第26話 Side葉月 帰り道
夕日がキレイな帰り道。
私は、湖の出来事を思い出していた。
初めての実戦。
相手は、魔族。
魔族は、人間にソックリな見た目をしてるって聞いていたけど、あれは、似すぎじゃない?
のんきに釣りなんてしていたし。
魔術を出さなきゃ、もう人間だよね?
それでも、魔族は魔族。
見た目と雰囲気に、騙されちゃいけない!
どれだけ凶暴なんだろうって、覚悟した。
――攻撃するのは、すごく怖かった。
足はガクガクするし、手も震えた。
頑張って技を出したけど、山は崩してしまうし、湖まで破壊した。
あーあ、色々上手くいかなかったな。
反省することばかりだ。
結果、魔族に助けられてしまった。
うぅっ。勇者(見習い)なのに、情けない……。
お礼に訪れた、ストラウスさんのおばあちゃん家は、なんだか温かくて……。
アップルパイは美味しすぎたし、
話し込んで、杖の指導までしてもらった。
助けてくれた時から、変だなって思っていたけれど、
魔族って、悪い魔族ばかりじゃないの?
ストラウスさんたちが、特別なだけかな?
黙っていたけど、私のお父さんも勇者だった。
……だけど、魔族にやられてしまったんだ。
私とお兄ちゃんは、二人でかたきを討とうって決めている。
でも……。
ストラウスさんたちとは、戦いたくないな。
だって、攻撃が当たってしまったら痛いよね。
助けてもらったのに、痛い思いはさせたくない。
それに……なによりも、二人が悪い魔族には思えない。
どうしよう……。
私は、しばらく考えた。
そうだ!!
今度、魔族と戦う時は、相手の顔をよく見よう!!
凶悪そうな顔をしてたら、容赦なくやっつければいいよね?
こうしてはいられない。強くならないとっ!
早速新しい杖を見に行こう!!
次こそ、山じゃなくて、凶悪な魔族を狙えるようになるんだからっ!!
……遅くなると、お兄ちゃんが心配してしまう。
私は、帰り道を急いだ。




