第40話 類まれな魔力
「私は、絶叫ランドの代表でございます。」
「勇敢な勇者様たち、絶叫ランドの危機を救ってくださり、本当にありがとうございました。」
ああ、ここの代表者だったのか。
って、また勇者に間違えられてるぞ!?
「お礼には、及びません。私たち勇者ではなく、こちらの魔族の方が、魔物を退治してくれました。」
葉月のお兄さんが、アウグストゥスを指差した。
「なんと、魔族の方が、退治してくださったのですね!」
「ジェットコースターが、変形したのも、あなたがやられたのですか?」
アウグストゥスは、エドの後ろに隠れてしまって、返事をしない。
仕方ないな、オレが代わりに答えるか。
「そうです。彼は、類まれなる魔力の持ち主です。ただ、人見知りなので、私が代わりにお話しますね。」
「そうでしたか!心より、魔物の退治、感謝申し上げます。」
「ところで、ご相談があるのですが……」
相談?オレたち魔族にか?
「あちらの方が変形させたジェットコースター、このまま、こちらで使用してもよろしいでしょうか?」
えっ!あの恐怖のマシーンを、人間は本当に使うのか?
「それ、いいね!残してくれたら、私、乗りたい!」
葉月が、身を乗り出した。
人間よ……、正気か?
「それと……、他のアトラクションの、改造をお願いできないかと思いまして。」
「独創的なアトラクションが増えれば、集客効果はとてつもないものになるでしょう!!」
「ただ、他所に情報が漏れないように、提携を結んでいただきたいのですが、いかがでしょうか?」
なるほどな。
たしかに、アウグストゥスが改造を加えたら、どこにもないアトラクションになるだろう。
「悪い話ではないですね。契約にあたり、どれくらい、いただけるのでしょうか?」
最近、こんなのばっかりだな。
だんだん、慣れてきたかもしれないぞ!
「そうですね……」
「また、きちんと書類にしてお渡ししますが、最低限これくらいはお約束できると思います。」
電卓を叩いて見せてくれた数字は、とてつもない金額だった。
これだけあったら、世界征服しなくてもよくならないか!?
ここは、冷静に、冷静に……。
「ありがとうございます。そうですね、前向きに検討したいと思います。」
「本人の意思と、魔王様に確認したうえで、あらためてお返事しますね」
アウグストゥスを見ると、改造ができる期待で、目がキラキラしていた。
これは、やらせてあげたいな。
「では、ぜひとも、良いお返事をお願いしますね!」
連絡先を聞かれたから、また、ばあちゃん家にした。
最近、色々なところからばあちゃんの家に電話がかかってくる。
あまり迷惑をかけるわけにもいかない。
……魔族も電話を持ったほうがいいかもな。
「それでは、失礼します」
挨拶して、オレたちは帰ることにした。




