取り戻した日
「真夏のピークが去った」 「天気予報士がそう言ってた」 「それでも未だに街は落ち着かない様な気がしている」 そんな歌を口ずさみながら、僕は「真夏のピーク」真っ最中の午前11時に汗を流していた。 今日は所属する野球のリトルリーグの練習試合がある。 僕の所属するチームは、千歳市なら2番目、道大会なら毎回2回戦かよくて3回戦で負けるレベルのチームだ。 僕の本職はセンター。 僕は空間把握能力と両腕の可動域の広さに秀でているらしく、本職のセンターだけじゃなく、負け試合のいよいよピッチャーがいなくなる場面で、たまにマウンドに 「立たされる」 ところが、今日は少しばかり状況が違った。9回表、2点リードの場面で僕は突然マウンドに 「立たたされた。」 意味がわからなかった。後で聞いた話だと、エースの子が5回まで投げた後、普段ファーストの2番手が7回か8回まで抑える。 その後に抑えの、普段はのほほんとライトをしている(少なくとも、当時の僕にはそんな風に見えていた。)子が締める。アクシデントがあれば、普段キャッチャーをしている4番のあいつが所謂「キャッチャー投げ」でどうにかする。 はずなんだけど、ライトとキャッチャーが試合の途中に突然体調を崩したらしい。 (今で言うなら、多分熱中症みたいなものだと思う) そんな訳で、僕がマウンドに「立たされた」みたいだった。 僕はドキドキしていた。 「追いつきたい」 じゃなくて、「追い抜かれたくない」 昨日嫌と言うほど感じた負い目がなくなっていくのがわかる。 勿論、昨日の負い目は「僕個人」が感じた負い目だ。 今日の「責任感」は、僕も含めた皆が作り上げた物だ。 だからこそ、それが文字通り「僕の両肩」にかかっている現実が嬉しくてたまらなかった。




