第21話 助けてあげるか
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「おい、大丈夫か??」
動かない。
完全に気を失っているようだ。
「どうする、ストラウス?」
「そういえば、ばあちゃんが、緊急の時は、『救急車』っていうものを呼ぶって言ってたな……。」
でも、オレたちは魔族だ。
『救急車』の呼びかたもわからない。
人間の救護なんてしたことのないオレたちは、困り果ててしまった。
「置いて帰るか?」
エドが、疲れたように言った。
「う――ん。」
たしかに、オレたちを倒そうとしてきた勇者(見習い)だし、置いて帰ってもいいかもしれない。
でも、そうすることに、なぜか抵抗を覚えてしまった。
――夕方になり、だんだん寒くなってきた。
ばあちゃんが、「寒さが身に染みる」なんて言っていたな。
人間は、寒さが苦手に違いない。
とりあえず、風の当たらないところに移動するか。
「エド、移動するぞ」
エドに、釣り竿と、葉月の杖を持ってもらう。
オレは、葉月をおんぶして運ぶことにした。
「結局、助けるのかストラウス?お人好しだなあ。」
「しかし、この子、無茶苦茶だけど、すごい魔法のパワーだったな」
エドが、崩れた山を見た。
「そうだな。あれがオレたちにあたらなくて本当によかった。」
心から思った。当たっていたら、今ごろ生きていない。
コントロールが上手くいくようになれば、この子、すごい勇者になるんじゃないか?
まあ、すごい勇者になってしまうと、魔族としては困るけど。
……あの辺でいいかな?
建物の一階が、駐車場になっている。あそこなら、風がしのげそうだ。
よいしょっと、ずり落ちそうな葉月を、背負い直した時。
「魔族め……、葉月を離せ――!!」
絞り出すようにして、発せられた声。
――俺たちの前に、今度は正真正銘の勇者が現れた。




