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第41話 また会おうね


「なんだかんだで、総合すると楽しかったね―!!」


絶叫ランドの帰り道。


葉月がうーん、と背伸びをした。


ちょと雑な感想だけど、まあ、確かに楽しかったかもな。


「すぅくんたちがいて、本当によかったよ。私たちじゃ、あの魔物、手に負えなかった。」


「まあ、そうかもしれないけど、葉月は前より攻撃が上手くなったな。」


へっへーん、と得意気になる葉月。


「杖を変えたら、素早く動けるようになったし、ちゃんと狙えるようになったの!!」

「アドバイス、ありがとうね」


「いや、アドバイスってほどでも、なかったけどな。」


お礼を言われるほどの事ではないけれど、喜んでくれたなら何よりだ。


ここまで話すと、急に葉月が、しんみりした様子になった。


「また、助けてもらっちゃったね……。」

「実はね、私のお父さん、魔族にやられて亡くなっているの」


そうなんだ。それは知らなかった。


「それで、お兄ちゃんも私も、仇を討とうって決意して、勇者を目指していたんだけど……」


少し、言葉を切る葉月。


「すぅくんたちに会ったら、仇を討つのが正解なのかわからなくなっちゃった。」


葉月が、無理に笑顔を作る。


その様子を見て、葉月のお兄さんが話し始めた。


「私も、葉月と同じですね……」

「これまでは、魔族を見たら、とにかく倒すことを考えていました。」

「でも、今は倒すことに、ためらいを感じます。」


オレたちは、なんて言葉を返したらいいか分からなかった。


オレたちは、なんと言っても世界征服を狙っている魔族なんだ。


でも――


「そうだな。確かに、魔族には凶悪なやつもいるからな。」

「オレたちが、そうじゃないかと言われると、自分ではわからない。」

「でも、少なくともオレたちは、むやみやたらに、人間を傷つけたいとは思わないな。」


オレの言葉に頷いて、エドが続けた。


「そうですね……。ストラウスの言うとおり、人間を傷つけたいとは思いませんね。」

「勇者は、人間を傷つけてくる存在を見つけたら、倒す。それでいいんじゃないですか?」


エド、良いこと言うじゃないか。


「魔族だから、というだけで攻撃されるのは、ちょっと理不尽な気もするよな」


「なるほど」


と、葉月のお兄さんが頷いた。


「そうですね。これからは、相手をよく見てから攻撃することにします。」


「ね、だから言ったでしょ?凶悪そうな顔した魔族だけ倒すことにしようって。」


葉月が、得意気な顔をした。


「でもな、葉月。オレたち魔族は、基本的に美男、美女にできているらしいぞ。」


そう、人間から警戒心を解いてもらうために、だんだんと進化したらしい。


「え――、そうなんだ!だから、君たち、なかなかイケメンなんだね!」


葉月が目を丸くした。


「じゃあ、どうやって見分けたらいいの……」


頭を抱える葉月に


「まあ、攻撃してくるかしないかで判断すればいいんじゃないか?」


と、葉月のお兄さん。


「そうだねっ!そうしようっ!」


ぱっと、笑顔で顔を上げた。


この二人、相手の様子を見てて大丈夫か?

最初の攻撃で、やられたりしないか?


――って、なんで勇者の心配しているんだ、オレは!?


しばらく歩くと、駅に着いた。


「あ、私たち、こっちなんだ。ここでバイバイだね。」


ちょっと名残惜しそうな葉月。


「じゃあな」

「さようなら」


オレたちが手を振ると、


「うん、また会おうねっ!」


葉月が、ブンブン手を振った。


 「また、会おう」、か。


それも悪くないかもしれないな。


人間と交流したことで、これまで感じたことのない、色々な感情が生まれた気がする。


それが、良いことなのか、悪いことなのか分からない。


けれど、少しだけ、いつもより楽しいと思うことが増えたんだ――

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