表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
136/162

第135話:心の亀裂、閃光の残像

藤田の身体が、爆発した。

並の剣士では到底届かないはずの間合いから、弓のようにしなった背筋が一気に解放される。

全身のバネを乗せた、超長距離からの『面』。

だが、瞬が本能的に下がったわずか数センチが、命運を分けた。

藤田の竹刀は空を切り、勢いのまま二人は鍔迫り合いへと密着する。

(見えなかった……。遠間ですら、この速さなのか……!)

驚愕に目を見開く瞬に対し、藤田は密着した距離で不敵に口角を上げた。

(運よく躱したか。……だが、次はないぞ)

分かれ際。

瞬は恐怖を打ち消すように、決意を固めた。

(遠間は危険だ。……攻める。俺の剣道で、こいつを崩すんだ!)

瞬は自らの矜持である『攻め』を起点に、一気に間合いを詰めた。

「――近間の打ち合いは、俺の専門なんだよ!」

藤田の斬撃が、視界を焼き切る閃光となって飛ぶ。

瞬も必死に竹刀を振るい、連続打突で応戦するが――

藤田の速度はそれを遥かに凌駕していた。

瞬が次の技へ繋げようとしたその刹那。

残像すら置き去りにした藤田の竹刀が、瞬の脳天を正確に射抜いた。

「面あり!」

審判の赤旗が、三本同時に突き上がる。

――ついていけない。

信じてきた『攻め』も、積み重ねてきた『経験』も、すべてが届かない。

瞬の心に、鋭く、冷たい亀裂が走った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【読者の皆様へ】 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます! 本作は全160話完結済みです。 完結まで毎日2回(朝・夜)、欠かさず更新してまいります。 もし少しでも「続きが気になる」「瞬を応援したい」と感じていただけましたら、 **下の【ブックマークに追加】と、【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】**にして応援いただけると、執筆の大きな励みになります。 皆様の一票が、より多くの読者にこの物語を届ける力になります。 よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ