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四角い空を見上げて  作者: くまのびと
「四角い空」から見る夢と現実と、過去と今。お伽噺と「その先」について。
7/18

雨雲の「音」と「臭い」と「僕」と。

サワサワ・・・


心地好い音と、水面を撫でた風が作り続ける、ひんやりと過ぎ行く涼風が静かにそよぎ、何処かへと流れて行く。


ザワザワ・・・


体を震わせながら、木々が踊る。

大きな体に纏わり付く様に、でも、太陽の光を精一杯受ける為に自ら生やした枝葉は、風を受けて勇みながら喜び回る。



そんな風の心地好さが頬を撫で、僕は目を覚ました。

辺りを見渡すと、相変わらず皆は川遊びを楽しんでいる。


「ん・・・」


寝転がったままで、首を思い切り上空プラス45度位にまで反りつつ、そのまま思いっきり両手足を伸ばしながら、斜め上の青空を仰ぎ見る。


「あ・・・」


木々の間に見える、もくもくと、ゆっくりと浮かび上がり、形を整えつつある、黒いゆらゆら。


「入道雲だ‼️」


立ち上がった僕を横切る風には、微かに雨の臭いが含まれていた。


「もう帰ろう‼️」

僕は叫んだ。


流石は田舎の子供の集まりだ。

僕の言葉に対しては「?」ばっかりだったけど、顔を上げた先にある、僕の向こうの「真っ青なキャンパスを侵食する黒」を目視した後は、皆申し合わせたかの様に、一目散に川から上がり、走り出した。


「今日の夕立早やすぎやろ‼️」

「ばってん、早よ帰らんと」


皆規則正しく一目散に、だけど散り散りに走り出す。

帰りは下り坂だ。

かけっこの様に全力で皆が走る。


さっきまで遥か後ろにいた雨雲が、いつの間にか近くに接近している。

「臭い」で分かる。


「わー‼️」

「また明日ぼろ橋行くばい‼️」


皆口々に騒ぎながら、坂道を転げ落ちる様に駈けて行く。

僕も走りながら、木々の間に見える「ぼろ橋」を見る。


いつまでも変わらない橋。

お父さんや、そのお父さん。

そのまたお父さんが皆知ってる「ぼろ橋」は、いつもと変わらずに、そこからじっと動かずに、じっとしている。


「明日もまた来るからね。」


そう言い終えた瞬間。

或いは「から」と「ね」の間の雨音。


「ポタポタ」


と言う音が、僕の耳に届く。

家まであと2分。

一番遠い「美樹」ちゃんの家までは、あと3分位かなあ。


間に合え‼️間に合え‼️


そんな願いを裏切る様に、黒い領域を従えた入道雲が落とす水滴は皆を濡らし、どうにか家に着いた頃には、雷光を轟かせ、全てを覆い尽くす様な雨音を辺りにひたすら響き渡していた。


「今日は夕立が来るの早かったね」


お母さんがタオルをくれる。


「うん。」


頷きながら、軒下に座る。

お母さんが出してくれた西瓜を食べながら、空を見上げた。

相変わらず、夕立は雨樋を震わせている。


「まだ4時なんだ‼️」

スイカを食べながら、居間の時計を見た僕はビックリして叫んだ。


「ご飯はまだやけんね。」


お母さんの言葉は当たり前だ。

お父さんだって、まだお仕事してる時間じゃないか。


「うー‼️」


・・・・夏休みの宿題しようかなあ。

と思いながら、結局僕は「ゲームボーイ」のスイッチを入れてしまった。


















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