第48話 働く運命(さだめ)
「堂々と活動できれば、堂々と、世界征服ができるわけだな!」
「それはいいぞ!そうなれば、世界征服が、早急に叶いそうだ!」
なんだか、少しずつずれた感想だけど、なかなか好感触なようだ。
「会社をつくるに当たり、組織が必要です。」
あらかじめ用意してあった、プリントを配って説明した。
「社長や取締役、部長、課長といった役職と、営業や経理などの担当が必要になります。」
プリントに目を通しながら、幹部の一人が手を挙げた。
「なるほどな!社長は、魔王様で決定だな!!」
それは、満場一致で、すぐに決まった。
「数字に強いのは、ハンスで、経理だな……」
次々に、役割が決まっていった。
いいぞ、順調だな!
後は、成り行きを眺めていればいいな。
今日の会議のデザートの『いちごプリン』を、口に入れた
その時。
「営業部長は、ストラウスだな!」
魔王様が、発言した。
オレは、いちごプリンを吹き出しそうになった。
「いや、あの……」
会社の役職に就くつもりはなく、
みんなに任せて楽を……いや、横から指導をしようと思っていた。
それなのに。
「そうだな。営業はストラウスが得意だよな!」
「ストラウス営業部長で決定でいいな?」
は――い!
幹部たちが揃って返事をした。
まてまてまて!!
もっと仕事が増えてしまうじゃないか!!
オレの仕事を減らすために、一生懸命、会社の設立を考えたのに、なんてことだ。
いちごプリンを飲み込む間に、オレの名前が、営業部長の欄に書かれてしまった。
思わず、涙目になってしまったオレ。
エドの手が、ポンっと肩におかれた。
「ストラウス、お前は働く運命なんだよ。あきらめろ。」
あきらめる?
いや、そんなことはできない。
オレは、絶対に働きたくないぞ――!!
心の叫びは、どこにも届きそうになかった……。




