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第37話 見たことのない敵


「お兄ちゃん!」


音がした方へ駆けつけると、葉月のお兄さんが、そこにいた。


「葉月、どこへ行っていたんだ!?……あ、エドさんに、ストラウスさん??」


葉月のお兄さんは、オレたちのことを覚えていたらしい。


「先日は、大変お世話になりました……」


「いや、お礼はいいんだ。今、何が起きているか、状況を教えてもらえないか?」


オレは、当たりを見回した。

けれど、黒い煙で何も見えない。


「わかりました。……先ほど、ジェットコースターが、2台、破壊されました。」

「パニックになった人々を、今、避難させたところです。」



なるほど、ジェットコースター2台か。


あれを破壊するなんて、ものすごい力だ。


「で、敵は魔族なのか??」


「それが……、わからないのです。」


「わからない?」


どういう意味だろう、と考えていると、葉月が、叫んだ。


「あ、見て、あそこ!!」


指差した方を見ると、


――『魔物』の姿がそこにあった。


赤い目に、ゴツゴツした黒い体。

コウモリの様な羽根をバタつかせて飛んでいた。


鋭い爪をこちらに向けて威嚇している。


10匹ぐらいいるだろうか?


「なんだ、あれ。オレたちと全然違うな」


エドが言うのはもっともだ。


オレたち魔族とは全く違う、禍々しい姿。一目で、ヤバイ存在だとわかる。


なぜ、こんなところに現れたんだ?


「ヤバいな。あれ、どうするんだよ?」


「仲間ではないのは、たしかだろうな」


遭遇したことのない事態に、オレとエドは困惑していた。


というか、アウグストゥスがいないぞ!しまった、置いてきてしまったか?



――そのうちに、一匹がこちらに向かって飛んできた。


「葉月、杖!」


葉月のお兄さんが、杖を渡す。


あっ、杖のサイズが小さくなったな?


「杖、買い替えたんだよ!」

葉月が、笑顔でこちらを振り返った。


そうか。アドバイス、聞いてくれたんだな。


新しい杖は、葉月に合っていて動きやすそうだ。



――葉月と、葉月のお兄さんが横に並んだ。



「「――魔物たち、覚悟!!」」



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