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第21話 ~お仕置きと誤解~

次回のと話を区切る為、今回は短めです。

「は? 佐夜がいなくなった!?」

「「「「っ!?」」」」

「お前等超反応……」

 ヴァンが電話越しに言った事が騒いでいた4人の耳にも入り、その4人がバッとヴァンと勇治郎の方を向いた為、勇治郎の頬が引き攣った。


「リオ、とりあえず何でそうなったのか説明しろ」

「うん……」

 電話の向こうでも焦るリオを落ち着かせる様、ヴァンがしっかりした言葉で話す。


 リオの話ではホテル───というよりは旅館、の一室を借りて布団を敷き、佐夜を寝かしつけた────所までは別に何の問題も無かった。

 ただ、力無く横たわる佐夜が「何か軽い物、食べたい……」と言ったので、リオは一応、佐夜が勝手に部屋を抜け出さない様にセンサーや軽いトラップ(気絶系のやつ)をドアや窓に設置し、旅館の食堂まで行って板長さんにおにぎりや軽いオカズを作ってもらい部屋に戻った。


「……で、布団で横たわっていた筈の佐夜がいなくなっていたと」

「ごめん隊長。まさかあの状態のさややがあんな強引な方法を使って部屋を出るなんて思ってもいなかったから……」

 それなりに場数を踏んでいる筈のリオでさえさややの行動は読めなかったのだ。

 ちなみにさややが取った行動は、ドアや窓から出られないなら錬成術で床を壊せばいいじゃない、だ。んで、幸い一つ下の階の部屋は借りられていなく、誰もいなかった為、佐夜はそのままその部屋の窓から脱出してそのまま逃走し、リオが戻ってきた時にはもう近くにいる気配すら消えていた。


「ま、反省しているのなら俺からはもう何も言わねぇよ。それよりもまずは佐夜の捜索だな」

「ああ、壊された旅館の部屋はグラスを呼んで直させ、佐夜の捜索には亜空間からの捜索を────」

「その必要はないわ」

「「え?」」

 ヴァンと勇治郎が失踪した佐夜の捜索に当たろうとしたが、それを今までずっと黙っていた楓に止められる。


「こんな事もあろうかと事前に内緒で私の部下に佐夜の尾行を依頼している。リオにこういうのを任せた時点でこうなる事は分かっていたから」

「楓姉、酷い!?」

 リオの扱いがやや酷い。


「で、部下のカイドウの話だと、どうやら佐夜はその旅館近くの丘にいるようね」

「あそこだね! じゃあ早く───」

「ストップだリオ」


 ポチッ。


「んにゃあああああああああああああ!?」

 失態を取り戻そうと早速旅館を後にしようとしたリオをヴァンがスマホを操作し、遠隔でリオに電撃を浴びせて猫みたいな声が聞こえる。勿論電撃は弱め。


「何……すんのー、たいちょう~(麻痺)」

 万歳状態でうつ伏せで麻痺るリオ。何か萌える。


「お前の元からいなくなったって事は、今迎えに行ってもまた同じ事になるだけだ。お前は一度戻ってこい」

「戻ってこいって隊長……リオ、痺れて動けないんだけど?」

「あ、そっか。じゃあ楓、リオの回収を頼む」

「ええ。ついでに庇護者(さや)を逃がしたお仕置きもしておくわ」

「やぁー!?」

 初めての事とはいえ保護した者を逃げしてしまった事実は変わらない為、楓によるリオのお仕置きが確定し、リオが悲鳴を上げた。


「リオは楓に回収(おしおき)してもらうとして……誰が佐夜を迎えに行くか……」

「「「「っ!(キラン)」」」」

 ヴァンが腕を組んでそう言うと、やすしと舞華、ニケと陽菜々の目が光った。


「「「「は───」」」」

「お前等はダメだ。何を考えているのかモロ分かりだからな」

「「「「う……っ」」」」

 佐夜を迎えに行くのを立候補しようとした4人が真っ先に手を上げようとしたが、勇治郎に牽制された。


「じゃあ私が行っていいかな?」

 となるとすぐに行けるのはヴァンと勇治郎とゆかりなのだが、何故かゆかりが挙手した。


「ゆかりがか? お前、佐夜とは直接話した事ないだろ?」

「だからよ。あの子が今後どうなるかは分からないけど今お話ししないとそれすら出来なくなるじゃない?」

「まぁな」

「それにこういうのは同じ境遇に逢った私達の方が共感を得やすいし、何より女の子(・・・)同士の方が話しやすいでしょ」

「「「「「「んんん?」」」」」」

「……え、何? 変な事言った私?」

 ゆかりの発言に一同は首を傾げ、一斉にゆかりの方を向いたため、ゆかりがキョドった。


「確かに俺達と佐夜は若干状況は違うが確かに同じ目に逢っている。けどゆかり、あいつ、佐夜は男だぞ?」

「?? 勇君こそ何言ってるの? あの子は確かに口調は変だけど立派な女の子じゃない。今は何故かさらしで隠しているけど、その下のおっぱい(・・・・)は私より大きかったし」

「……あ、ああ、あああ~~。なるほど。そういう事か」

 何でゆかりが佐夜の性別を勘違いしているのか納得のいった一同。


 実はゆかりが佐夜を初見で見た時、佐夜はまだ美里の憑依の影響で女性化していたのだ(当然Eカップ状態)。それを見たのでゆかりは佐夜を完全に女の子だと勘違いしたのだ。まぁ、胸が無くても勘違いしていたとは思うが……。

 そして佐夜は協会の保護下にあり、ゆかりとは先ほどの別れの時まで完全に別行動だったのでその誤解が解けていなかったのだ。無理もない。別れるっていう時に佐夜の性別がどうのこうのは関係なかったし。


 で、当然の如く佐夜が男だという事を全員で説明………('Д')。


「と、とりあえず分かったわ(完全に納得はいっていないけど)」

「それも踏まえて考えてお前行くか?」

「そう……ね。うん、やっぱり私が行くわ。ちゃんとお話ししたいからね」

「じゃあゆかり、お前に任せるよ。ヴァン達もそれで良いな?」

「ああ、同じ境遇に逢った者同士の方が何かと話しやすいだろうしな。俺等じゃあいつに同情しかしてやれない」

「任せて」

 ヴァンが協会を代表してゆかりに託し、ゆかりがレンタル会議室を出て右に向かって歩き出す。


「……ゆかり、佐夜がいる丘は左だっ」

「っ!?」

 どうやらゆかりは方向音痴らしい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ~リオ、お仕置きタイム~


「うんにゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!?」

 

 合計108本の触手による凌辱にて絶叫を上げるリオ。その様子はとてもではないが映像化出来そうに無い。つかマジで18禁どころではなく、これを男がされたら最後、最悪オネエ(または男の娘)になる可能性がある為、リオ以外の男性部下にはしていない。男の娘が好きな楓とはいえ、オネエは好きではないのだ。


「もう、らめえぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~!!」


 もう一度言うが、リオはとても皆様にお見せ出来ない顔をしています……。


 いささかやりすぎだろう楓……。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 一人にするといつまでたっても(物理的に)迷子になり目的地に到着しないゆかりを楓の部下、アサガオが仕方なく隠密状態から姿を見せゆかりを佐夜のいる丘まで連れて行った。


「………」

 ゆかりが丘の頂上に着くとそこには膝を抱え、頭も埋めて黄昏ていて、それを見たゆかりもとてもじゃないが明るく声を掛けられない。

 とはいえ自分で迎えに行くと言った手前、このまま帰る訳にはいかないのでゆかりは足音を立てずにゆっくりと佐夜に近付いていく。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 コツン……。


「……ん?」

 自分の還るべき場所を奪われて感情がぐちゃぐちゃになった佐夜の頭に何か硬い物が当たり、佐夜が顔を上げる。


「はいこれ、差し入れ」

「あ、ああ。ありがと……」

 佐夜が顔を上げるとそこには缶ジュースを持った巫女服を着たゆかりの姿が。通常なら話した事の無い人がそこに居る事にツッコむべきなのだが今の佐夜にはそんな精神的余裕は無く、渡されたジュースを力無く受け取る。


「それで何やってるの、こんな所で?」

「ちょっとな。色々とショックが大きくて自分でも何をやっているのか分かんない……」

「そっか……」

 受け取ったジュースを開けずに見つめながら言う佐夜にゆかりはゆっくりと佐夜の隣に座る。


「あ、そうそう。ちょっと貴女(・・)に聞きたい───というか確かめたい事があるのよっ」

「ん……何?」

 すると突然ゆかりが「ふんすっ」と佐夜に詰め寄って問いかけ、食い気味のゆかりに対して若干佐夜が引いた。


 すると、

「えいっ!」

「っ!?」

 何故かいきなり佐夜の胸板を触り出したゆかりに佐夜は面食らった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ~リオのお仕置きタイム終了~


「きょ、今日はこのくらいでカンベンしてやるぅ~~(艶)」

 目をグルグル回しながら意味不明な事を口走るリオ。


「……少々やりすぎた」

 これ以上やりすぎると色々と後戻りできなさそうな表情をしているリオを見て戦慄が走った楓だった。



次回は23~24日に更新します。割とゆかりは押しが強いな。

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