↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界無双禁止規定(ステージ オブ グラウンド)『緩』 ~歌姫神と称された少年のあれこれ~  作者: 浅葱
第5章 ~学園狂想曲(スクールカプリッチオ)~
114/241

プロローグ後編 ~新入生代表挨拶~

プロローグの後半です。

前半の最初を見ればどういう事が起きるのか予想が着くと思いますが、今しばらく茶番にお付き合いください。

「んああああああっ(バキバキバキ)」←ストレッチで背骨が鳴る義信。

「老人ですか貴方は?」←眉を顰めて突っ込む透。

 新学期の登校日の初日、同じクラスの義信と透は偶々通学路で一緒になり、歩きながら先日の任務での情報交換と反省をしながら校舎に向かっていた。


「うわあああああああああああああああっ!?」


「「ん?」」

 すると後方から何やら聞いた事のある人物の叫び声が聞こえて2人は後ろを振り向く。


「お、義信に透。今日から新学期なのに遅い登校だな?」

 そこには佐夜をお姫様抱っこしたままこちらに走ってくるヴァンの姿が。そのヴァンも部下の2人に気付き、2人の前で止まった。


「ヴァ、ヴァン隊長? それにその腕に抱いているのは……」

「佐夜さんじゃないですか。といいますか、何で気絶してるんでしょう?」

「いや、それよりも佐夜が女子制服を着ている事に疑問を抱けよ!? 見た感じ確かに違和感ないけどもっ」

 透が佐夜の恰好をスルーすると義信がすかさずツッコむ。


「……そういやそうですね。隊長、何故佐夜さんは何故こんな格好を? 確かにこの姿からはとても男性だとは思えない程、違和感がありませんが」

「あー、これはリオの仕業らしいぞ。朝シャンを浴びている隙に制服を入れ替えられた上、私服も隠されたらしくてな」

 ヴァンの腕の中で気絶する佐夜を3人が見る。うーん。どこをどう見ても男子には見えない、と3人は思って苦笑した。


「とりあえず佐夜には入学式での大事な仕事(・・・・・)があるからこうして迎えに行って食堂の窓からショートカットで飛び降りたショックで気絶し(こうなっ)た」

「大事な仕事って……何だ?」

「入学式と言えばおそらくアレでしょう」

「アレ?」

「まぁ、私達には関係ありませんが。それより隊長、早く行かないといけないのでは?」

「あ、そうだった。じゃあ俺はこいつを体育館(講堂)に連れてってくわ。お前等も早く教室に行けよー」

「はい、ではまた」

「アレって何だー!?」

 大事な仕事が何なのか分からない義信のツッコミをスルーし、ヴァンは佐夜を抱きかかえたまま再度体育館(講堂)へ向かって走って行った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 入学式が始まる直前、ヴァンがギリギリで佐夜を体育館(講堂)に連れてくると、既に椅子に座っていた他の新入生達が自然と一斉にヴァンと佐夜に注目する。


「お、おい。あの娘すっげぇ可愛くね?」

「うわ、マジで可愛い……つか何でお姫様抱っこ!?」

「というより何でこんな日に呑気に野郎の腕の中で寝ているんだよ!?」

「くそっ、あんな子を抱きかかえて来るなんて羨ましすぎる!」

「「「「俺と変われ!」」」」

「「「「男子うるさい!」」」」

「「「「………(・×・)」」」」

 男子新入生達がガヤガヤし出すと女子達に喝されて口を閉じた。


「……でも男子達の気持ちも分からなくもないよねぇ」

「そうだね。まさか入学式にお姫様抱っこで来るなんて羨ましいよ~」

「見てアレ。抱きかかえられて気持ちよさそうに寝ている顔。とっても可愛くない?」

「そうね。まるで白雪姫みたい」

「「「「え、何それ?」」」」←幻想界出身

「「「「はぁ、はぁ……お、お姉さま……」」」」

 男子達を喝した女子達もヴァンに抱き抱えられた佐夜を見て羨ましそうにしたり、佐夜の美しさにうっとりする者がいた。


「はぁ、はぁ、うなじペロペロしたい」

「スカートがギリギリ捲れない……ちくしょう」

「亜麻色の髪が美しい。ハスハスしたい……」

「ヤバい。ここに変態がいるっ!?」

「通報しますた(ガチで)」

 一方の佐夜の麗しい姿に興奮した一部の男子達がいたが、近くにいた良心的な生徒によってガチで通報された。

 そんな注目を浴びている中、ヴァンはそんな視線を気にせず佐夜を席に着かせヴァンは教職員の席に着いた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『これより第261期生の入学式を始めます』


 そして佐夜が気絶している中、入学式のアナウンスが流れ、次々と式が進む。

 そして、

『───新入生代表、美里佐夜』

「………はっ!? ? ???」

 名前を呼ばれた瞬間、佐夜は目が覚め周りを見渡した。他の新入生達は皆、佐夜を注目している。


(あ、佐夜起きた?)

(美里さん……もしかして俺寝てた?)

(ええ、お姫様抱っこ状態で窓から落っこちたショックで貴方気絶してたのよ)

(ああ……あれは怖かった……それで?)

(で、貴方はヴァンさんに抱き抱えられたままこの会場に連れてこられたのよ)

(………お姫様抱っこで?)

(お姫様抱っこで)

(って事はここにいる皆にそれ見られていたって事じゃないか!?)

(そうね。ほぼ全員に見られてたわよ)

(うわぁぁぁ………)

 何があったのかを佐夜に取り憑いている美里に聞くと佐夜は心の中で頭を抱えた。


『新入生の美里佐夜さん。いらっしゃらないのですか?』

「え、あ、はい!」

 再び呼ばれ佐夜は良く分かっていないが立ち上がった。


「………?」

 すると佐夜は自身の身体について違和感を覚える。


 もにゅもにゅ──────


「………っ!?」

(あ、ごめん。さっきから目が覚めないから何かあった時の為に憑依していたんだった)

(お、お前~~っ)

(あははは、だからゴメンって。それよりほら、呼ばれているわよ)

(帰ったら覚えてろよーっ)

 佐夜が気絶して起きないので何かあった時の為に憑依していた美里の影響で佐夜は再び女性化していて再び胸には大きなEカップが出現。しかもノーブラ。

 ブラ無し状態で歩く時のバランスや、胸が擦れるのを我慢して佐夜は通路を回り込んで舞台裏に入る。


(つか何で呼ばれたんだ俺?)

(え、聞いてなかったの? 『新入生代表挨拶』で呼ばれたのよ貴方)

(はぁ!? 聞いてないし、二重の意味で!)

 昨日リオに「明日さややには大事な仕事があるから覚悟してね☆」と言われていたけどまさかこんな事だとは思いもしなかった。


「あ、やっと来たさやや」

「あ、リーオーっ(激おこ)」

「きゃははは、痛い痛いよぅ~」

 そこでスタンバっていたリオを見つけ、ウメボシを喰らわすがリオは笑顔だ。


「痛たたた……とりあえずさややこれに書いてある通りに喋ればいいから───って、何でまたおっぱい生えてるのさっ!?」

「生えるて……植物じゃないんだからよ───って揉むな!」

「みゃんっ!?」

 挨拶用の台本の紙を佐夜に渡したリオが目にしたのはこれまた見事なEカップ。佐夜を罠に嵌めたつもりがまさかの事態に動転したリオが思わず佐夜の胸を揉んだため、佐夜の拳骨が炸裂した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


【それぞれ違う世界で生きてきた私達が何かの事件、もしくは縁を越えて(得て)今日この世界、この場所に集い、まだ一部の生徒が揃ってはいませんが無事、入学式を迎えることが出来ました】

 リオと共に舞台裏に控えていたユフィにマイクで話す時のアドバイスを受け、佐夜はゆっくりと丁寧に話し出す。


【────祝福(ギフト)や魔法、スキルやその他の異能力。持つ者と持たざる者が混ざるこの学園ですが、持つ者は自分の力に驕らず、持たざる者は劣等感を抱く必要はありません─────】

 佐夜は『錬成術』を習得しているが、異能力を持っていない者もここにはいる。だが劣等感を抱く必要は無いのだ。

 義信やゼロも無能力だし、エルシオンやベルガイアに搭乗しているオペレータの子や科学者などの技術員、学園の近くに発展している街にも無能力者は多い。

 例え何の能力も無くても、銃のライセンスや技能検定、電脳(デバイス)の操作が出来れば艦のオペレータになれるし、料理が趣味なら店を街に出す人も結構いる。異能力者だって何かと入用な時や外食時にはやはり無能力者に頼る事が多い。

 つまり異能力者は無能力者のサポートが無いと何かと色々と不便なのだ。


【この学園に通い、いつの日かこのイニシエから卒業して他の世界に移住したり、他の組織に移籍したり、戦いの際にその生を終えてしまう事もあるとは思いますが、これは自分自身の人生です。悔いの無い様に生きたいです】

 ヴァンやマロンは言っていた。この学園はあくまで知識や能力(ちから)(技能)を手に入れる場所だと。知識や能力(技能)を十分身に着け、自分で自立しようと思えばいつでも旅立てたり、ニケや舞華のいる実力主義の機関に移籍する事も出来る。

 そして生きてはいたが義信だって何度も死にかけているのだ。この協会や機関に属し、戦いになれば命を落とす事もあるという事を忘れてはいけない。

 だからといって、せっかく与えられたこの機会をどう使うかは自分自身に委ねられる。悔いの無い様に。

 ※:とはいってもニートと化して、何もしない自堕落者には世界退去されるという注意点があるという事を生徒手帳に書いてあると説明する。


【ですので教職員の方々や先輩達、その他の異世界関係者達には何かとお世話になると思いますので、是非温かい目で見守って頂き、厳しくも優しいご指導を宜しくお願い申し上げます】

 自分達新入生は当然、右も左も上も下も分からない初心者、ここで異世界に関する色々なルールやマナーを学び、致命的な異常(エラー)を起こさない様、先輩方や教職員の人達に深くお願いする。

 勝手な行動や下手な真似をして自分だけが危機に追い込まれるだけならまだしもその所為で仲間達にも危機や被害が広がる事だけはしてはいけない。


【────新入生代表、美里佐夜】

 そう言って佐夜は一歩下がり、深く礼をして周りから拍手が送られる。


「美里佐夜さん、ありがとうございました。では────」

 そして司会の人がプログラムの進行をしようとした時、


「ちょっと待ったー!!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 丁度、今さっき舞台挨拶を終えて頭を下げた佐夜が割り込みでマイクで話し、何事かと全員が佐夜に注目する。


(ちょっと佐夜、何考えてるの!?)

(何をってそれは勿論俺の事さ)

(ってまさか貴方この場でバラすつもりなの!?)

(ああ、じゃないと俺、学園にいる間、一生女子制服を着なきゃいけなくなるっぽいからな。ここで言わずして何時言うというんだって話だ)

(……騒動にならなきゃいいけどね)

 すかさず美里(幽霊)がツッコむが佐夜は構わずマイクを掴んで自分の事を言おうとする。


「じ、実はお─────」


「お、おい、何だアレ!?」

 しかしその声は大声を上げた男子生徒によってかき消される。そして佐夜を見ていた者全員は視線を佐夜から窓の外へと向けた。


「どこの艦!? っていうかこっちに向かってくる!?」

「に、逃げないと!」

「「「「わああああああ!?」」」」

「「「「きゃあああああ!?」」」」

 新入生達は突然の事態にパニックになる。


「敵襲か!?」

「いや、それにしては機体がボロボロすぎるでしょ」

「それに襲撃というより真っ直ぐに向かって来ているのだから恐らく墜落しかけているのでしょう」

「……お前等何でそんな呑気に事を構えてるんだ?」

「だって敵襲じゃないし」

 一方の教職員たちやヴァン達はあの艦が敵ではない事を知ったので呑気に会話している。


「あ、あのー、みんな?」

 んで、当の佐夜も突然の事態に置いてきぼりを喰らい、困惑している。


 そして、


 ドゴ─────────────ンッ!!!


 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 ・・・。


「けほっ、ごほっ……。おい、みんな、生きてるか!?」

「な、何とかー」

「死ぬかと思ったデス……」

 そして艦の中から出て来たのはカウボーイ風と空手風の少年2人とエルフの少女。そしてその仲間だと思われる人達が出て来た。


「お、どうやらここが『イニシエ』って所なのかー」

「……それより俺達、何か囲まれてないか?」

「デスね。何か催しがあってそれを邪魔してしまったのでしょうか?」

「あー、それは悪い事をしてしまったなー」

 マックと健太とロッテが周りを見て困惑する。


「……ちょっとちょっと君達、なんて事をしてくれたんだ!」

 するとそこに話を中断させられた佐夜がマック達を取り囲っていた生徒達に割って入り、マック達に糾弾した。


「お、おおう。これはまたすっごいビューティフルなレディだ……」

「ヤバい。美人過ぎて直視出来ねぇ……」

「くっ……(おっぱい大きいデス)」

 すると佐夜を見た3人(と仲間達)は佐夜に釘付けになり目が離せなくなる。


「………何とか言ったらどうなんだ!」

「何とかって……おいケンタ。この前の貸しの分、何とかしてくれ」

「俺に丸投げかよ!? ったく……」

 佐夜が腰に手を当ててプリプリ怒っているが全く怖くない。が、それでも怒っている事だけは分かるので、マックはこれ幸いとばかりに健太に事情説明と謝罪を頼んで、健太はどう謝ろうかと考えながら佐夜の下に向かって歩く。


 すると、


 ガッ────────


「あ………?」

「え?」


 むにょむにょん×2。


 ドサッ。


 ここで何が起きたのかというと、

 健太が謝罪の言葉を考え中、足元が疎かになり艦が激突した時に散らばったコンクリに躓き、そのまま両手を佐夜の胸に当て、揉みながら佐夜を押し倒した。


「い、痛(いて)ててて………。ごめん、急に躓いて押し倒し───あ……」

「おー、流石ケンタ」


 むにむに×2


 そう謝りながらも健太の両手は佐夜のEカップを揉んでいる。余程触り心地がいいのだろう。と、マックは思った。


「あ………ああああ……ああ………」

「あ、いや、これはその………」

 いきなり見知らぬ男に押し倒され、おまけに胸まで揉まれた佐夜はフルフル震え、健太の方もようやく佐夜の胸から手を放しすかさず立ち上がって後退る。


「え、えっと……何て言うか………」

「………」

 しどろもどろになりながら何とか言葉を紡ごうとする健太に対し、佐夜は無言で立ち上がる。


「な、何かブラジャーしてなかったからおっぱいの感触がダイレクトに伝わってとても良かったぞ! 誇っていいぜっ」

「っ!?(真っ赤)」

「「「「「「「の、ノーブラ(だと)!?」」」」」」」

 で、健太は健太で謝罪ではなくおっぱい揉みの感想を言ってしまい、佐夜の顔は真っ赤になり、周りの人達(特に男性陣)が目を見開いた。


「こ、この……っ」

「あ、そ、そうじゃなくて────」

 そして見事に自爆した健太にはもう佐夜への言い訳は通用しなく、


「ばかぁぁぁ──────────っ!!!」


 ドゴォッ!!


「ぬはばらっ!?」

 佐夜の拳が健太の顔に突き刺さり、健太が漫画の様に吹っ飛んだ。


「うわーん!(大泣)」

 そして佐夜も泣きながら体育館を走って逃げて行った。



「……これは今年も面白くなりそうだね、隊長☆」

「……そうだな。元気のある奴は面白い奴が多いからな。退屈はしない」

 そんな光景をリオとヴァンが微笑ましい表情で見つめていた。



はい。再び佐夜が女性化しました(翌日には戻るけど)

そして次回はクラスメイトとの邂逅とオリエンテーションです。

では。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。