第10話 第101回 世界征服プロジェクト会議
第101回、 世界征服プロジェクト会議が始まった。
これまでの会議とは、少し様子が違う。
冒頭から、魔王様の嬉しそうな声が響き渡った。
「ついに、ついに、我々魔王軍は、果樹園を占拠したぞ!!!」
ワーッ!と、大きな歓声があがった。
「世界征服への、大いなる一歩を踏み出したのであるっっ!!」
「果樹園の占拠に成功した、ストラウスと、エドに、大きな拍手を!!」
魔王軍のアジトは、割れんばかりの拍手に包まれた。
「二人には、この調子で、占拠を進めてもらいたい。」
「みなも、二人を見習うがいい!」
オレの横で、照れながらも、誇らしげなエド。
今回の成果が認められて、エドも幹部になった。
それにしても……、果樹園は、占拠した……のか?
ただ、労働に力を貸しているだけのような気がするが……。
こんなに、盛大に褒められると、何か違う気がしてくる。
まあ、みんな、美味しそうにリンゴを食べているからいいか。
ちなみに、魔王様はリンゴが好物だった。(合ってた……。良かった。)
苺は、季節になったら送ってくれるらしい。
自由に、『いちご狩り』をしてもいいとも言っていた。
いつか、ばあちゃんも連れていきたい。
たくさんとれたら、苺のパフェを作ってもらおう。
のんきに、苺で妄想を広げていたけれど、魔王様の言葉で現実に引戻された。
「……ストラウス。」
「はいっ。」
「……。」
「よだれがタレているぞ。」
なんだって――!!
しまった、リアルに苺を想像しすぎた!!
隣のエドが、笑いをこらえている。
幹部の中から、吹き出した声も聴こえた。
くぅう、一生の不覚だ。
急いで、口元をぬぐう。
オレが、キリッとした顔に戻るのを見届け、魔王様が声を張り上げた。
「ストラウス、エド。次なる任務を命じる」




