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#4 儚くも美しく 後編
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女性の事情を察した店長が、警察を呼ばずに穏便に済ませることにしたらしい。女性が帰った後、アクセサリーショップの店主が俺達に礼を言った。
「お礼と言っては何ですが、店の品の中からお好きなものを差し上げます。どうぞお選びください」
「さっきのネックレス、まだありますか?」
「それが……」
店主が口ごもりつつネックレスを取り出した。空に浮かぶ月のようだったムーンストーンは地面に落ちた時の衝撃で大きくひびが入り、二つに割れてしまっていた。
あの美しさは、とても儚くて脆いものだったと思い知る。
「あいにくこのネックレスは一点物でして。申し訳ございません。他の商品で気に入っていただけるものがありましたら、どれでもどうぞ」
「ごめん。俺の決断が遅かったせいで」
「割れちゃったのは悲しいけど、夏輝くんにケガがなかったのが一番大事だよ」
美月さんの目が切なそうに潤んでいて、俺は思わずどきりとした。




