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四角い空を見上げて  作者: くまのびと
「四角い空」から見る夢と現実と、過去と今。お伽噺と「その先」について。
17/18

「misery」と「遠い太鼓」の間にある「若者の全て」とあの鐘

次の日は何となく「ズル休み」をして、また「ぼろ橋」にいっちゃった。


真夏のピーク真っ盛りのさなか、午前中は一人で泳いだりして楽しかったけど、いつの間にか岩の上でウトウトしてたみたいだ。


「悲しいと言うならば空の青ささえも、届かないもどかしさに君は泣くんだろう。」


「君の小さな胸を包んでる夢は、痛みを飲み込み、鮮やかになる。」


そんな歌を思い出しながら目が覚めた。


緩やかに通り過ぎて行く風が、今は何だか気持ちよくて、僕は起き上がり前を見る。


そこにはいつも通り、ちょっと向こうの方には「ぼろ橋」があった。


近くにあっても、実は果てしなく遠い。

物理的にそこに行くには、川から上がって、獣道をかき分けてかき分けて、何があるか分からない道を進んて行かないといけない。


途中でヘビに噛まれても、足が木の根っこに刺さっても、ささくれだった枝を掻き分けて、両手両足がボロボロになるかもしれない。


そんな事を思っていると、川の音と風の音とは別の音が聞こえてくる。


ああ、今日は小学校の運動会の練習だったな。

僕はズル休みして、両親の仕事の合間に来たんだっけ。


応援団の鳴らす、バラバラの太鼓の音が遠くから聞こえる。

「ドンドンドンドン」


全く。

こっちは一昨日の試合の悲惨さを忘れようって。


なんとなく川に足元を浸してみる。

ヒンヤリとした感覚とは別に、昨日の試合の熱量が脳裏に蘇ってくる。


「取り戻した」のは熱量なのか、夢で散々見た、僕の未来のどこか覚めた自分なのか、或いは、これから向かっていく自分だったのか。


分からなくなる。


「ドンドンドン!」

また太鼓の音がけたたましい。

うるさいなあ。


「遠い太鼓」


ヨーロッパ生活を描いた某小説家じゃないけれど(僕の短い人生経験の中で、そんな事を思う事自体が厚かましいと言われたら、実にその通りです。と謝るしかないんだけど。)


あーあ。

もう帰ろう。

帰って大人しくしてた風にしよう。

もうすぐチャイムがなるかもしれない。


マイルズ・デイヴィスがジャズにしてしまった「あの音色」が。










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