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大好きな令息が親友でいたいと言ったから  作者: 鈴木べにこ


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3/18

3.否定された恋心に蓋をして

「ねぇオリバー! 私とアンディっておかしいの? 普通の親友の関係じゃないの?」


 ジョゼットは半ば縋るように問いかけた。


 その問いを受けたオリバー・ベアードは、困ったように眉を下げる。


 焦茶色の髪に同じ色の瞳。

 

 穏やかな雰囲気を纏う端正な顔立ちの青年は、幼い頃からジョゼット達と交流のある幼馴染で昔から2人をよく知る数少ない人物でもある。



「・・・ジョゼット。本当に気付いてなかったのか?」


「え?」




 オリバーは静かにため息を吐いた。



「君達、どう見ても普通の親友じゃない」


「え!?」


「距離感が恋人なんだよ。いや、下手な恋人よりずっと特別に見える。」



 ジョゼットの肩がビクリと揺れる。


 やはり、婚約者達に言われた事は間違いではなかったのだ。




「アンディは君に触れすぎだし、君もそれを当たり前みたいに受け入れてる。周囲から見たら“恋人同士”以外の何物でもない。」


「でも、アンディは私を親友だって・・・。」


「そうだろうね。」



 オリバーは苦笑した。



「本人は本気でそう思ってるんだろう。でも周りはそう見ない。正直、婚約者がいて許される距離じゃないよ。」



 ジョゼットは俯いた。


 胸が痛い・・・が、アンディに悪気はない。

 

 そして自分も悪い。



「・・・私、どうしたらいいのかな」


「距離を置くしかないだろうね。もちろん物理的に。」




 その言葉に、ジョゼットの胸がぎゅっと締め付けられた。


 ずっと当たり前に隣にいた。


 呼吸をするみたいに一緒にいた。


 それを失うのは、怖かった。



「そんな顔するなよ・・・。」



 ふいに優しい声が降ってくる。


 顔を上げれば、オリバーが真っ直ぐジョゼットを見つめていた。



「ジョゼット。俺は・・・君が好きだ!」


「え?」


 一瞬、意味が理解できなかった。


 ぽかんと固まるジョゼットに真剣な表情のオリバー。



「ずっと前から好きだった」


「えっ、あ、えっ!?」



 人生初の告白だった。


 ジョゼットは頭が真っ白になり慌てる。



「アンディが好きなままでも構わない」


「っ!?」



 図星を刺されてジョゼットの頬が熱くなる。



「すぐに俺を好きになってほしいとは言わない。でも、少しずつでいい。俺を見てほしい。」


「オ、オリバー・・・っ。」


「返事は急がなくていい。」



 そう言って優しく微笑むオリバーに、ジョゼットの心臓はうるさいほど跳ねた。


 こんな風に“女性”として見られた事なんてなかった。


 アンディとは違う。


 全然違う。


 その違いに、ジョゼットは戸惑いながらも胸を高鳴らせていた。



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