み、佐夜達は口を押えて怯んだ。


「太陰光(たいこう) 月(るな)さん、どうしました?」

「アタシを下の名前で呼ぶんじゃねぇ!(怒)」

「ひっ!?(怯)」

 佐夜達のいる後ろにガンを効かせていると教台のティーナに名前で呼ばれ、月(るな)と呼ばれた女子は大声で怒鳴ってティーナが怯んだ。


「るな?」

「月(るな)て……」

「見た目と名前が凄いギャップ………」

「『るな』とはどう書くでござる?」

「琉那?」

「総長だ……」

「ふん、ああいう力自慢な女子(おなご)、妾のいた世界では珍しくとも何ともないわ」

「だな。私の部下にもああいう男勝りな女子(おなご)いたしな」

「どういう世界だよ?」

 そんな迫力満点なヤンキーな月(るな)に対し、周りの生徒達の反応は様々だ。


「手前等(てめぇら)いい度胸じゃないか。よし、表に出ろや!」

「ダメです。いいから早く自己紹介を済ませてください太陰光(たいこう)さん」

「ちっ」

 さっきの怯んだ様子から回復したティーナが腕まくりした月(るな)を制し、月(るな)が舌打ちした。


「た、太陰光(たいこう) 月(るな)だ。この名前に文句ある奴は掛かってこい」

((((((怖いわっ))))))

 不敵な笑みを浮かべ、自己紹介をしながら指をポキポキ鳴らす月(るな)に物質界出身の非戦闘員の生徒達は心の中でツッコんだ。


「ま、まぁ、気を取り直して次行きましょうか。えっと次は……」

「リオの番だね!」

「………」

 気を取り直したティーナが次の人を呼ぶとリオが手を上げて立ち上がり、ティーナの顔がおかしくなって沈黙した。


「さっきティーナが言ってた様にリオはみんなをサポートする上級生だお。宜しくね~♪」

 大きく手を振ってアピールするリオに佐夜が苦笑した。

「こほん。皆さん、リオはこんな姿ですがこれでも立派な『男の子』ですからね?」

「「「「「「ええっ!?」」」」」」

 ティーナの暴露にリオを微笑ましく見ていた生徒達は大いに驚いた。

「ああっ、ティーナ酷い、リオは『男の子』じゃなくて『男の娘』だよ!」

「一緒でしょうに」

「違うよー」

 プンプン怒るリオに驚いていた生徒達だが、「まぁ、色んな人種がいるんだからこういうのもいるか」と、変に納得してしまった。


「じゃ、じゃあ次が最後ですね」

「………」

 ティーナがリオとの会話をぶち切り、次の人を呼んだ。勿論最後は佐夜だ。


「さっき担任の子が来たから説明できなかったけど、俺の名前は美里佐夜、昨日はこのバカの所為で女子の恰好をさせられていたけど……俺は『男』だ!」

 先ほどの月(るな)の威嚇とは違うが大きな声で自分の性別を言った。


「「「「「「「……………」」」」」」」

「ん? みんなどうした?」

 すると突然教室内がしん、と沈黙し、佐夜が周りを見渡した。すると、


「「「「「「「あ、あははははっ」」」」」」」

「え?」

 今度は突然皆が笑いだし佐夜が困惑する。よく見れば前の席の月(るな)も机をバンバン叩いて大笑いしている。何故笑う。


「えっと、佐夜さん? それは何の冗談でしょうか?」

「冗談ではないよ!?」

 笑いを堪えてながらティーナがそう言うと佐夜はツッコんだ。そんな2人のやり取りに周りの生徒達の笑いも大きくなる。


「え? ですが佐夜さん。この生徒名簿(出席簿)には貴女の性別、『女性』になってますよ?」

「………は?」

 ツッコまれたティーナは生徒名簿を開き、佐夜の所を指差して言うと、佐夜が固まった。石ではなく氷漬けの方。


「ちょ、ちょっとそれ見せてくれ!」

「あ、はいどうぞ」

 氷漬け(フリーズ)状態から一転、急いで教台の方に行きティーナの持っていた生徒名簿に載っている自分の項目を凝視する。


 そこには佐夜の性別が書いてある所にハッキリと『女子』と書いてあった。


「な────」

 それを見た佐夜が一瞬言葉を失い


「何じゃこりゃああああああああっ!!?」

 某・刑事ドラマの最終回で撃たれたみたいな声を上げて、教室中に佐夜の大声が木霊した。


 次回はオリエンテーションを大々的にダイジェスト(ぶった切り)し、帰りのHRまで行く予定です。

 長くなり過ぎて変な感じにならない様にしなければ……

 ではまた。


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