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第17回 勇者見習い、葉月(はづき)


「お兄ちゃん、大丈夫?」


ゴホン、ゴホンと深い咳をする、お兄ちゃん。


もう、1週間も寝込んでいる。


これは、やっぱりインフルエンザじゃない?


病院に行ったけど、検査結果は陰性だった。


本当に、ただの風邪なの?


私(葉月)は、医者に疑いの目を向けた。


――ピロリン


お兄ちゃんのスマホが鳴った。


画面を見たお兄ちゃんが、顔をしかめる。


「こんな時に、魔族がでたらしいぞ。」


「ええっ、どこで?」


「なんでも、湖を攻撃しようとしているらしい。」

「止めにいかないと……」


重そうな身体を、無理やり起こそうとするお兄ちゃん。


「やめておきなよ!そんなに熱があるのに、無理だって!」


「でも、勇者の俺が行かないと、魔族がまた、破壊するぞ」


それはそうだけど、今のお兄ちゃんには、どう考えても無理だ。


でも、誰かが魔族を止めないと、大変なことになってしまう。


――どうしたらいいんだろう?


ゴホッゴホッ。


お兄ちゃんが、また咳こんだ。

いつも戦っているお兄ちゃん。


日頃の無理がたたったのかもしれない。


私に、何かできることはないの?

一生懸命に考えた。


……そうだ!



勇者であるお兄ちゃんが動けない今、私が行くしかない。



「……私がいく。」



「えっ!?」


「お兄ちゃんは、寝てて。」

「私だって、勇者の修行したんだよ?」

「私、魔族を止めてくる!」


「葉月、やめておけ。お前は、まだ勇者見習いだろ?」

「相手は、凶暴な魔族だ。お前の手には負えないぞ。」


でも、魔族が暴れているのは、見過ごすことはできない。


少しでも足止めできたら、後は援護が来るかもしれない。


「大丈夫だよ、お兄ちゃん。」

「私、行ってくるね」


「おい、葉月!!」


お兄ちゃんの静止を振り切って、私は一人、家を出た。


――凶暴な魔族、絶対に許さないんだからっ。


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