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#5 俺達流の雨乞い 後編
「神力使いがまた邪魔をするか……」
「もう少しだけ待ってもらえませんか。少し時間が経てば、きっと貴方の神力は回復します」
「無駄だ。戻らぬと分かっているものを、待っても仕方がない」
宿禰さんが笏を持ちひざまずくと、再び祝詞を唱え始めた。それは、昨日俺たちが作戦会議で決めた戦闘開始の合図だった。
──俺達の雨乞いには、二通りの方法がある。
一つは、悪王子神をわざと怒らせて感情を揺すぶり、雨雲を呼んで雨を降らせる方法。
もう一つは、悪王子神の神力を全て放出させた後に神力で悪王子神を封印し、雨を降らせる交渉に持ち込む方法だ。
二つの方法のうち、どちらかで雨が降れば上々だが、いずれにしても悪王子の五回の神雷に耐えうる必要がある。だが所詮は脆い人間の肉体、一度でもまともに食らえばアウトだ。ミスは許されないという厳しい状況だ。
悪王子の周囲に青い稲妻がほとばしる。
──来る。
その雷が俺とつづらへ向かおうとするその時、声がした。
「──東方は阿迦陀、西方は須多光、南方は刹帝魯、北方は蘇陀摩抳──」
俺の隣に、秘咒を唱える巴が立っていた。




