第127話:最高のチーム
「繋げんかった……か……」
宇佐美の絞り出すような呟きが、静まり返った観客席に落ちた。
隣に座る遥も裕一も、かけるべき言葉を見つけられずにいた。
第一試合場。
そこには、ただ絶望に暮れる仁明館の選手たちがいた。
「ごめん……繋げれんかった……っ」
自席に戻ってきた副将が、溢れる涙を拭いもせず、絞り出すような声で加賀谷に謝罪する。
自分の敗北でチームの負けが決まった。その重圧に押し潰されそうな仲間を前に、加賀谷は言った。
「繋がったよ……」
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加賀谷は、泣き崩れる副将、肩を落とす仲間たちの顔を一人ひとり、慈しむように見つめた。
そして、ふわりと穏やかな笑みを浮かべた。
「みんなの気持ちは繋がった。……俺たちは、最高のチームじゃ」
その言葉は、凍りついていた仁明館の空気を溶かす灯火となった。
加賀谷はそのまま、鷹司の待つ試合場へと、迷いのない足取りで向かっていく。
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その様子を、試合場で待つ鷹司は冷め切った瞳で眺めていた。
もはや勝敗の決した「終わった試合」。
興味を失ったように視線を外していたが、眼前に加賀谷が現れた瞬間、その瞳はさらに暗く、一切の感情を排した。
(まだ目が死んでいないのか……。ならば二度と、挑戦する気が無くなるように叩き潰すまで)
鷹司の背中を見つめる虎皇館のメンバーも、身震いするほどの圧を感じていた。
「始め!」
審判の号令が響く。
仁明館、その最後にして最高の一戦が始まった。




